さく(放・離ロ)

広辞苑
辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 他動詞
下二段
① 間を離す。ひきはなす 日本書紀(720)允恭八年二月・歌謡「細絞形(ささらがた) 錦の紐を 解き舎気(サケ)て 数(あまた)は寝ずに ただ一夜のみ」 離・放
② 二人の仲を隔てる。ひきさく 万葉集(8C後)一四・三四二〇「上毛野佐野の舟橋取り放し親は佐久礼(サクレ)ど吾は離るがへ」
③ ( 他の動詞の連用形に付いて、その動作をすることによって ) 思いをはらす。気を紛らす。 続日本紀‐宝亀二年(771)二月二二日・宣命「誰にかも我が語らひ佐気(サケ)む、孰にかも我が問ひ佐気(サケ)むと」
④ 遠方に目を放つ。遠くを見やる。 万葉集(8C後)一・一七「しばしばも 見放(さけ)む山を 情(こころ)なく 雲の 隠さふべしや」
他動詞
四段
[ 一 ]に同じ。 万葉集(8C後)三・四五〇「行くさには二人わが見しこの崎を独り過ぐれば情(こころ)悲しも 一云見も左可(サカ)ず来ぬ」
大言海 他動詞
下二段
〔前條ノ語ノ活用ノ一轉((カヅ)く、かづくる)〕
(一) (ハナ)
萬葉集、五 三十二 「難破津ニ、御船()テムト、()バ、紐解キ 佐氣 (サケ)テ、立走リセム」(紐ヲ結ブマデモナク、ノ意ト云フ、遣唐使ノ歸朝ニ就キテノ詠ナリ)
同、十九 四十三 「紐 解放 (トキサケ)テ、千年()ギ」(宴會ニ、打解ケタル狀ニ云フ)
()さくる」
放・離
(二)隔ツル。 萬葉集、四 四十一 ()ヲト()ヲ、人ゾ()くナル、イデ 吾君 (ワギミ)、人ノ中言、 聞越 (キキコ)スナユメ」
同、十四 十四 上毛野 (カミツケヌ)、佐野ノ船橋、取放シ(序)、親ハ左久禮ド、()(サカ)ルガヘ」
動詞活用表
未然形 さか ず、ゆ、る、む、じ、す、しむ、まほし
連用形 さき たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 さく べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 さく も、かも、こと、とき
已然形 さけ ども
命令形 さけ
動詞活用表
未然形 さけ ず、らゆ、らる、む、じ、さす、しむ、まほし
連用形 さけ たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 さく べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 さくる も、かも、こと、とき
已然形 さくれ ども
命令形 さけよ

又、「さく(放・離イ)」も参照。

検索用附箋:他動詞四段
検索用附箋:他動詞下二段

附箋:下二段 他動詞 四段

最終更新:2024年08月24日 21:07