とも(助詞)

広辞苑
大言海
辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 ( 格助詞「と」に係助詞「も」の付いたもの )
① 引用を表わす。
万葉集(8C後)一七・三九二四「山の峡そこ登母(トモ)見えず一昨日も昨日も今日も雪の降れれば」
高瀬舟(1916)〈森鴎外〉「常は幸とも不幸とも感ぜずに過してゐる」
② 同じ語を重ねて強調する場合、その間に入れる。 日本書紀(720)皇極三年七月・歌謡「うづまさは神騰母(トモ)神と聞えくる常世の神を打ち懲ますも」
堤中納言物語(11C中‐13C頃)虫めづる姫君「又蝶は捕ふればわらは病せさすなり。あなゆゆしともゆゆし」
〘 終助 〙文に相当する語句を受け、言うまでもない、という意で強く肯定する。中世以後の口語。 虎寛本狂言・止動方角(室町末‐近世初)「『其時分は定て私をもくはっと取立て被下るるで御ざらう』『をを、取立てやらう共』」
[補注]終助詞「とも」の語源については、「源氏‐玉鬘」の「あなうれしともうれし」や、「今昔‐二六」の「穴悲しとも悲しや」のような用法から転じたものといわれる。

広辞苑は同じ見出し語の扱い。「とも(雖)」を参照。

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最終更新:2025年07月20日 18:05