た(誰)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 代名詞 (不定称) (格助詞「が」を伴って連体修飾語として用いることが多い) =たれ(誰) ※古事記(712)下・歌謡「御諸に 築くや玉垣 斎(つ)き余し 多(タ)にかも寄らむ 神の宮人」
※日葡辞書(1603‐04)「Taga(タガ) コレヲ イタイタカ」
[語誌](1)「たれ」に比して用法は限られ、もっぱら和文に用いられ、訓読文における確実な用例はない。
(2)格助詞「が」(連体修飾格・主格用法)、係助詞「そ(ぞ)」(文末用法)をともなう時には、多くは「たが」「たそ」と用い、「たれが」「たれそ」はあまり見られない。特に、格助詞の場合、「の」ではなく「が」をともなう点で、他の人称代名詞「あ(吾)」「わ(我)」「な(汝)」に共通し、「が」ではなく「の」をともなう指示代名詞「こ(此)」「そ(其)」「か・あ(彼)」とは対照的である。「天草本伊曾保」や狂言にも「たが」「たそ」の形で用いられているところから、中世末ごろまで口語的性格を保っていたかとも考えられる。
広辞苑 代名詞 (不定称)「たれ」に同じ。 古事記下「―にかも寄らむ神の宮人」
大言海 代名詞 〔沖繩ニテ、たあに〕
たれ(誰)ニ同ジ。
古事記、下(雄略) 三十三 御室 (ミモロ)ニ、築クヤ玉垣、築キ餘シ、()ニカモ依ラム、神ノ宮人」
古今集、四、秋、上「主シラヌ、香コソ匂ヘレ、秋ノ野ニ、()ガ脫ギカケシ、藤袴ゾモ」
著聞集、十六、興言利口「乃チ明ケテ、()ソト問ヘバ」

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附箋:不定称 代名詞

最終更新:2024年05月10日 20:19