あか(赤イ)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 [1] 〘名〙 (「あか(明)」と同語源という)
[一]
① 五色の一つ。七色の一つ。三原色の一つ。色の名。古くは青に対する色として、朱、橙、桃色などを含めて用いられた。「赤貝」「赤衣」「赤土」など他の語と複合して用いることが多い。
※蘇悉地羯羅経寛弘五年点(1008)中「復、緋線(アカのよりいと)を以て之を纏ひ」 赤・紅・朱・緋
② 「あかあずき(赤小豆)」をいう女房詞。 ※大上臈御名之事(16C前か)「あづき。あかとも。あかあか共」
③ 赤子。赤ん坊。子供。 ※物類称呼(1775)一「小児〈略〉信州にてあかといふ」
④ 「あかごめ(赤米)」の略。 ※浄瑠璃・心中宵庚申(1722)上「食(めし)は赤まじりのひねくさいをすっくりとたかせ」
⑤ 「あかがね(銅)」の略。 ※蘇悉地羯羅経寛弘五年点(1008)下「牛蘇と銅(アカ)の瓶と銅の椀ともて」
⑥ 「あから(二)②」の略。 ※滑稽本・七癖上戸(1810)大意「儒に竹葉といひ、仏は般若湯といひ〈略〉護摩酢、狂薬、あか、清三」
⑦ 「あかみそ(赤味噌)」の略。 ※雑俳・柳多留‐五八(1811)「紫を赤で煮るのは江戸のみそ」
⑧ 「あかじ(赤字)」の略。
⑨ 「あかでんしゃ(赤電車)」「あかバス(赤━)」の略。 ※波(1928)〈山本有三〉妻「やっと電車が来た。赤だった」
⑩ 「あかしんごう(赤信号)」の略。 ※傾いた街(1967)〈加賀乙彦〉「次の信号が赤だと速度を落し」
⑪ 白組に対する赤組の称。 ※唱歌・かけっこ(文部省唱歌)(1932)「まけるな、まけるな、赤勝て、白勝て」
⑫ (革命旗が赤色であることから) 共産主義、社会主義、およびその主義者をさしていう。 ※若い人(1933‐37)〈石坂洋次郎〉下「橋本先生が今日の夕方『赤』の嫌疑で捕まっちゃったの」
⑬ めくりカルタの用語。→赤札①(ロ)
⑭ 「あかたん(赤短)」の略。
⑮ 「あかぎっぷ(赤切符)」の略。
[二] 「の」を伴って連体修飾語として用い、「全くの」「はっきりした」の意を表わす。 ※日葡辞書(1603‐04)「Acano(アカノ) ハダカニ ナル」
※竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生の散歩「素より赤の嘘である」
接頭辞 [2] 〘接頭〙 名詞の上についてそれを強調し、「全くの」「はっきりした」の意を表わす。「赤はだか」「赤恥」など。 ※松翁道話(1814‐46)二「仏経にも、どのやうな赤凡夫でも、善男子、善女子人というてある」
[語誌](1)アヲ・クロ・シロと並び、日本語の基本的な色彩語であり、古くは、光の感覚を示し「赤・明かし・明く・明け」と同根の類をなし、「黒・暗し・暮る・暮れ」の類と対立している。ただし、クラシ(暗)━クロシ(黒)の対に比べると、明るさと色彩とは未分化であったか。
(2)色彩語としては、上代では複合語の形で現われるだけで、単独ではアケを用いた。アカとアケの対は、サカ━サケ(酒)などと同じ対応であると考えられる。
広辞苑 名詞 (一説に、「くろ(暗)」の対で、原義は明の意という。→あお)
①七色の一つ。血のような色。また、緋色・紅色・朱色・茶色などの総称。
「―毛」「―靴」
②赤色と関係の深いもの、たとえば「 赤児 (あかご)」「(花札の) 赤短 (あかたん)」「 小豆 (あずき)」「(あかがね)」「赤字」「(革命旗の赤色から)共産主義」などの略称・俗称。
③赤信号の略。
④名詞の上に付けて、「まったくの」「すっかり」「あきらかな」の意を表す語。 「―はだか」「―恥」
大言海 名詞 (アケ)ノ轉((タケ)、たか。(サケ)、さか)〕
(一)色ノ名、血、朱、丹、ノ如キモノ。
(二)赤小豆 (アヅキ) 「あかノ(メシ)」あかノ(ママ)
(三)あかがねノ略。 「あかノ手水盥」
(四)赤子ノ略。
(五)あから(酒)ノ略。

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最終更新:2024年05月06日 18:52