しの(篠)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 稈(かん)が細く、群がって生える竹類。篠の小笹。篠竹。しぬ。しのべ。 日本書紀(720)神代上「篠は、小竹なり。此をば斯奴(シノ)と云ふ」
② 「しのまき(篠巻)」の略。 〔物類称呼(1775)〕
③ 「しのかなもの(篠金物)」の略。
④ 「しのぶえ(篠笛)」の略。 人情本・恩愛二葉草(1834)三「合物(あはせもの)と言はんすは、篠笛(シノ)で御座んすか。尺八かえ」
[補注]①と笹との相違は明確ではない。「小竹」の訓に関しても挙例の「書紀‐神代上」や、「小竹を訓みて佐々(ササ)と云ふ」〔古事記‐上〕とあるように、両方の訓みが可能なようである。「万葉集」の人麻呂詠歌や「人麻呂歌集」においては、篠を「細竹」、笹を「小竹」と書き分けているとする説もあるが、「小竹」の訓を「ささ」とする積極的根拠にはなり得ていない。
広辞苑 名詞 ①細くて群がり生える小さい竹。ヤダケ・メダケの類。篠の小笹。篠の葉草。 万葉集7「近江のや矢ばせの―を矢矧がずて」
②綿糸紡績・毛糸紡績・絹糸紡績などの中間製品の一つ。不純物を除き十分に開かれた繊維を、糸にするためにほとんど()りの加わらない太い紐状にしたもの。
③甲冑に付属する 籠手 (こて) 脛当 (すねあて)などの材料。縦長の鉄板。
④篠笛の略。
大言海 名詞 前條ノ語ノ、一物ノ名トナレルナリ〕
(一){竹ノ、小サク、細ソク叢生スルモノノ總稱。しぬ。ササ
倭名抄、廿 廿五 竹類「篠、之乃、俗用小竹二字、謂之佐佐
字鏡 六十二 「篥、細竹也、篠也、志乃、又、保曾太介」
(二)又、一種、小サキ竹ノ、節、高カラズ、皮、白クシテ、脫セザルモノ、めだけ、やだけナド、種類、多シ。シノダケ
(三)しのぶえノ略。 「しの入ノ囃子」

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附箋:名詞 植物

最終更新:2024年10月13日 22:30