さふ(障・塞(他動詞))

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 他動詞 ( 室町時代ごろからヤ行にも活用した。→さゆ(障))
さまたげる。邪魔する。ふせぐ
万葉集(8C後)四・六一九「ちはやぶる 神かさけけむ うつせみの 人か禁(さふ)らむ 通はしし 君も来まさず」
徒然草(1331頃)一一二「一生は雑事の小節にさへられて、空しく暮れなん」
障・支・扱
さわる。触れる。
(イ) 物に、身体またはその一部を触れる。
虎明本狂言・首引(室町末‐近世初)「ひめがかたへ手をさへるを、扇でたたく」
(ロ) ( 「気にさえる」などの形で ) 感情を害する。気にさわる。 浄瑠璃・右大将鎌倉実記(1724)三「忠信殿気に障(サ)へて下さんすな」
③ ( 支・扱 ) 争いをやめさせる。仲裁する。→さゆ(障) 雑俳・篗纑輪(1707)「いさかひ扱し棒の相伴」
広辞苑 他動詞 ()き止める。さえぎる 万葉集11「はしきやし誰が―・ふれかもたまほこの道見忘れて君が来まさぬ」 障ふ・支ふ
②(多く「気に―・える」の形で)気にさわる。感情を害する。
大言海 他動詞 〔發語ヲ冠シテ、ささふトモ云フ、(サヘギ)るモ、()()るナリ、自動ニ、さはる(障)ト云フ〕
()キ止ム。ササフ。サヘギル。隔テ、フサグ。
天治字鏡、十二 廿五 「遮闌、佐不」
名義抄「障、サフ、サヘ」隔、サフ、フサグ」
萬葉集、四 三十四 長歌「空蟬ノ(枕)、人カ()ふラム、通ハシシ、君モ 來座 (キマ)サズ」
同、十一「ハシキヤシ、誰ガ()ふれカモ、タマボコノ、(枕)道見忘レテ、君ガ()マサヌ」
同、十三 三十二 「アシビキノ、山路ハ行カム、風吹ケバ、浪ノ()へヌル、海路ハ行カジ」
伊勢物語(古本)四十段「親、此女ヲ、遂ニ逐ヒヤル、男、血ノ淚ヲ流セド、さふる由モナシ」
六帖、四「手ヲさへテ、吉野ノ瀧ハ、()キツトモ、人ノ心ヲ、イカガ賴マム」
夫木抄、九、納涼「日ヲさふる、夕山松ノ、木ノ下ニ、淸水流レテ、夏ゾスクナキ」
障・塞
動詞活用表
未然形 さへ ず、らゆ、らる、む、じ、さす、しむ、まほし
連用形 さへ たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 さふ べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 さふる も、かも、こと、とき
已然形 さふれ ども
命令形 さへよ

検索用附箋:他動詞下二段

附箋:下二段 他動詞

最終更新:2024年09月15日 20:56