さう(然)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 副詞 ( 「さ(然)」の変化した語 )
① ( 前の語・文脈などを受けて ) そのように。そのようで。
両足院本周易抄(1477)四「天道は終れば始まるぞ。寒去れば暖になる様にぞ。人もさうぞ」
虎明本狂言・鍋八撥(室町末‐近世初)「身共はあきんどじゃ。そういふてしかとたつまひか」
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二「『本田は一等上ったと云ふぢゃないか』『然(サ)うださうだ』」
② ( 連用修飾語として用いる時、その被修飾語を省略してその意味を含める。たとえば「そう多くは」「そう安くは」の「多く」「安く」などが省略される形 ) そのように…の状態。 談義本・根無草(1763‐69)三「『五文にまけろ』〈略〉『〈略〉。盗物では有るまいし、半分殻(から)でもそふは売らない』」
③ 何かを思い出したり、相手のことばに応答したりする時に感動詞のように用いる。「そう」の指示内容は必ずしも明確に文面に表われない。 歌舞伎・幼稚子敵討(1753)六「『それ、見やしゃったかの〈略〉』『イヤイヤ、さふじゃさふじゃ』」
感動詞 ① 相手のことばに対する肯定や問い返し、または半信半疑の気持、感動などを表わす。 名語記(1275)四「詞の返答に、しか也と云心をそうといへり、心、如何。これはそといふを、そうといひなせる也。そはそのの反」
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「『アノー先刻此郵便が』『ア、サウ、何処から来たんだ』」
② すぐ前に述べた自分のことばを確かめたりそれから思いついたりする気持ではさむ。 夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第二部「俺がお前に話してるやうなことを、寿平次さんはお里さんに話してるにちがひないよ。さうさな、ずっと古いことは俺にもまあよく分らないが」
広辞苑 副詞 (サ(然)の転)
そのように。それほど。そんなに。しか
狂言、鹿狩「いかほど―いふとも」。
「―して下さい」「―高い品ではない」
然う
感動詞 口語で、相手の言葉を肯定したり、自分が思い出した事を切り出す予告としたりするのに使う語。 「―、こんな事もありましたよ」
大言海 副詞 ()ノ延、(ヤヤ)、やうやう〕
シカ。ソノ如クニ。
狂言記、鹿狩「イカホドさう言フトモ、鹿ヲ射タラバ、鹿ニナライデ、カナフマイ」
「さうアル」さうスル」さうデゴザリマス」

検索用附箋:副詞
検索用附箋:感動詞

附箋:副詞 感動詞

最終更新:2024年08月18日 16:28