辞書 | 品詞 | 解説 | 例文 | 漢字 |
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日本国語大辞典 | 他動詞 | ① 標(しめ)を張って自分の占有であることを示し、他人の立入りをとめる。自分の領有とする。所有物にする。 | 日本書紀(720)雄略九年五月(前田本訓)「妾、葬む所を知らず。願はくは良き地(ところ)を占(シメ)たまへ」 | 占 |
② 居所として定める。自分の敷地とする。その土地に住む。 | 源氏物語(1001‐14頃)絵合「山里ののどかなるをしめて、御堂をつくらせ給ひ」 | |||
③ 身にそなえる。ある地位や物事を自分のものとする。 | 源氏物語(1001‐14頃)浮舟「いみじく、言ふにはまさりて、いと、あはれと、人の思ひぬべき様を、しめ給へる、人さまなり」 | |||
④ ある物を一杯にする。満たす。 | アリア人の孤独(1926)〈松永延造〉二「その後成る可くあの異人から遠ざかってゐるやうにとの遠慮が私の心を占めるのは」 | |||
⑤ 全体の中で、ある位置、比率、価値などを有する。 | 月暈(1953)〈島尾敏雄〉「Sの眼には、青空がまばゆいばかりに広がり、位置を占めている」 | |||
⑥ ⇒しめる(締)⑥ | ||||
広辞苑 | 他動詞 |
地位・ものなどを独占し、他のものの立ち入るすきを与えない意。 ① |
万葉集19「青丹よし奈良人見むと我がせこが―・めけむもみち土に落ちめやも」。 新古今和歌集雑「山がつの片岡かけて―・むる野のさかひにたてる玉の小柳」。 日葡辞書「ノヲシムル」 |
占む |
②自分の居所とする。 |
源氏物語絵合「山里ののどかなるを―・めて御堂造らせ給ひ」。 方丈記「いづれの所を―・めて、いかなるわざをしてか、しばしもこの身を宿し、たまゆらも心を休むべき」。 「正面に座を―・める」「町の一等地を―・める」 |
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③ある地位を自分のものとする。 | 「第一位を―・める」 | |||
④自分一人のものとする。専有する。 | 「巨利を―・める」「絶対多数を―・める」「味を―・める」「こうなれば―・めたもの」 | |||
⑤食べる。 | 浮世風呂3「もう御昼を―・めたか」 | |||
大言海 | 他動詞 |
〔 我ガ |
新古今集、十七、雜、中「山ガツノ、片岡カケテ、しむる野ノ、堺ニ立テル、玉ノ小柳」 萬葉集、十九 三 「靑丹ヨシ、奈良人見ムト、我ガ 同 廿三 「妹ニ似ル、草ト見シヨリ、吾ガ 人丸集、二「三島江ノ、玉江ノ 源、三十四、上、若菜、上 七十八 「此ノ國ノ奧ノ郡ニ、人モ通ヒ難ク、深キ山アルヲ、年頃モ、しめ置キナガラ」 拾遺集、十六、雜春「占めテコソ、千年ノ春ハ、來ツツ見メ、松ヲ手ダユク、何カ引クベキ」 拾玉集(慈鎭)二「山陰ノ、岩井ノ水ニ、宿しめテ、夏ヲヨソニモ、 靈異記、下、廿二緣「點 レ 地作 レ ⿱冢土、殯以置 レ 之」訓釋「點、シ女天」 「座ヲしむ」 |
占 |
動詞活用表 | ||
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未然形 | しめ | ず、らゆ、らる、む、じ、さす、しむ、まほし |
連用形 | しめ | たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても |
終止形 | しむ | べし、らし、らむ、ましじ、まじ |
連体形 | しむる | も、かも、こと、とき |
已然形 | しむれ | ども |
命令形 | しめよ |
検索用附箋:他動詞下二段