して(仕手)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① ある特定の動作・作業をする人。また、特務を帯びてこれを執行する人をもいう。 清原国賢書写本荘子抄(1530)八「天地の間に万物の生滅はしてなし」
滑稽本・浮世床(1813‐23)初「頼みもせぬ使に往たり外に仕人(シテ)のあるをも、事を好でわざわざ己が仕たり」
仕手・為手
② 特定の分野の技術・芸能などの専門家。あるいはそれに優れた人。 九州問答(1376)「今の様にては連歌の士手出来する事難有や侍らん」
③ ( ふつう、片仮名で「シテ」と書く ) 能楽、狂言などの主人公の役。また、その演者。中入りのあるものは前ジテと後ジテがある。また、のちには浄瑠璃、歌舞伎などでも、能楽に準じて用いた。 風姿花伝(1400‐02頃)一「いまだまことの花をきはめぬしてと知るべし」
浄瑠璃・源平布引滝(1749)三「 シテ それも理り今日有て明日なき命もろこ川」
④ 芝居、踊りなどの演者。 役者論語(1776)耳塵集「仕手(シテ)の心作者の心格別なれば」
⑤ 鹿子結(かのこゆい)を作る女工。仕手殿。 歌謡・松の葉(1703)一・京鹿子「是は京鹿子色もよや、〈略〉都のしてたち恋しやのう」
⑥ 市場で、定期売買をする人。一般には、大口の売り手、買い手をいう。また、相場師をさすこともある。 〔取引所用語字彙(1917)〕
広辞苑 名詞 ①行う人。(巧みに)する人。やりて。 狂言、八句連歌「お相手になりまするやうな―ではござりませねども」 仕手・為手
②(普通シテと書く)能または狂言の主役。 中入 (なかいり)をする時は、前場の方のを前ジテ、後場の方のを(のち)ジテという。→わきつれあど
③(取引用語)投機の目的で比較的多量の売買をする人。→仕手株 (してかぶ)・仕手戦
大言海 名詞 爲手 (シテ)ノ義〕
(一)爲ル人。行フ人。
仕手
(二)能、狂言、ナドニ、舞曲ノ中ノ主トナル技ヲ行フ役。コレニ伴フモノヲ、(ツレ)ト云ヒ、其相手トナルモノヲ、(ワキ)ト云フ。 謠物 (ウタヒモノ) 語物 (カタリモノ)、ニモ、ソレト同ジ所ヲ述ブル役ノ稱トス。 太閤記、十五、大阪西丸御能事「吳服、仕手、金春太夫、脇、春藤六右衞門」

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最終更新:2024年10月12日 23:00