そる(逸ロ)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 自動詞 ① 思いがけない方向へ飛んでいく。目的にはずれて外へ飛んでいく。 〔名語記(1275)〕
虞美人草(1907)〈夏目漱石〉二「二の矢の中(あた)った所は判然せぬ。是が外(ソ)れれば、又継がねばならぬ」
② 予想されていた進路とは別の方向へ進む。 多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前「殆ど柳之助と擦違(すれちがひ)に、すうと翥(ソ)れて小座敷へ入って了ったが」
③ 物事が予想外の方向へ進展する。また、気持が他の方へ移る。 栄花物語(1028‐92頃)初花「左よろづにおぼしむつかりて、殊なる物の栄(はえ)なくてそれにけり」
④ 主要な道筋からはずれる。 湯葉(1960)〈芝木好子〉「美濃屋は須田町の表通りを一つそれた横通りの角にあった」
⑤ 音楽で、音の調子がはずれる。音程が狂う。 〔名語記(1275)〕
義経記(室町中か)七「管絃の調子もそれにけり」
広辞苑 自動詞 (弓なりに曲がる意から)
①思いがけない方向へ向かって行く。離れて行く。
(たま)が的を―・れる」 逸る
②物事が正常の状態や本来の目的からずれて離れる。 義経記7「管弦の調子も―・れにけり」。
「話がわき道へ―・れる」
大言海 自動詞 (一)前條ノ語ニ同ジ。 夫木抄、十四「手ニ据ヱテ、出デシ(サシバ)モ、()れヌレバ、野邊ノ花ニヤ、亂レアヒナム」
(二)(ネラヒ)(ハヅ)レテ、飛ビ行ク。(矢ニ、 銃丸 (タマ)ニ)
(三) 程度 (ホド)ヲ外レテ、進ム。 運步色葉集「俏、ソルル」注「俏調子
「心そるる」氣そるる」
動詞活用表
未然形 それ ず、らゆ、らる、む、じ、さす、しむ、まほし
連用形 それ たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 そる べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 そるる も、かも、こと、とき
已然形 そるれ ども
命令形 それよ

検索用附箋:自動詞下二段

附箋:下二段 自動詞

最終更新:2025年01月05日 14:58