ち(乳イ)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 哺乳動物が子を産んだ後に、その乳房から分泌する、産んだ子を養うための乳白色の液体。ちち乳汁(ちしる)。ちちのしる。 ※万葉(8C後)一八・四一二二「緑児(みどりこ)の 知(チ)乞ふが如く 天つ水 仰ぎてそ待つ」
※名語記(1275)三「牛のちをにうとて仏に供する」
② 乳房。また、乳房の先端の乳首(ちくび)。 ※源氏(1001‐14頃)薄雲「ふところに入れて、うつくしげなる御ちをくくめ給ひつつ」
※滑稽本・浮世床(1813‐23)二「乳下(チのした)より両足まで全身泥にまみれて」
③ 乳を飲んでいる頃の幼児。乳飲み子。 ※曾我物語(南北朝頃)三「なんぢ、いかなるむくいにて、ちのうちにして、父におくれ」
④ (形が乳首に似ているところから) 竿(さお)・綱・紐(ひも)などを通すために、旗・幟(のぼり)・幕・蚊帳・羽織・草鞋(わらじ)などのふちにつけた小さな輪。みみ。 〔十巻本和名抄(934頃)〕
※浮世草子・西鶴織留(1694)一「此(この)蚊帳を見れば、〈略〉乳(チ)毎に五色の房を付」
⑤ 釣鐘の表面に多数並んでいる疣(いぼ)状の突起。音響効果を大きくするために付ける。にゅう。また、それに形の似た突起。 〔名語記(1275)〕
⑥ =ちかなもの(乳金物) ※良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉前「乳打ったる厳めしき表門に」
広辞苑 名詞 ①(人の)乳汁。ちち 万葉集18「みどりこの―乞ふが如く」
ちぶさちくび 源氏物語薄雲「うつくしげなる御―をくくめ給ひつつ」
③(形が乳首に似ているところから)旗・(のぼり)・幕・ 蚊帳 (かや)または羽織・ 草鞋 (わらじ)などの縁に、竿・綱または紐などを通すために付けた小さな輪。ちくびみみ
④釣鐘の表面に数多く並んでいる(いぼ)状の突起。
大言海 名詞 〔血、化シテ成ルト云フ〕
(一)女人、兒ヲ生メル後、其乳房ヨリ出ヅル白ク濁レル汁。生兒コレヲ吸ヒテ育ツ。獸類モ亦皆然リ。乳汁 (チシル)チチ
倭名抄、三身體類「乳、知、母所以飮子之汁也」
萬葉集、十二「綠兒ノ、スモリ 乳母 (メノト)ハ、求ムテフ、乳飮メヤ君ガ、(オモ)モトムラム」
後拾遺集、廿、雜、六「女ノ乳ノホソク侍リケレバ」
同、同、誹諧「ハカナクモ、思ヒケルカナ、ちモナクテ、博士ノ家ノ、 乳母 (メノト)セムトハ」
(二)乳房 (チブサ) 狹衣、二、上 廿九 「單ヘノ御()ノ、胸少シ明キタルヨリ、御乳ノ、例ナラズ黑ウ見ユルニ」

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最終更新:2023年10月25日 19:09