み(接尾ロ)

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日本国語大辞典 接尾辞 形容詞または形容動詞の語幹に付いて名詞をつくる。
① そのような状態をしている場所をいう。「高み」「明るみ」「深み」など。
※万葉(8C後)一九・四二〇七「明けされば 榛(はり)のさ枝に 夕されば 藤の繁美(しげミ)に はろばろに 鳴くほととぎす」
② その性質・状態の程度やその様子を表わす。「さ」と比べると使われ方は限られる。「厚み」「重み」「苦み」「赤み」「面白みに欠ける」「真剣みが薄い」など。
[補注]②の中には、漢語の「味」と混同され、「味」を用いることも、近代には多い。
広辞苑 接尾辞 ①形容詞の語幹に付き、これを名詞化する。
㋐所・場所を表す。
万葉集8「夏の野の繁―に咲ける姫百合の」。
源氏物語葵「浅―にや人は下りたつ我が方は身もそぼつまで深きこひぢを」。
「深―にはまる」
㋑(「味」と当てることもある)程度・状態を表す。 「甘―」「黒―」「ありがた―」
②形容詞および形容詞型活用の助動詞の語幹に付き、多くは上に間投助詞「を」を伴って、原因・理由を表す。…のゆえに。…によって。…なので。 万葉集1「 采女 (うねめ)の袖吹きかへす明日香風(みやこ)を遠―いたづらに吹く」。
万葉集2「止まず行かば人目を多―まねく行かば人知りぬべ―さねかづら後も逢はむと」。
万葉集15「秋されば恋し―妹を(いめ)にだに久しく見むを明けにけるかも」。
万葉集17「峰高―谷を深―と」。
詞花和歌集恋「瀬をはや―岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ」
③二つ連続した動詞連用形のそれぞれに付き、動作の交互に行われる意を表す。…たり…たり。 万葉集3「 腋挟 (わきばさ)む児の泣くごとに男じもの負ひ―(うだ)き―朝鳥の()のみ()きつつ」。
源氏物語蛍「活け―殺し―」。
源氏物語椎本「見え―見えず―」。
「降り―降らず―」
大言海 接尾辞 (一) (サマ) (ホド) 「赤み」高み」
(二)トコロ 萬葉集、八 廿九 「夏ノ野ノ、 繁見 (シゲミ)ニ咲ケル、姬百合ノ、知ラエヌ戀ハ、苦シキモノヲ」
源、九、葵 十七 「淺みニヤ、人ハ下リタツ、我方ハ、身モソホヅマデ、深キコヒヂヲ」
新古今集、三、夏「我宿ノ、ソトモニ立テル、楢ノ葉ノ、しげみニ涼ム、夏ハ來ニケリ」
六帖、二「秋ノ田ノ、穗ニ出ヌレバ、打ムレテ、里遠みヨリ、雁ゾ來ニケル」
後鳥羽院御集「雨ヲヤム、雲ノ薄みヲ、行ク月ノ、影オボロナル、夏ノ夜ノ空」
「深み」

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最終更新:2024年05月10日 21:41