さね(実(名詞))

広辞苑
辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ( 「真(さ)根(ね)」の意 )
① 物事の中心、本質となるもの。根本。かく。真実。
日本書紀(720)仁賢元年一月(寛文版訓)「是を山田大娘皇女と為。更の名は、赤見の皇女といふ。文稍に異(け)なりといへども、其の実(サネ)一なり」 実・核
② 物をつくりあげる材料、もととなるもの。ものざね 神皇正統記(1339‐43)上「其後猶四はしらの男神生れ給ふ。物のさねわが物なれば我子なりとて」
③ 果実の中心部にある殻にはいったもの。種子。 〔十巻本和名抄(934頃)〕
虎明本狂言・柿山伏(室町末‐近世初)「うへからかきのさねおとす『やらきどくや、かきのさねがおつる』」
④ 人や動物の骨組。また、土壁や障子などの芯(しん)にする骨組。骨。 続詞花和歌集(1165頃)物名「大垣はさねばかりこそ残りけれ方なしとてもいへはあらじな〈心也〉」
⑤ 女性の外陰部の小突起。陰核。ひなさき。さねがしら。 咄本・八行整版本昨日は今日の物語(1624‐34頃)「何としてか、女のさねを、大きなる蟹がはさみて」
⑥ 板をつなぎ合わせるために板の側面に沿って作った細長い突起。他方の板の細長い溝にはめ込んでつなぎ合わせる。 〔日本建築辞彙(1906)〕
大言海 名詞 前條ノ語原ヲ見ヨ〕
(一)熟語トシテ用ヰラルル語。マコトノモノ。根本ノモノ。 原物 (ゲンブツ)
古事記、上 廿一 素戔嗚尊、天照大御神ノ珠ヲ乞ヒテ、嚙ミテ吹キテ、五男神、()ル「天照大御神吿 速須佐之男 (ハヤスサノヲノ)、是後所生五柱男子者、 物實 (モノザネ)、因我物成、故(オノヅカラ)吾子也」
神代紀、上 廿三 同ジ事ヲ記シテ「天照大神勅曰、(タヅヌレバ) 物根 (モノザネ)、(私記、毛乃左禰)云云、是吾物也、故、彼五男神、悉是吾兒」
(二)(マサ)シキ、其身。 正身 (サウジミ) 景行紀、四十年十月「近江膽吹山、有 荒神 (アラブルカミ)、云云、山神化大蛇道、爰、日本武尊、不 主神 (カムザネ) 一レ 蛇之、謂是大蛇(ハ ズ)荒神之使也」( 神實 (カンザネ)ナリ、主ノ字ハ、便ニ對シテ記セルナリ)
古事記、中(景行) 五十三 註ニ、同ジ事ヲ記シテ「其神之正身」トアリ。
(三)同衆ノ中ノ、(ムネ)トアル人。 伊勢物語、六十九段「男、伊勢國ニ、 狩使 (カリノツカヒ)ニ行キケルニ、云云、 使實 (ツカヒザネ)トアル人ナレバ、遠クモ宿サズ」(正使)
同、百一段「左中辨藤原良近ト云フヲナム、まらうどざねニテ、其日ノ 饗應 (アルジマウケ)シタリケル」(客實、上客)
大和物語、中「本院(時平)ノ 北方 (キタノカタ)、マダ、帥ノ大納言(國經)ノ()ニテイマスカリケル(ヲリ)ニ、平仲ガ()ミテ聞エケル「春ノ野ニ、(ミドリ)()ヘル、さね(カヅラ)、(さねノ序)吾ガ(キミ)ざねト、賴ムイカニゾ」(正妻)

又、「さね(核・実)」も参照。

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最終更新:2024年11月17日 22:00