辞書 | 品詞 | 解説 | 例文 | 漢字 |
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日本国語大辞典 | 名詞 |
① 物を載せるために、板などを水平にわたし、取り付けたもの。 (イ) 祭壇の前に設け、祭器や食器などを置く台。また、屋内に取り付けた、神をまつるつり棚。 |
小川本願経四分律平安初期点(810頃)「水の屋の中に別に架(タナ)を作りて」 | 棚 |
(ロ) 物を載せるため、植物のつるを這わせるため、または装飾として、板、竹などを渡したもの。壁面に作り付けの化粧棚などの類と、移動できる家具としての棚厨子(ずし)などの類がある。また、前面に戸をはめた類は戸棚という。 |
〔十巻本和名抄(934頃)〕 枕草子(10C終)九三「『宜陽殿(ぎやうでん)の一のたなに』という言ぐさは」 |
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② ( 「枻」とも ) 和船の船側板の総称。近世の大型船では、船底より根棚、中棚、上棚の三階造りを通例とし、小船では根棚(この場合特に「かじき」という)と上棚の二階造りとする。上棚・中棚とも幅広く長い材のため数枚の板をはぎ合わせ一枚の板に造る。ふなだな。棚板。 | 栄花物語(1028‐92頃)殿上の花見「船にことごとなるたなといふ物をかしく造りて」 | |||
③ 和風建築の部材名。棟木(むなぎ)と平行して、垂木(たるき)を受けるためにかけ渡す長い角材。また、軒の柱の頂上に渡し小屋梁(こやばり)・垂木を受ける木材をいう。桁(けた)。 | 〔新撰字鏡(898‐901頃)〕 | |||
④ 「たなしり(棚尻)」の略。 | 雑俳・柳多留拾遺(1801)巻八下「提帯はふうのうまみを棚へ上げ」 | |||
⑤ 長さ三尺(約九〇センチメートル)の木炭・薪を六尺の高さと幅に積みあげたもの。また、その量の単位。 | ||||
⑥ 水中において魚が餌(えさ)をとらえる層のこと。 | 「たなをさぐる」 | |||
⑦ 山の岩場で、棚状になっている部分。 | ||||
⑧ 全体の地形が階段状をなす中で、ゆるい傾斜の部分。流水があると瀑となる谷筋や山の斜面。 | ||||
⑨ 陸棚(りくだな)、または大陸棚(たいりくだな)のこと。 | ||||
⑩ 刺網類で、浮子のついた網、または沈子のついた網をいう。 | ||||
広辞苑 | 名詞 | ①板を平らにかけ渡して物をのせる装置。戸棚・茶棚・書棚のように移動し得るものは置棚と称する。おきくら。 |
垂仁紀「板挙、此をば 「―を |
棚 |
② |
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③薪炭材・パルプ材などを積んだ体積の単位。長さ三尺(約九〇センチメートル)の木材を高さ・幅ともに六尺(約一八〇センチメートル)に積み重ねた材積を一棚という。また、一九一四年(大正三)以後は、長さ二尺・幅一〇尺・高さ五尺の一〇〇立方尺を一棚とする。 | ||||
④ |
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⑤和船の外板。船棚。 | ||||
⑥棚状の地形・地物。岩棚・棚場・陸棚など。 | ||||
⑦魚の泳層のこと。 | ||||
大言海 | 名詞 |
〔 (一)物ニ、板ヲ平ニ亙シカケテ、物ヲ載セ置ク用トスルモノ。特ニ床閒ト竝ベテ設ケタルニ云フ。多クハ床閒ト同ジク三方壁ニシテ中ニ棚ヲツリ、書物、卷物、筆、硯、香爐ナドヲ載セ、又ハ、廚子棚、書棚ナドヲ作リツケニシタルモノ。 |
倭名抄、十
十二
居宅類「棚閣、多奈」 字鏡 廿七 「棚、太奈」 |
棚 |
(二)船ノ名所。ふなだな(船棚)ノ略。其條ヲ見ヨ。枻 舷 | 榮花物語、三十一、殿上花見「舟ニコトゴトナルたなナド云フモノ、ヲカシク作リテ」 |
検索用附箋:名詞名称