つつ(十)

日本国語大辞典 名詞 ① 弓で、射た矢がすべて的(まと)にあたること。弓の技量を競うときに、一度に二本、五度の勝負で合計一〇本の矢を射るところからいう。 太平記(14C後)一二「矢色弦音弓倒し、五善何れも逞く勢有て、矢所一寸ものかす、五度の十(ツヅ)をし給ければ」
とお。じゅう。十。 〔日葡辞書(1603‐04)〕
③ ( 「つづ(や)はたち」という形で用いられたところから誤って ) 一九歳。→つづはたち 天理本狂言・枕物狂(室町末‐近世初)「こいのれんぼのと云事はつつや廿になる者の事でこそあれ」
浄瑠璃・摂州合邦辻(1773)下「十九(ツヅ)や二十(はたち)の年輩(としばい)で器量発明勝れた娘」
広辞苑 名詞 とお。一〇。誤って一九に用いる。 狂言、枕物狂「恋の思ひのといふことは―や 二十 (はたち)の者にこそあれ」 十・十九
数矢 (かずや)が皆当たること。 太平記12「 矢所 (やつぼ)一寸ものかず、五度の―をし給ひければ」
辞書 品詞 解説 例文 漢字
大言海 数詞 十箇 (トツ)ノ轉カト云フ〕
(一)トヲ(ジフ)
或ハ、十九ノ意トス、誤ナラム。
「つつヤ 二十歲 (ハタチ)
(二)官吏ノ制限ノ日數ヲ、皆勤シタルコト。
(三)(カズ)()ノ皆中シタルコト。(騎射ニ五度ノ(ツツ)ト云フハ、(モロ)()モテ五度馳セテ、皆中シタルコトナリ) 太平記、十二、北野物語事「矢處一寸モハヅサズ、五度ノつつヲ爲給ヒケレバ」
笠掛記(群書類從本)「公方樣、又ハ、主ナドト射ルニ、十度ニ(ツツ)ヲメサルレバ、一ツハヅシ、九ツ遊バサルレバ、八ツ、カヤウニ劣リ申スヤウニ射ル」

又、「つづ(十)」も参照。

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最終更新:2025年03月29日 15:35