かや（萱・茅）

辞書	品詞	解説	例文	漢字
日本国語大辞典	名詞	① 屋根を葺(ふ)くのに用いるイネ科、カヤツリグサ科の大形草本の総称。主としてススキ、チガヤ、スゲなどが用いられる。茅根。茅草。《季・秋》	※古事記（712）上「爾に即ち其の海辺の波限(なぎさ)に鵜の羽を以ちて草(かや)と為て産殿を造りき。〈略〉〈波限を訓みて那芸佐と云ふ。葺草を訓みて加夜(カヤ)と云ふ〉」 ※延喜式（927）祝詞（九条家本訓）「取り葺ける草(カヤ)の噪き〈略〉なく」	茅・萱
		② 「すすき（薄）」の異名。	※八丈実記（1848‐55）土産「芒(カヤ)すすき 地筋(カヤ)（〈注〉ヂヂョ）、異名菅根、土筋、菅茅、黄茅」
		[語誌](1)元来は①のように総称だったので、「延喜式・祝詞」に見られるように「草」をあてることもあった。「茅」は「ち」で、「ちがや」を指すが、「ちがや」は屋根をふく草の代表的なものなので、「かや」にあてられた。 (2)「萱」は本来、ユリ科の植物カンゾウ、一名ワスレグサで、「かや」の意に用いるのは誤り。「和名抄」「名義抄」などに「かや」とよむ文字は「萓」。字形が似ているところから、後世誤ったもの。
広辞苑	名詞	屋根を 葺 (ふ)くのに用いる草本の総称。チガヤ・スゲ・ススキなど。 小萱 (おがや)。〈[季]秋〉。	万葉集14「岡に寄せわが刈る―のさね―の」	茅・萱
大言海	名詞	〔前條ノ語ノ轉、屋ヲ葺クニ最良ナレバ、かやノ名ヲ專ラニス、 薄 (ススキ)ノ、 芒 (ススキ)トナレルガ如シ〕 草ノ名。形狀、スベテ 蘆 (アシ)ニ似テ、高シ。但シ、心ノ 實 (ミノ)ルヲ異ナリトス、莖葉ヲ取リテ、多ク、 屋 (ヤネ)ヲ葺ク、花、秋ニ咲ク、亦、蘆ノ如クニシテ、穗ニ枝少ナシ。菅	倭名抄、廿 廿一 「萱、加夜」 萬葉集、十四 廿五 「岡ニ寄セ、我ガ刈ル加夜ノ、サネ加夜ノ、マコトナゴヤハ、ネロトヘナカモ」	萱・茅

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附箋：名詞 植物