つむ(摘)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 他動詞 ( 「つめ(爪)・つま(爪)」と関係ある語か )
[ 一 ] 対象物をはさみ切る。
① 指先または爪の先ではさみとる。つまみ切る。
古事記(712)下・歌謡「山県(やまがた)に 蒔ける菘菜(あをな)も 吉備人と 共にし都米(ツメ)ば 楽しくもあるか」 摘・採・抓
② はさみなどで先を切りとる。短くする。頭髪・植木などを刈り取る。 俳諧・陸奥鵆(1697)三「禿額は眉かけてつむ〈介我〉 誰れを誰が文珠普賢にうつしけん〈其角〉」
[ 二 ] 対象物をはさむ。
① 指先でつまむ。
万葉集(8C後)二〇・四四〇八「ははそばの 母の命(みこと)は 御裳(みも)の裾 都美(ツミ)挙(あ)げ掻き撫で」
② 指先でつよくはさむ。つねるつめる 万葉集(8C後)一七・三九四〇「万代に心はとけて我が背子が都美(ツミ)し手見つつ忍びかねつも」
蜻蛉日記(974頃)下「などか来ぬ、訪はぬ、にくし、あからしとて、打ちもつみもし給へかし」
③ 拾いあげる。選びとる。 俳諧・寛永十三年熱田万句(1636)一〇「寒ぞらにたちぬふ衣の数おほみ 雪程しろき綿ぞつみをく」
広辞苑 他動詞 ((つま)を活用させた語)
①指先または爪先で挟みとる。つまみ切る。
万葉集8「すみれ―・みにと」。
「わらびを―・む」「茶を―・む」
摘む・抓む
②転じて、はさみなどで切り取る。刈り取る。 「髪を―・む」
③爪先で強く挟む。つねるつめる 万葉集17「万代と心はとけて吾が背子が―・みし手見つつしのびかねつも」。
源氏物語東屋「げすげすしき女と覚して、手をいたく―・ませ給へるこそ」
④指先でつまむ。 万葉集20「ははそ葉の母の命は 御裳 (みも)の裾―・みあげ掻き撫で」
大言海 他動詞 前前條ノ語ノ轉〕
指ニテ取ル。(ツマ)ミ去ル。
萬葉集、廿 三十六 長歌「御裳ノ裾、都美アゲ搔キナデ」
古今集、二、春、下「君ガタメ、春ノ野ニ出デ、若菜つむ、我ガ衣手ニ、雪ハフリツツ」
「綿ヲ摘む」茶ヲ摘む」
動詞活用表
未然形 つま ず、ゆ、る、む、じ、す、しむ、まほし
連用形 つみ たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 つむ べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 つむ も、かも、こと、とき
已然形 つめ ども
命令形 つめ

検索用附箋:他動詞四段

附箋:他動詞 四段

最終更新:2025年04月13日 16:19