とぐ(研)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 他動詞 ① みがいてつやを出す。すって光沢を出す。みがいてくもりをなくす。 〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
大鏡(12C前)一「翁が家の女どもの許なる櫛笥鏡の影見え難く、とぐわきも知らず、打ちはさめて置きたる習ひて」
研・磨
② 砥石(といし)でみがいて、鋭くする。刃物を砥石でこすって、よく切れるようにする。 万葉集(8C後)二〇・四四六七「つるぎ太刀いよよ刀具(トグ)べしいにしへゆさやけく負ひて来にしその名そ」
宇治拾遺物語(1221頃)一〇「さて明暮は、いらなき太刀をみがき、刀をとぎ」
③ 心をみがく。はげましつとめる。心を正しく清いものにするよう努める。 万葉集(8C後)四・六七三「まそ鏡磨師(とぎシ)心をゆるしてば後にいふともしるしあらめやも」
④ 米などの穀物を水中ですって、ぬかやよごれを落とす。 詩学大成抄(1558‐70頃)一「炊(すい)は米を水でといでたいて食になすぞ」
広辞苑 他動詞 ①玉・金属などをみがいて光沢を出す。 「鏡を―・ぐ」 研ぐ・磨ぐ
②刃物などを砥石ですって鋭くする。 万葉集20「剣大刀いよよ―・ぐべし」。
「包丁を―・ぐ」
③水中でこすって洗う。 「米を―・ぐ」
④心などを練磨して立派にする。 万葉集4「―・ぎし心を」
大言海 他動詞 ()ヲ活用ス〕
(一)()リテ光澤ヲ出ス。ミガク。
大鏡、上、後一條院「櫛笥ノ鏡、云云、とぐワザモ知ラズ、ウチハサメテオキタルニ」
(二){()ニ摩リテ、銳クス。 萬葉集、廿 五十一 「ツルギ太刀、イヨヨ 刀具 (トグ)ベシ、イニシヘユ、サヤケク負ヒテ、キニシ其ノ名ゾ」
宇治拾遺、十、第六條「イラナキ太刀ヲミガキ、刀ヲとぎ、劒ヲマウケツツ、云云、日ゴロとぎミガキツル太刀、刀、ミナトリ入レツ」
字鏡 三十六 「砥、止止久」
「刀ヲ硏ぐ」
(三)摩リテ、水ニテ洗フ。カスヨナグ 「米ヲとぐ」
(四){心ヲミガキ、明ラカニス。硏磨 萬葉集、四 四十三 「マソカガミ、磨ぎシ心ヲ、ユルシテバ、後ニ云フトモ、驗アラメヤモ」
動詞活用表
未然形 とが ず、ゆ、る、む、じ、す、しむ、まほし
連用形 とぎ たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 とぐ べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 とぐ も、かも、こと、とき
已然形 とげ ども
命令形 とげ

検索用附箋:他動詞四段

附箋:他動詞 四段

最終更新:2025年06月14日 16:18