たて(立(名詞ロ))

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ( 動詞「たてる(立)」の連用形の名詞化 )
① 酒宴。遊興。
浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)長町「ムムそれに又其風呂敷は何じゃぞい。是か。こりゃ立に行く大尽衣装じゃ」
② ( 転じて遊楽費の意から ) 他人におごってやること。おごり。 歌舞伎・韓人漢文手管始(唐人殺し)(1789)三「其替りにはわたしが立(タテ)でござります。此煑売屋で一つ上(あが)って下さりませ」
③ 筋。筋道。おもむき。また、特色。呼びもの。 滑稽本・浮世床(1813‐23)初上「ナアニそりゃア軍書の講釈だ。あっちのは立(タテ)が違はア」
④ 建前。掟(おきて)。規則。表向きのきまり。 洒落本・婦美車紫(1774)高輪茶屋の段「せんかうがたち切るとずいとかへるが深川のたて」
⑤ 唄・三味線・囃子(はやし)の首位にいる者。「立者」「立唄」「立三味線」「立鼓」などの略称として用いられる。 洒落本・公大無多言(1781)「河東がくわゐにおれにきてくれろ、おめへがきてくれねヱけりゃアたてがねヱよふだといってよこした」
⑥ 「たてきょうげん(立狂言)」の略。 洒落本・風俗問答(1776)「春狂言の新しきも曾我をたてにし」
⑦ ⇒たて(殺陣)
接頭辞 ① 人、役目などを表わす名詞の上について、その仲間での席次が第一位であることを表わす。「立女形(おやま)」「立行司」「立三味線」など。
② 浄瑠璃で、全部を通して上演する意を表わす。 「立狂言」
③ 動詞の上に付いてその意味を強める。「たてくだす」「たてつづく」など。
接尾辞 ① 勝負事などの回数を数えるのに用いる。 太平記(14C後)三三「又博奕(ばくえき)をして遊びけるに、一立(ひとタ)てに五貫十貫立てければ」
② 歌舞伎で幕数を数えるのに用いる。
③ 立て続けの負けを数えるのに用いる。連敗。 話の味覚(1962)〈一龍斎貞鳳〉いかでその敵を討たんでは「1‐0、3‐2と巨人は、二タテを食ったものの」
④ 動詞の連用形に付いて、その動作が終わって間もないことを表わす。 玉塵抄(1563)六「きぬわをりたては白ぞ」
広辞苑 名詞 ①法則。おきて 仮名文章娘節用「この郭の―だといつても」 立て
②酒宴。遊興。 浄瑠璃、新版歌祭文「是か。こりや―に行く大尽衣装ぢや」
③他人におごってやること。おごり。 歌舞伎、韓人漢文手管始「わたしが―でござります。此煮売屋で一つ上つて下さりませ」
④筋。おもむき。 浮世床初「あつちのは―が違はア」
接頭辞 名詞に冠して、その主席・筆頭・第一の意を表す。 「―役者」「―三味線」「―行司」
接尾辞 ①動詞の連用形に添えて、その動作が終わって間のないさまを表す。 「でき―」「ペンキ塗り―」
②数詞に付いて、つづけざまの負け。連敗。→だて 「三―をくう」
大言海 名詞 旨ト押立ツル趣意。 「ソレヲ立ニ取ッテ云ヒ張ル」

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最終更新:2025年02月01日 17:47