こめ(米)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① もみがらを取り去った稲の種子。そのままのものを玄米、搗(つ)いたものを白米または精米という。よね。はちぼく。 日本書紀(720)皇極二年一〇月・歌謡「岩の上に 小猿渠梅(コメ)焼く 渠梅(コメ)だにも 食(た)げて通らせ かまししのをぢ」
平家物語(13C前)三「百疋百両に米(コメ)〈高良本ルビ〉をつむでぞ送(おくら)れける」
② 稲。 俳諧・冬の日(1685)「日のちりちりに野に米を刈〈正平〉 わがいほは鷺にやどかすあたりにて〈野水〉」
③ 取引関係で米相場をいう。
[語誌]( 1 )コメと類語ヨネとの違いについて契沖は、脱穀したものがコメ、さらに精白したものがヨネではないかとしている〔随・円珠庵雑記〕。しかし、中古・中世の文献によると、漢文訓読および和文的な作品でヨネが多いのに対して、説話や故実書、キリシタン文献などでコメを用いており、これはヨネが雅語的・文章語的性格を有したのに対して、コメが実用語的・口頭語的な性格が強かったからではないかと解釈される。
( 2 )このほか、類義語としては、「米」の字を分解したハチボク(八木)があり、主に記録体の文章に用いられた。また、コメのメを繰り返したと思われるメメや、魔除けのために米をまきちらすことからきたウチマキという語が、中世から近世に女性語として用いられた。
広辞苑 名詞 稲の果実。 籾殻 (もみがら)を取り去ったままのものを玄米、精白したものを白米または精米という。五穀の一つとされ、小麦とともに世界で最も重要な食糧穀物。(うるち)は炊いて飯とし、(もちごめ)は蒸して餅とする。また、菓子・酒・味噌・醬油などの原料。 皇極紀「岩の上に小猿―焼く」
大言海 名詞 (ニコ)()ノ略轉ニテ((クニガ)、くが。(ススミ)、すずめ)籾ヲ脫シタルニ云フカ( 荒糠 (アラヌカ)、こぬか)沖繩ニテ、くみト云フ〕
(一)稻ノ()。其(モミ)ヲ除ケバ、中ニ、 粒子 ()アリ、糠ニテ包ム、玄米ト云フ、搗キ精グレバ白シ、白米、又、精米ト云フ、炊ギテ飯トシテ、日常ノ食トシ、又、酒ヲモ釀ス。ヨネ。ボサツ。 八木 (ハチボク)。種類、多シ、 (イネ)ノ條ヲ見ヨ。
皇極紀、二年十月「岩ノ上ニ、小猿 渠梅 (コメ)燒ク」
倭名抄、十七米類「糄米、夜木古女」
(二)粟、稗ノ實ニモ云フ。 宇津保物語、藤原君 三十 「橘ヲ取リテナム、參リツルト申サムト云ヒツレバ、あは米ヲ包ミテナム、クレタルト云フ」
今昔物語、廿一「稗米ヲ、粥ニ煮テ、云云」(異本)

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附箋:名詞 食物

最終更新:2024年08月04日 20:52