あす(浅)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 自動詞
下二段
[一] (浅) 海や川や湖などの底が浅くなる。水が減って涸れる。 ※万葉(8C後)三・二九二「ひさかたの天の探女(さぐめ)が石船(いはふね)の泊てし高津は浅(あせ)にけるかも」
※太平記(14C後)一二「水浅く池あせたり」
浅・褪
[二] (褪)
① 色がさめる。色が薄くなる。淡くなる。
※古今六帖(976‐987頃)二「見しこともあらずもあるかな故郷は花の色のみぞあせずありける〈紀貫之〉」
② 容色、光沢、勢いなどが衰退する。衰える。 ※後撰(951‐953頃)恋・二・六一八「わたつみと頼めしこともあせぬれば我ぞわが身のうらは恨むる〈伊勢〉」
※蜻蛉(974頃)中「身のあせんなげきは」
他動詞
四段
浅くする。色あせるようにする。 ※万葉(8C後)一四・三四二九「遠江(とほつあふみ)引佐細江(いなさほそえ)のみをつくし吾(あれ)をたのめて安佐(アサ)ましものを」
[補注](二)の「万葉」の例は「あさまし」を一語の形容詞として解する説もある。
広辞苑 自動詞
下二段
(「あさ(浅)」と同源)川・海などが浅くなる。川・海の水が涸れる。 万葉集3「()てし高津は―・せにけるかも」。
金槐集「山はさけ海は―・せなむ世なりとも」
大言海 自動詞
下二段
(一)海、川ナド、底、淺クナル。水減リ涸ル。アサブソコル 萬葉集、三 廿二 「久方ノ、天ノ 探女 (サクメ)ガ、磐船ノ、泊テシ高津ハ、(アセ)ニケルカモ」
後撰集、五、秋、上「今日ヨリヤ、天ノ川原ハ、あせナナム、(ソコヒ)トモナク、タダ渡リナム」
金槐集「山ハ裂ケ、海ハあせナム、世ナリトモ、君ニ二心、我レアラメヤモ」
常陸風土記、香島郡、 安是 (アセ)(ノウミ)トアルモ、あせタル海ナリ。
(二)色ナド、(アハ)クナル。アサユ () 源、一、桐壺 廿九 「結ビツル、心モ深キ、元結ニ、濃キ紫ノ、色シあせズバ」
同、二十一、少女 四十八 「鶯ノ、昔ヲ戀ヒテ、囀ルハ、木傳フ花ノ、色ヤあせタル」
(三)薄クナル。ウスラグ。ウツロヒカハル。衰退 源、十、榊 十五 「年暮レテ、岩井ノ水モ、凍リトヂ、見シ人影ノ、あせモユクカナ」
取りかへばや物語、一「何事モ皆クチヲシク、あせユク世ノ末ナレド、カカル人ノ、物シタマヒケルヨト、驚カレテ」
動詞活用表
未然形 あせ ず、らゆ、らる、む、じ、さす、しむ、まほし
連用形 あせ たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 あす べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 あする も、かも、こと、とき
已然形 あすれ ども
命令形 あせよ
動詞活用表
未然形 あさ ず、ゆ、る、む、じ、す、しむ、まほし
連用形 あし たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 あす べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 あす も、かも、こと、とき
已然形 あせ ども
命令形 あせ

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附箋:下二段 他動詞 四段 自動詞

最終更新:2024年05月06日 19:12