・関谷 仁
カラス銀行の賭場において現在39連勝中という圧倒的勝率を誇り、獲得資金も4700万円稼いでいる帝王。28歳。
カラス銀行の賭場にやって来た真経津の最初のゲーム『ウラギリスズメ』の対戦相手であり、まるで相手の手元を覗いているかのように正解を当ててしまう。
………うん、まあウソは言ってない。
賭場の帝王というのも間違ってはいないが、彼が入り浸っている所は一般人が入れる最下層クラスでしかなく、野球で言えばいわゆる草野球レベルのゲームを行ってる場所。
正解がわかるのも対戦相手の後ろにイカサマの合図を送り、『通し』を行う人物を配置してそれを見てるだけだったりする。
そもそも39連勝もしておきながら稼いだ金額が4700万円なら、毎回100~150万円くらいしか稼げていないということに他ならない。
真経津が見せた鏡に映った本性も、ただただセコイ自分が映るだけであった。
挑発に乗ってハイリスクに飛び込んだ結果あっさり騙されて敗北、資金がマイナスに転落したことにより特別融資が強制実行された挙げ句にイカサマしていたことがバレたため、今まで騙されていた連中からの報復を受けることになった。
後にオークション送りになった姿が確認出来るが、そこから先の処遇は不明。
・獅子神 敬一
4リンクのギャンブラー。26歳。
自分に負けた相手を奴隷として買い取り、王として君臨しているギャンブラー。
4リンクへと上がってきた真経津が行った『気分屋ルーシー』の対戦相手。
該当ゲームは既に何度も経験済なので、そのアドバンテージを利用した戦術を駆使するが、その手段もブラックライトで光る特殊な塗料を付着させて当たりの位置を探るイカサマでしかなかった。
自分のイカサマのタネを真経津により看破されただけではなく、別のイカサマを仕掛けられたと思い込まされた結果、当たりを教える形になってしまいあっさり敗北。
確かに彼は強者のギャンブラーではあったが、それは一般人レベルと比較しての話、本物のギャンブラーにとっては手玉に取られるレベルでしかなく、ずっと同じランクに留まって王様を気取っているだけと看破されてしまっている。
真経津が見せた鏡に映った本性は『虎の威を借る卑屈な狐』でしかなく、彼はゲームのペナルティを受けてそのままフェードアウトするのであった。
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ゴラァ真経津テメェッ!人誘っといてなんで連絡返さねーんだ!!? |
しかし、作中の設定が明らかになるにつれて、彼の人気が急上昇することになる。
確かに対戦時はイカサマで勝ち続けるショボい相手でしかなかったが、敗北時はあえて治療を受けずに戒めとしてペナルティの傷をあえて残すと宣言、真経津も目を見開いて驚くばかりか、思わず笑顔を見せるという珍しい描写を皮切りに
・再登場した時も自分より強い相手との実力差を一目で理解した後に「勉強になるぜ」と向上心を忘れない。
・その相手からの唐突なキラーパスにきっちり応え、彼も一般人レベルではないことが証明される。
・真経津達に振り回されるコメディキャラとツッコミキャラを担当しつつ、趣味は筋トレなうえにお手製の凝った料理を毎回提供する真面目さを披露。
・全く面識のない詐欺被害者のためにわざわざ各家を訪ねてカード類を返却して回る。
・奴隷として購入した相手もオークション送りになった者の末路を知ると、めちゃくちゃ好待遇なのが明らかになる。
・奴隷を全員解放した際には、「残らせて欲しい」と言い出す者が二人もいた。
などなど、あざとさが留まるところを知らない有様で、読者からは敬意を込めて「獅子神さん」と呼ばれている。
後に1/2ライフへと昇格。
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・村雨 礼二
4リンクのギャンブラー。29歳の医者。
本来なら1/2ライフで行われるゲーム『S.O.S(サウンド・オブ・サイレンス)』の対戦相手。
