えだ(枝(名詞))

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 [一] 草木の芽の幹や茎から分かれて生長した部分。 ※古事記(712)下・歌謡「わが逃げのぼりし、ありをの榛(はり)の木の延陀(エダ)」 枝・肢
[二] もとから分かれ出たもの。分派したもの。また、そのような形をとったもの。
① 人や獣の手または足。四肢。
※古事記(712)中「待ち捕へて搤(つか)み批(ひし)ぎて、其の枝(えだ)を引き闕(か)きて、薦(こも)に裹みて投げ棄(う)てつ」
※観智院本三宝絵(984)中「聟舟人に心を合てゆく僧の四のえたをしばりて海の中に入つ」
② (①から転じて、手足のように四方に延び広がるという意から) 一族。子孫。やからうから ※拾遺(1005‐07頃か)雑下・五七四「ましてかすがの杉群にいまだ枯れたる枝はあらじ〈藤原兼家〉」
③ 本来の意義から分かれた考え。異説。えだ道。 ※本朝文粋(1060頃)三・弁山水〈橘直幹〉「於是錦図瓊牒、所載多岐」
④ =えだみち(枝道)① ※空知川の岸辺(1902)〈国木田独歩〉二「山道で岐路(エダ)が多いから矢張り案内が入るでしゃう」
接尾辞 ① 木の枝を数えるのに用いる。 ※源氏(1001‐14頃)紅梅「ひとえだ折りて参れ」
② 木の枝につけた贈り物を数えるのに用いる。また籠(かご)や長持に入れた贈り物を数えるのに用いられる場合もある。 ※大和(947‐957頃)三「捧げ物、一えだせさせてたまへ」
③ 薙刀(なぎなた)を数えるのに用いる。柄。 ※饅頭屋本節用集(室町末)「一柄 ヒトエダ 長刀」
④ 扇を数えるのに用いる。 ※たまきはる(1219)「単衣がさね着るほどよりは、すずし、紙の絵は、ただひとえたなど、清げに、心あるを、ほそぼねの六ぼねに張りてもつ」
広辞苑 名詞 ①多年生の維管束植物の幹から分かれ出た茎。被子植物では普通、腋芽が成長してできる。広義には、外観上これと似た分枝構造(藻類などでいう枝など)をいう。 古事記下「我が逃げ登りし 在丘 (ありお)の榛の木の―」。
「柿が―もたわわに実る」
②本から分かれ出たもの。 「―道」
③人や獣の四肢の部分。 古事記中「待ち捕へてつかみひしぎて、その―を引きかきて」
大言海 名詞 〔本言ハ、えナリ、えだハ、 枝出 (エデ)ノ轉カ、 小枝 (コエダ)ヲ、こやでト云フ、肢ヲモ、えト云フハ、身體ノ()ノ義、又、えだトモ云フハ、 枝手 (エデ)ノ轉カ、(()ヲ、手トモ云フ)うたて、うたた、(轉)相通ズ、(エダ)ノ事ハ、次條ヲ見ヨ〕
(一)本言、。草木ノ莖、幹ヨリ分レテ、生ヒ出ヅルモノ。
雄略紀、五年二月、長歌「榛ガ 曳陀 (エダ)
倭名抄、廿 三十 「枝、條、衣太」
古事記、下(雄略) 三十七 長歌「槻ガ()ハ、 本延 (モトツエ)ハ、(アメ)()ヘリ」
宮平御時后宮歌合「何レノえヲカ、花トハ折ラム」
「松ガ枝」梅ガ枝」
(二)物事ニ、スベテ(モト)ヨリ分レ出デタルモノ。(ブン)() 名義抄「支、エダ」
「枝川」枝路」話ノ枝葉」

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最終更新:2024年03月12日 17:46