かつ(勝(自動詞))

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 自動詞 ① 戦って敵を破る。⇔負ける ※書紀(720)神代上(水戸本訓)「正哉(まさにや)吾(あれ)勝(カチぬ)」 勝・克・贏
② 優劣を競って、他にすぐれたことを示す。まさる ※万葉(8C後)一四・三四五〇「乎久佐乎(をくさを)と乎具佐受家乎(をぐさずけを)と潮舟の並べて見れば乎具佐可知(カチ)めり」
③ 獲得する。利益を得る。もうける 〔日葡辞書(1603‐04)〕
※浄瑠璃・神霊矢口渡(1770)四「そいつを元手に、大勝負、勝つ程にける程に、持丸長者とはおれが事」
④ (克) 押えがたい欲求などを努力して押える。心に働く強い力を押える。 ※西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)一〇「其の事を聞き已りて、悲しび噎(むせ)びに勝(カチ)えず」
⑤ 困難な状況に抗して、それを克服する。特に病気についていう。 ※滑稽本・六阿彌陀詣(1811‐13)初「どうして病ひにはかたなんだか」
⑥ その傾向が強い。 ※滑稽本・浮世床(1813‐23)初「『おれだってもちっとは色気があらうぢゃアねへか』『食気の方が勝(カッ)て居らァ』」
広辞苑 自動詞 ①戦って相手を破る。 栄華物語初花「この鶏の左のしきりに負け、右のみ―・つに」。
平家物語9「討ち奉らずとも―・つべきいくさに負くることよもあらじ」。
「試合に―・つ」「裁判に―・つ」
勝つ・贏つ・克つ
②優劣を争って他にすぐれた事を示す。比べてみてまさる。 万葉集14「 乎久佐壮子 (おくさお) 乎具佐助丁 (おぐさずけお)と潮舟の並べて見れば乎具佐―・ちめり」
御室歌合「秋の夜は月と草ばの白露と光くらべにいづれ―・たまし」。
「学力では兄より弟が―・つ」
③目標に向かって努力する。 「富を―・ち得る」
④何かの要素が他をしのぐ。圧倒する。 「この服地は赤みが―・っている」「位が実力に―・つ」「荷が―・つ」
⑤(性格・気性が)強い。 「あの人は気の―・った人だ」
⑥《克》おさえ難いものを努力しておさえつける。たえる 「病気に―・つ」「己に―・つ」「誘惑に―・つ」
大言海 自動詞 (一){鬪ヒテ、他ヲ敗ル。競ベテ、超ユ。 (スグ)。(負くニ對ス) 枕草子、八、八十五段、たのもしげなきもの「一番ニかつ雙六」
(二)抑ヘ得。 「己レニ()つ」
動詞活用表
未然形 かた ず、ゆ、る、む、じ、す、しむ、まほし
連用形 かち たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 かつ べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 かつ も、かも、こと、とき
已然形 かて ども
命令形 かて

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附箋:四段 自動詞

最終更新:2024年04月03日 15:17