どれだけ激昂していても相手を「あなた」と二人称で呼ぶ慇懃無礼な言動をしつつも、優秀な医学知識と五感を合わせた並外れた観察眼を持ち合わせており、ただ一目見ただけで御手洗が自分の負けに何か賭けていると、背景を見抜いてしまうほど。
一方で常にメスを持ち歩いたり、それで好物のステーキを食べたりする変人でもある。
心の中を読むかの如き観察眼で真経津の行動さえも軽々と読み切り、ゲームは終始村雨優位で進む一方、肝心のゲーム内容に関する詳細が不透明なまま終盤に突入したため、真経津の瀕死の怪我を負ってまで仕掛けた嘘に騙されてしまう。
真経津からは「君は見たいものしか見れない」と評され、鏡に映った本性も『大したものが詰まってない人形』でしかなく、『S.O.S』のペナルティを受けた結果、大音量により聴覚を完全に破壊されて敗北してしまった。
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どういう精神構造なんだ?私を遊びに誘うとは |
…と思いきや、後日に真経津の遊び相手として再登場。
ペナルティを受ける直前に「耳栓をした方が良い」という真経津のアドバイスがギリギリ間に合ったのか、聴覚は手術をすれば治るレベルに収まった模様。
耳が聞こえない中でも相変わらず人間離れした五感を見せ付けてギャンブルを行うなど実力は健在。
そのイベントの後は真経津達とわちゃわちゃと遊ぶ仲良しグループになってしまった。
実は賭場の最高ランクである1ヘッドに入るほどの実力者であったことが明かされた。
『銀色の瞳の男』とたまたま廊下ですれ違った際、瞬時に危険を察知して即座に口座の残高を減らしてわざと4リンクに落ちたとのこと。
後に1/2ライフへと復帰している。
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・雛形 春人
1/2ライフのギャンブラー。26歳の画家。
担当銀行員の土屋田さんの命令に従って勝利を重ねてきた……というのはただの演技で、実際は人面獣心の悪辣な性格をしており、土屋田を裏から操っていた。
絵を描く際に実際にモデルを殺していると思しき描写がある。
真経津との勝負である『ジャックポット・ジニー』も、感情の動きを見抜く観察眼によって完全に出すカードを読み切る恐ろしさを見せ、結果的に真経津は信じられないほどの大敗を喫してしまった。
真経津が苦し紛れに見せた鏡に映った本性は『自分の作品で造られた自分』という至極当たり前の景色しか見えなかった。
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いい加減に目を覚ませ、君の勝利は机上の空論だ |
雛形が『ジャックポット・ジニー』で大勝を収めたのは間違いないが、それは銀行側が仕掛けた罠。
手に入れた金貨の支払いが完全に終わるまではボックスから出られないので、あまりに勝ちすぎると確実に死ぬ悪質なルールが仕込まれていたのだ。
大量の金貨を手に入れてしまったことで、7日と17時間34分30秒もの期間を飲まず食わずで耐えなくてはならないという、確実に脱水症状で死ぬか、ギブアップすることで手に入れた金貨によって圧殺されるかの二択が確定する無惨な最期を迎えてしまう。
果たして雛形がどちらの最期を選んだかは定かではないが、おそらくは餓死を選んだのだろう。
真経津からはゲーム中も徹頭徹尾呆れられており、「よそ見するな」などのアドバイスを幾度となく送っていたが、結局はゲームが終了するまで真のルールが『金貨の奪い合いではなく、金貨の押し付け合い』であることに気付くことはなかった。
鏡に映った本性の『自分の作品で造られた自分』も、自分のことしか考えていないという皮肉な意味に転じている。
このゲームから銀行の賭場における真の顧客の存在と共にタイトルである『ジャンケットバンク』の意味が明かされたり、前述の雛形の「バカが現実に気付いた時の顔が美しいから」というセリフが綺麗にブーメランを描いて自分に刺さるといった描写で盛り上がることになった。
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最終更新:2022年06月15日 03:26