辞書 | 品詞 | 解説 | 例文 | 漢字 |
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日本国語大辞典 | 名詞 | 植物「かじのき(梶木)」、または「こうぞ(楮)」の古名。 | 豊後風土記(732‐739頃)速見「柚富の郷〈略〉此の郷の中に栲の樹多(さは)に生ひたり。常に栲の皮を取りて、木綿を造る。因りて柚富の郷といふ」 | 栲 |
[語誌]( 1 )カジノキとコウゾは古くはほとんど区別されていなかったようである。中国では「栲」の字はヌルデを意味する。「栲(たく)」は樹皮を用いて作った布で、「タパ」と呼ばれるカジノキなどの樹皮を打ち伸ばして作った布と同様のものとされる。 ( 2 )「古事記伝‐一四」では、「栲(たく)」は樹皮を織布として用いるシナノキであるとする。 ( 3 )文学作品には「栲縄(たくなわ)」「栲領巾(たくひれ)」などの形であらわれ、「万葉集」では、「長き」「千尋」にかかる「栲縄の」、「白」「かけ」にかかる「栲領巾の」など、すべてが枕詞として用いられている。中古以降は海辺の素材として「海女」などと取り合わせた歌が多いが、これは海女の命綱に栲縄を用いたからだという。 ( 4 )のち「栲縄」以外ほとんど詠まれなくなり、「古今集」以降の八代集中には用例を見出せない。 |
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広辞苑 | 名詞 | コウゾの古名。→たえ |
豊後風土記「―の皮を取りて |
𣑥・栲 |
大言海 | 名詞 |
〔字ハ |
萬葉集、五
三十八
「 古事記、上 五十七 「地下者、於 二 底津石根 一 燒凝而、𣑥繩之千尋繩打延」 萬葉集、十五 五 「多久夫須麻、新羅ヘイマス、君ガメヲ、今日カ明日カト、イハヒテ待タム」 仲哀紀、八年九月「 古事記、上 四十二 「多久豆怒(綱)ノ、白キ 萬葉集、三 五十四 長歌「 同、十三 八 長歌「 同、三 五十九 長歌「 同、六 十七 長歌「 |
𣑥 |
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