あき(秋)

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日本国語大辞典 名詞 ① 四季の一つ。現在では九月から一一月、旧暦では七月から九月までをいう。天文学的には秋分から冬至の前日まで、二十四節気では立秋から立冬の前日までをいう。《季・秋》 ※万葉(8C後)一七・三九四五「安吉(アキ)の夜は暁寒し白栲(しろたへ)の妹が衣手着む縁(よし)もがも」
② 秋にみのる穀物。秋作(あきさく)。 ※浄瑠璃・烏帽子折(1690頃)道行「諸国のあきをつみのせて」
③ 穀物の収穫時期。転じて、忙しい時期。 ※浮世草子・好色一代男(1682)二「折しも、麦も秋のなかば」
④ 特に重要なことのある時期。ただし、「秋」と書いて「とき」と読むのが普通。 ※安井夫人(1914)〈森鴎外〉「浦賀へ米艦が来て、天下多事の秋(アキ)となったのは」
⑤ 和歌などの修辞法で、「秋」に「飽き」をかけていう。古今和歌集以後に多くみられる。→秋風② ※古今(905‐914)恋五・七六三「わが袖にまだき時雨(しぐれ)のふりぬるは君がこころに秋やきぬらむ〈よみ人しらず〉」
[補注]「万葉集」には、五行説の影響から「金」字を秋にあてているものがみられる。「金野(あきのの)のみ草刈り葺き宿れりし宇治のみやこの仮廬し思ほゆ」〔七〕、「金風(あきかぜ)に山吹の瀬の鳴るなへに天雲翔る雁にあへるかも」〔一七〇〇〕など。
広辞苑 名詞 (秋空がアキラカ(清明)であるところからか。一説に、収穫がア(飽)キ満チル意、また、草木の葉のアカ(紅)クなる意からとも)
①㋐一年四季の第3位。天文学では秋分から冬至まで、太陽暦では9月から11月まで、太陰暦では7月から9月までの3カ月の称。太陽は漸次南下し、昼は短く、夜は長くなる。〈[季]秋〉
㋑和歌などで、「()き」にかけていう。 古今和歌集恋「わが袖にまだき時雨の降りぬるは君が心に―や来ぬらん」
②穀物の収穫の時期。 好色一代男2「折しも麦も―のなかば」
大言海 名詞 黃熟 (アカリ)ノ約カト云フ、( 逆虎落 (サカモガリ)、さかもぎ)あかる(赤)ノ條ヲ見ヨ。日本釋名(元祿)上、秋「草木赤キ也」稻ノ成熟ノ時ノ意ナリ、 麥秋 (ムギアキ)ト云フモ、夏初ノ麥、成熟期ナリ、尙、とし、(稻)及、秋津島 (アキツシマ) 語源ヲ見ヨ〕
一年四時ノ、第三ニ當ルモノ。夏ノ次、冬ノ前、稻穀成熟ノ時ナリ。(二十四氣ノ條ヲ見ヨ)
神代紀、上 廿七 「素戔嗚尊、(ハルハ) 重撫種 (シキマキシ)子、云云、(アキハ)則放天班駒使田中
倭名抄、一歲時部「秋三月、七月初秋、八月仲秋、九月季秋」

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附箋:名詞 天文

最終更新:2024年05月18日 21:23