あも(阿母)

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日本国語大辞典 名詞 上代語。母。おも ※書紀(720)雄略二三年八月・歌謡「道に闘(あ)ふや 尾代(をしろ)の子 阿母(アモ)にこそ 聞えずあらめ 国には 聞えてな」
[語誌](1)「書紀‐歌謡」の例のほかは「万葉集」では防人歌に見えるところから、「おも」の古形が東国方言に残ったと見られる。
(2)中央語「ちちはは」に対する「あもしし」あるいは「おもちち」は、母が先にくるところから、古代母系制の名残と見る説もある。
広辞苑 名詞 (上代東国方言)ははおも 万葉集20「―が目もがも」「―しし(父母)に言申さずて今ぞくやしけ」 阿母
大言海 名詞 (オモ)ノ轉、其語原ヲ見ヨ、(漢語ノ 阿母 (アモ)ト暗合ス)ちヲしト云フハ、東詞ノ常ナリ、 天地 (アメツチ)ヲ、あめつしト云ヒ、下ノ出典ノ歌ニ、立ち()むヲ、たしでもナドトアリ〕
(ハハ)ニ同ジ。 母父 (ハハチチ)ヲ、あもししト云フ、共ニ、古ヘノ 東詞 (アヅマコトバ)ナリ。
萬葉集、二十 三十 攝津 (ツノクニ)ノ、海ノ渚ニ、 舟裝 (フナヨソヒ) 多志埿毛 (タシデム)() 發出 (タチデ))時ニ、阿母ガ目モ()モ」(故鄕ノ母ヲ思ヒテ、相見ムコトヲ欲ストナリ)
同卷 廿九 阿母刀自 (アモトジ)モ、玉ニモガモヤ、戴キテ、 角髮 (ミヅラ)ノ中ニ、()()カマクモ」旅行キニ、行クト知ラズテ、 阿母志志 (アモシシ)(母父)ニ、言申サズテ、今ゾ悔シケ」 月日 (ツクヒ)ヤハ、(スグ)ハ往ケドモ、阿母志志ガ、玉ノ姿ハ、忘レセナフモ」(以上四首、共ニ、下野國ノ 防人 (サキモリ)ガ、筑紫ノ守備ノ役ニ赴ケル詠ナリ)
阿母

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最終更新:2024年05月06日 19:52