しろ(白)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 色の名。雪、塩などの色。あらゆる波長にわたる可視光線を一様に反射する物体を見て感じられる色。明るくて特別の色がないと感じられる状態。黒に対する。「白酒」「白星」「白靴」などと熟しても用いられる。→白い。 古事記(712)下・歌謡「つぎねふ 山城女の 木鍬持ち 打ちし大根 根白の 斯漏(シロ)ただむき 枕かずけばこそ 知らずとも言はめ」
② 白い碁石。白石。また、その石を持つ対局者。 今昔物語集(1120頃か)四「我等、年来、碁を打より外の他の事无し。但し、黒勝つ時には我が身の煩悩増り、白勝つ時には我が心の菩提増り」
③ 何も書き入れてないこと。 歌舞伎・小袖曾我薊色縫(十六夜清心)(1859)二幕「白の卒都婆(そとば)と硯箱と持て来て」
④ 「しろがね(銀)」の略。 洒落本・廓宇久為寿(1818)後「銀(シロ)の煙管を、ヤニサにかまへて」
⑤ 私娼をいう。はくじん。
⑥ うなぎの一種。背色の少し白っぽいものをいう。うなぎ食いの通(つう)のことば。 洒落本・通言総籬(1787)一「『青か白か』『やっぱりすぢを、長がやぎの事さ』〈あを、白、すじ、みなうなぎの名なり〈略〉〉」
⑦ 赤組に対する白組の称。
⑧ 犯罪容疑がないこと。また、晴れること。無罪。潔白。⇔ 未完の告白(1948)〈川本不二雄〉九十六枚目の名刺「もし万一平沢が〝白〟であるならば」
⑨ 塩の異称。 雑俳・狂句合‐弘化二(1845)佃「塩釜の白を碁盤の地へ移し」
⑩ 「しろしょいん(白書院)」の略。 雑俳・柳多留‐一〇二(1828)「碁盤からまろふ人御間も白と黒」
⑪ 南鐐(なんりょう)の銀貨のこと。 〔滑稽本・小野⿱𥫗愚譃字尽(1806)〕
⑫ もつ焼きの一種。豚の腸を串刺しにして焼いたもの。
[語誌]上代から、そのまま形容詞として用いられるほか、複合語を作るときはシラタマ(白玉)、シラナミ(白波)、シラユキ(白雪)のように、母音交替したシラの形をも取る。
広辞苑 名詞 ①太陽の光線をあらゆる波長にわたって一様に反射することによって見える色。雪のような色。
②何も書いたり加工したりしてないこと。 「―紙子」
③囲碁で、白石の略。また、白石を持つ方。 後手 (ごて)。↔
④「しろがね(銀)」の略。 梅暦「―の喜世留の重たきやつを」
⑤犯罪容疑が晴れること。また、その人。無罪。潔白。↔ 「判決は―と出た」
大言海 名詞 (シル)キ色ノ義カ〕
色ノ名、雪ノ如キ色。サレド、物理學ニテハ、色トセズ、七色ノ、一ツニ混合シタルモノトス。
萬葉集、十六 廿一 「駒ツクル、土師ノ志婢麻呂、白ニアレバ、サモ欲シカラム、其ノ黑色ヲ」
山家集、下「烏崎ノ、濱ノ小石ト、思フカナ、しろモ雜ラヌ、菅島ノ黑」

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附箋:名詞 色名

最終更新:2024年10月27日 18:37