しる(痴)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 自動詞 ① 判断・識別の能力が働かなくなる。ぼける。ばかになる。 竹取物語(9C末‐10C初)「中に心さかしき者、念じて射んとすれども、ほかざまへ行きければ、あれも戦はで、心地ただしれにしれて、守り合へり」
② ( 「たり」を伴って ) いたずら好きである。ふざける 徒然草(1331頃)一〇七「しれたる女房ども、若き男達の参らるる毎に、『郭公や聞き給へる』と問ひて心みられけるに」
広辞苑 自動詞 (一説、「しれ」は「()る」の受身形で、「支配される」が原義)
①判断・識別の能力がはたらかなくなる。おろかになる。ぼける
竹取物語「心地ただ―・れに―・れてまもり合へり」。
「酔い―・れる」
痴る
②(「たり」を伴って)ふざける。いたずらを好む。 徒然草「―・れたる女房ども、若き男達の参らるる毎に、 郭公 (ほととぎす)や聞き給へると問ひてこことみられけるに」
大言海 自動詞 〔器量ノ奧ノ知るる義カ〕
心、愚カニナル。()クル。無知ナリ。 ()
萬葉集、九 十八 長歌「 世閒 (ヨノナカ)ハ、 愚人 (シレタルヒト)ノ、 吾妹兒 (ワギモコ)ニ、吿ゲテ語ラク」
竹取物語「心地、タダしれニしれテ」
源、廿一、少女 十二 「子ノ、 大人 (オトナ)ブルニ、親ノ、立チカハリ、しれ行クコトハ、 幾何 (イクバク)ナラヌ(ヨハヒ)ナガラ」
榮花物語、八、初花「此ノ宮達、五六人オハスルニ、スベテ、しれ、(カタクナ)シキガ無キナリ」
動詞活用表
未然形 しれ ず、らゆ、らる、む、じ、さす、しむ、まほし
連用形 しれ たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 しる べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 しるる も、かも、こと、とき
已然形 しるれ ども
命令形 しれよ

検索用附箋:自動詞下二段

附箋:下二段 自動詞

最終更新:2024年10月27日 16:08