さく(放・離イ)

日本国語大辞典
辞書 品詞 解説 例文 漢字
広辞苑 他動詞
四段
放つ。遠くへやる。 万葉集3「この崎を独り過ぐれば見も―・かず来ぬ」 離く・放く
他動詞
下二段
①間を離す。距離をおく。 允恭紀「 細紋形 (ささらがた)錦の紐を解き―・けてあまたは寝ずにただ一夜のみ」。
万葉集2「 鯨魚 (いさな)とり近江の海を沖―・けて漕ぎ来る船」
②離して遠ざける。 万葉集14「親は―・くれど吾は(さか)るがへ」。
催馬楽、貫河「柔らかに寝る夜はなくて親―・くる(つま)
③(動詞の連用形に付いて)…して思いをはらす。 万葉集19「語り―・け見―・くる人目乏しみと思ひし繁し」
④(「見―・く」などの形で)遠方に目を放つ。遠くを見やる。 万葉集1「つばらにも見つつ行かむをしばしばも見―・けむ山を心なく雲の隠さふべしや」
大言海 他動詞
四段
〔裂くト通ズルカ〕
(ハナ)。見()くト云フハ、見遣ル心ニテ、 振放 (フリサケ)見るト、同意ナリ。
萬葉集、十三 三十四 長歌「天地ノ、神シ恨メシ、草枕、此旅ノ()ニ、 夫應 (ツマベシ) 離哉 (サクヤ)」(旅中ニ、夫、死シテ、妻ノ歸ルサニ詠メル歌ナルベシト云フ)
同、三 五十二 「行クサニハ、二人我ガ見シ、此崎ヲ、獨リ過グレバ、見モ左可ズ()ヌ」(太宰帥大伴旅人ガ、往ク時伴ヒシ 郞女 (イラツメ)ハ亡セテ、歸ルサニ、攝津國、武庫郡、 敏馬 (ミヌメ)ノ崎ヲ過グル時ノ詠ナリ)
同、一 十三 長歌「 委曲 (ツバラ)ニモ、見ツツ行カムヲ、屢モ、見()かム山ヲ、心無ク雲ノ、(カクサ)フベシヤ」(古義「見放カム山ナルモノノ意ナリ」行カムト、見放カム、ト相對ス)
放・離
動詞活用表
未然形 さか ず、ゆ、る、む、じ、す、しむ、まほし
連用形 さき たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 さく べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 さく も、かも、こと、とき
已然形 さけ ども
命令形 さけ
動詞活用表
未然形 さけ ず、らゆ、らる、む、じ、さす、しむ、まほし
連用形 さけ たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 さく べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 さくる も、かも、こと、とき
已然形 さくれ ども
命令形 さけよ

又、「さく(放・離ロ)」も参照。

検索用附箋:他動詞四段
検索用附箋:他動詞下二段

附箋:下二段 他動詞 四段

最終更新:2024年08月24日 21:01