いけ(接頭)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 接頭辞 近世語。多く好ましくない意味を含む名詞、形容詞、形容動詞などの上に付いて、卑しめ、非難する気持を表わす。
(イ) 名詞、形容動詞の上に付く場合。「いけ癖」「いけぞんざい」「いけ年」「いけ不器用」「いけ面倒」など。
(ロ) 形容詞の上に付く場合。「いけあたじけない」「いけあつかましい」「いけしつこい」「いけずうずうしい」など。
(ハ) 副詞、形容詞句、動詞、動詞句などの上に付く場合。「いけしゃあしゃあ」「いけずうずうと」など。 ※雑俳・川柳評万句合‐安永五(1776)智一「いけよくのふかいあまだとあばたいい」
※滑稽本・八笑人(1820‐49)四「いけ利(きい)た風に、耳学問のこうぜへた口をたたきたがるから」
[語誌]近世前期の上方には、用例は少なく、ほとんどが「いけ年寄」のように名詞に冠して用いられている。その後、用法を広げ、近世後期の江戸語では、形容動詞、形容詞、動詞などの上に付けて用いられるようになった。
広辞苑 接頭辞 (イッケとも)卑しめののしる意を強く表す。 遊子方言「いツけずるい」。
「―すかない」
大言海 接頭辞 奴詞 (ヤツココトバ)ナルベキカ、語原、解スベカラズ、或ハ、()(ケイ)ノ略轉カ、(()い、いい)長崎ニテ、餘計ナル分量ヲ、いけえしこト云フ、又、或ハ、元祿、享保ノ頃、大阪詞ニ、いけ、又、いきト云フアリテ、同義ナリ、長町女腹切(元祿、近松作)上「半七ノいき 掏兒 (ズリ)メ、ヨウモ、親方ヲ蹈ミツケタナ」心中網島(享保、近松作)中「女房、子供ノ身ノ皮剝ギ、其金デおやま狂ヒ、いけドウ 掏兒 (ズリ)メ」浦島年代記(元祿、近松作)五「 大騙 (オホガタリ)ノ生 賣僧 (マイス)」(いきカ、いけカ)然レドモ、其語原ハ知ルベカラズ、接頭語ノあたヲ參見スベシ〕
種種ノ語ニ冠シテ、强ク罵ル意ヲナス卑語。
俚言集覽、いけ「卑シメ詈ル詞也、いけヅウヅウシイ、いけフトイ、いけシャアシャア、いけヤカマシイ、いけドウヨク、皆、 生憎 (アナニクヤ)ノ、生ト同ジキカ、奴俳諧「月花ヲ、いけヅクニウハ、(ナガ)メ入リ」
「いけ年ヲシテフザケル」いけゾンザイナ」いけ 騷騷 (サウザウ)シイ」いけヅルイ」いけスカナイ」

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最終更新:2024年05月06日 20:48