つれ(連)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ( 動詞「つれる(連)」の連用形の名詞化 )
① つれること。いっしょに伴い行くこと。また、伴う人。いっしょに行く仲間。道づれ。同伴者。
名語記(1275)四「道をゆくにともなふ人をつれとなづく、如何。答、つれは通礼也」
② 行動をともにする者。仲間。友。友人。また、伴侶。配偶者。 蠡測集(16C中頃)「何やらに菊を秋靖節としたぞ、海棠を春の貴妃のつれぞ」
③ 春宮坊(とうぐうぼう)の帯刀(たちはき)舎人の名称。令制の春宮護衛の武官の帯刀の先生(せんじょう)に率いられる部下たちのこと。 兵範記‐仁安三年(1168)三月九日「帯刀上曰〈略〉連五人」
④ 能で、仕手(して)または脇(わき)に伴って、その演技を助けるもの。普通「ツレ」と記し、シテ方に属する者をシテヅレ、略してツレ、ワキ方に属する者をワキヅレという。 申楽談儀(1430)能の色どり「脇の能、大臣には、先は、上下水干成べし。つれ大臣は大口也」
⑤ 多く、「その」「あの」「この」などの指示語の下に付いて、種類・程度、または、そのようなもの、などの意を表わす。 三体詩幻雲抄(1527)「亭子(し)は子はつけ字ぞ 枕子(す)扇子(す)のつれ也 さりながら亭子(し)とよむべしぞ」
甲陽軍鑑(17C初)品一三「すぐれたる程自慢するを、上と中の男が聞き、あのつれをこそ大きなる事と思ふらめと申て笑」
⑥ 「つれじゃみせん(連三味線)」の略。
⑦ 「つれぶし(連節)」の略。
広辞苑 名詞 ①道づれ。同伴者。 「―が待っている」 連れ
②なかま。伴侶。配偶者。
③(普通ツレと書く)能における助演的な役。シテやワキに伴う役と、独立の役とあるが、いずれもシテ方に属するものをシテヅレ(略してツレ)、ワキ方に属するものをワキヅレと称する。
春宮 (とうぐう)坊の 帯刀 (たちはき)。脇の次に位する。
⑤(多く「この」「その」などに付いて)種類。程度。また、そのようなもの。 狂言、佐渡狐「まだその―をおしやる」
⑥(接頭語的に)二人以上がいっしょに行動する意。 「―三味線」
大言海 名詞 (一)()ルルコト。(トモナ)ヒテ、行クコト。同伴。伴隨 隨伴 「道連」二人連」
(二) (トモ)ナカマ伴侶 侶伴 儔侶 凱陣八島(元祿、近松作)一「イカニオチブレタレバトテ、御身づれノ緣組ハ、チト推參ナラメト、赤面シテコソオハシケレ」
(三)能、狂言ニテ、 仕手 (シテ)ニ伴ヒテ、(ワザ)ヲ演ズル者ノ稱。(仕手 (シテ)ノ條ノ(二)ヲ見ヨ) 謠曲、鉢木「シテ詞、イカニ申シ候、オ宿ハ申シテ候ヘドモ、何ニテモ候ヘ、參ラセウズル物モナク候フハイカニ、ツレ詞、折節コレニ粟ノ飯ノ候フホドニ、苦シカラズハ、參ラセラレ候ヘ」

検索用附箋:名詞動作

附箋:動作 名詞

最終更新:2025年04月20日 16:10