け(消)

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日本国語大辞典 動詞 (動詞「きゆ(消)」の未然形および連用形「きえ」の変化したものか。用例の大半は連用形)
① 消える。消滅する。
※万葉(8C後)五・八四九「残りたる雪にまじれる梅の花早くな散りそ雪は消(け)ぬとも」
※俳諧・蕪村真蹟‐馬提灯(1764‐72頃)「風どと吹落て小とほしの火はたとけぬ」
② しぼむ。 ※万葉(8C後)一〇・二二九一「朝(あした)咲き夕(ゆふべ)は消流(けぬる)月草の可消(けぬべき)恋も吾はするかも」
③ 死ぬ。比喩的表現で、露、霜、雪などの語を含む枕詞を受けることが多い。 ※万葉(8C後)五・八八五「朝露の既(ケ)やすき我が身他(ひと)国に過ぎかてぬかも親の目を欲(ほ)り」
※蜻蛉(974頃)中「花にさき実になりかかる世をすててうきばの露と我ぞけぬべき」
④ (他動詞的に用いて) 消えるようにする。消す。 ※源氏(1001‐14頃)総角「恋ひわびて死ぬる薬のゆかしきに雪の山にや跡をけなまし」
[補注](1)終止形を「けゆ」とし、「け」をその未然・連用形「けえ」の変化とする説がある。
(2)「万葉‐四〇二四」の「立山の雪し久(ク)らしも」の「く」を終止形と認め、カ行下二段に活用したとする説もある。
広辞苑 (動詞「く(消)」の未然・連用形)
く(消)
大言海 動詞 消ゆノ連用形、きえノ約。 萬葉集、九 十九 長歌「忽チニ、心 消失 (ケウ)セヌ」
同卷 三十三 長歌「朝露ノ、()易キ命」
同、十 雪消 (ユキゲ)ノ水ニ」
伊勢物語、百五段「白露ハ、けナバけナナム、()エズトモ、玉ニ貫クベキ、人モアラジヲ」

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最終更新:2024年05月10日 19:43