け(褻)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 (神の祭や公の政など儀式や祝いごとを晴(はれ)というのに対して日常的な私ごとをいう) 正式でないこと。よそいきでないこと。また、そのような状態の時や所。ふだん。常(つね)。 ※平中(965頃)三四「上にもけにも心にまかせてまじり歩く人なれば」
※徒然草(1331頃)一九一「ことにうち解けぬべき折節ぞ、け・晴(はれ)なくひきつくろはまほしき」
[語誌](1)古代においては、服装、寝殿造の建物や食事など生活全般にわたって「ハレ=公(おおやけ)」と「ケ=私(わたくし)」とが明確に区別されていた。
(2)「けはれ」「褻にも晴れにも」のように「はれ」と熟合しても用いられ、日常語として広まっていたことがうかがわれる。
広辞苑 名詞 おおやけでないこと。よそゆきでないこと。ふだん。日常。わたくし。 今昔物語集26「―・(おさめ)の装束」
大言海 名詞 け(來經)ノ義ニテ、日常ノ意ナラム、褻の衣ハ、常の衣ナリ〕
(ツネ) 平生 (ヘイゼイ)。フダン。((オホヤケ)、又、(ハレ)、ニ對ス)多クハ、衣ニ云フ、褻の衣ハ、 不斷着 (フダンギ)ノ服ナリ、 褻居 (ケヰ)ト云フハ、常ノ居閒ナリ。
論語、鄕黨篇「紅紫、不以爲 褻服 (ケノ )」王肅、注「褻、常也、私服、非公會服
大鏡、中、兼通「 伏籠 (フセゴ)、打チオキテ、けニ着タマフ 御衣 (オンゾ)ヲバ、暖ニテゾ着セ奉リタマフ」
無名抄、上、高見の小川ノ歌ヲ()ミタルヲ(ナン)ジテ「カヤウノ事ヲバ、イミジカラム晴レノ會、若シハ、國王、大臣ノ御前ナドニテコソ()マメ、カカル()事ニ詠ミタル、無念ナル事也」

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最終更新:2024年05月10日 19:43