どの(殿)

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日本国語大辞典 接尾辞 ( 名詞「との(殿)」が接尾語化したもの )
① 地名などに付いて、そこにある邸宅に対する尊称として用いる。間接的にその邸宅に住む人を表わす場合もある。古くは「でん」と字音で読まれたともいう。
源氏物語(1001‐14頃)行幸「六条どのはさくらのからのきの御直衣、いまやういろの御ぞひきかさねて」 殿
② 人名、官職名などに付けて、敬意を表わす。古くは、「関白殿」「清盛入道殿」などかなり身分の高い人に付けても用いたが、現代では、官庁など公の場で用いるほか、書面などでの形式的なもの、または下位の者への軽い敬称としても用いる。 源氏物語(1001‐14頃)若菜上「誠楽に右大臣殿のきたのかたもわたり給へり」
[語誌]官職名を持つ人物に対して、その官職名に付けたが、鎌倉末期には官職のない人物に対して、人名に付ける用法も起こり、「殿」の敬意は低下した。そして「殿」に代わって十分な敬意を表わせる「様」の使用が盛んになる。
広辞苑 接尾辞 ①他人の氏名・官名の下に添えて敬意を表す語。「様」よりも敬意が軽く、また現在ではより公的な用語。 浄瑠璃、傾城反魂香「此の又平を遣つてくれ、―とも言はぬ、すすすつすつ修理様」。
「人事課長―」
殿
②地名の下に添えて、そこにある御殿・邸宅、またそこに住む人の敬称。 「鳥羽―」「東山―」
大言海 名詞 殿 (トノ)ヨリ轉ジテ、他人ノ名、又ハ、官職名ナドノ下ニ添ヘテ、敬ヒ稱スル語。後世、書體ニテ、尊卑ヲ分チ、楷、行、草、假名ナドニ書キ分ケテ用ヰル。( (サマ)ノ條、見合ハスベシ) 宗五大雙紙、書札事「殿文字、其品アリ、※(賞翫)、※(同)、※(等輩)、※下樣ヘ是ヲ書ナリ、※此殿ヲ書タルハ、假名ニテ、どのト書タルヨリハ、少賞翫也、又、假名ニテ、とのト書タルハ、書カザルホドノ事也ト」
梁塵祕抄、二、雜「イサタマヘ、隣殿、大津ノ西ノ浦ヘ雜魚スキニ」
狂言記、盜人連歌「ソレナラバ申シマショ、何ノ誰殿ハ、隱レモナイ分限者デゴザルトノ」
「關白殿」大納言殿」
殿

「※」については「殿と樣」を参照せよ。

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最終更新:2025年08月24日 16:21