ろ(助詞)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 助詞 〘間投助〙 感動をもって聞き手に働きかける。上代では大半が東歌・防人歌に用いられる。
(イ) 終止した文に付く。中央語の「よ」「や」にあたる。→補注。
※万葉(8C後)四・六五四「あひ見ては月も経なくに恋ふといはばをそ呂(ロ)と吾れを思ほさむかも」
※洒落本・妓情返夢解(1802)一「あきらめてくれろ」
(ロ) 文中の連用文節に付く。 ※万葉(8C後)一四・三四六九「夕占(ゆふけ)にも今宵と告(の)らろ我が夫(せ)なはあぜそも今宵よし呂(ロ)来まさぬ」
[補注](イ)の用法のうち命令形に付くものは、上代において東歌および九州の志賀の海人の妻子の歌(山上憶良作の説が有力)だけに現われるが、「塵袋」「ロドリゲス日本大文典」の記載もこれと矛盾せず、現代語でも関東方言のほか九州に見られる。したがって、中古の例には欠けるが、地方語として使われ続けていたと考えられる。「ろ」を含めて動詞の命令形とすることが多いが、「よ」と同様、元来は助詞である。→接尾語「」・「ろ」の補注
広辞苑 助詞 ①(体言または活用語の連体形や文末などに付いて)口調を整え、また、親愛・感動の意を表す。「ろかも」の形が多い。 万葉集1「 処女 (おとめ)がともはともしき―かも」
②命令形に付き、命令の意に用いる。上代東国方言にあり、中世以後、中央にも見られるようになる。…よ。 万葉集20「()が手と付け―」。
狂言、鴈大名「亭主、持つて来―」
大言海 天爾遠波 東國ニテ、動詞ノ命令形ニ添フル語。 塵袋、十「阪東ノ人ノコトバノスヱニ、ろノ字ヲツクルコトアリ、ナナセろカセろト云フ」
萬葉集、廿 四十 「草枕、旅ノマル寢ノ、紐タエバ、我ガ手トツケ呂、コレノ(ハル)()シ」
「見ろ」受ケろ」

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最終更新:2024年05月10日 22:08