2008年4月8日
明日はいよいよ初めての、大学の授業
新生活のスタートにあたり、日記をつけることにした
新たな環境への不安と期待が胸に渦巻いている
初対面の人は苦手な方だが、うまくやれるだろうか
まだ全然眠く無いが、明日に備えてもう眠ることにする
2008年4月9日
初めての大学は何もかもが新鮮だった
広いキャンパス、行き交う学生達、サークルの勧誘…
何人かの人と会話もできた。ぎこちなさはあったが初日としては良い感じだろう
昨日までの不安はもう無い。明日は何があるんだろう…楽しみだ
2008年4月10日
今日は、昨日会話した人達と仲良くなった
私と同じ県出身の人もいて話が弾んだ
学内をみて回ったり、学食で昼食をとったり
大したことはしていないのだが、とても楽しい時間だった
昨日勇気を出して話しかけて、本当に良かったと思う
2008年4月13日
今日は友達と一緒に部活の見学に行った
弓道なんて今まで見ただことも無かったから楽しみだったけど
矢だけ渡されて、ひたすら弓引くマネばっかりだった
正直…ちょっと退屈だった。弓道やってた友達は「懐かしー」と笑っていたが
とりあえず…弓道部は止めておこう
2008年4月14日
今日もサークル見学に行った
軽音楽というか、サークル内でバンドを組んでいるらしい
でも私達が行った日は全く音楽活動はしていなかった
友達はそんなのお構いなしで、サークル内の人と喋っていた
友達は気に入ったみたいだが…なんだか軽そうな人ばかりで
私はあまり空気に馴染め無かった
2008年4月19日
今週も今日で終わり。
今日は友達に誘われて、新歓コンパに行った
かなりたくさんの人がいてビックリだった
みんな凄くテンションが高くて、若干引きぎみだったが…
途中お酒をすすめられたが、未成年なので断ってた
相手は「空気読めよ」という顔をしていたが
私は何も間違ったことなんて言っていないのに…
結局ついていけず、私は途中で抜け出して帰ってしまった
2008年4月22日
友達に何で新歓コンパを抜け出したのと聞かれたので
とりあえず、用事を思い出したと言い訳しておいた
とっさの言い訳だったが、あまり追求されなかったので助かった
2008年4月23日
友達と話しているとサークルの話題になった
みんなそれぞれ入りたいサークルに目星をつけたらしい
先週は毎日みんなでサークル見学に行っていたのだが…
私は入りたいと思うものは無かった
まあ高校の頃も部活には入っていなかったからいいだろう
空いた時間はバイトや勉強にあてればいい
2008年4月26日
みんな目当てのサークルに入ったようだ
歓迎コンパや活動の内容など、楽しそうに話していた
みんなの話題に入れないのはちょっと残念だな…
2008年4月30日
最近みんな授業が終わるとサークルに向かうようになった
やっぱり入りたてだし、楽しいんだろうか
少し寂しい気持ちはあるが、無理してサークルに入ってもしょうがないだろう
毎日というわけでは無いし
2008年5月3日
今日からGWということで、早速実家に帰ってきた
ほんの1、2ヶ月しか離れていないのに随分久しぶりに感じる
つかさとお互いの生活についてたくさん話した
毎日調理の実習や勉強で疲れるらしいが、充実しているようだ
友達も結構できたらしい。やっぱり夢が同じ者同士気が合うんだろうか
明日はこなたやみゆきとも会える。今から楽しみだ
2008年5月4日
今日はこなた、みゆき、つかさと私。4人でひたすら遊んだ
みゆきは少し髪を短くしていて、なんだかますます綺麗になった気がする
こなたはまるで変わっていなかったが…
二人とも大学では楽しくやっているようだ
こなたがオタ系サークルに入っていたのは、予想通り過ぎてなんだかホッとした
2008年5月5日
今日も皆で遊んだ。今日は日下部や峰岸も一緒だった
騒がしいのが増えて一段と疲れたが、それ以上に楽しかった
日下部が峰岸とは近いうちに姉妹になるとハシャいでいた
学生結婚とは…早い気もするが、峰岸が凄く幸せそうだったから、いいかな
2008年5月6日
GW最終日。今日は3時の電車に乗るまで、家族と過ごした
つかさの料理は前より上手になっていて、家族にも好評だった
つかさの努力が感じられて、姉として嬉しくなった。私も頑張ろう
2008年5月7日
つかさの頑張りに触発されたのか、前より勉強する意欲が沸いてきた
司法試験はかなり難しいらしいし、サークルも入ってない
これからは今まで以上に勉学に励むことにしよう
2008年5月9日
今日友達に一年のうちから勉強し過ぎだ、とからかわれた
そうは言っても法律なんて難しい分野だし、ここもそれなりにレベルの高い大学だ
余裕ぶっていたら留年なんて事になりかねない
そう言うと皆口をつぐんだ。分かってくれたのかな
2008年5月18日
今日も友達はサークルへと、楽しそうに向かっていった
明日は休みだから、活動後に飲みに行く子もいるみたいだった
そんな皆を見ているとやはり寂しい気持ちはあるが
最近少しずつ授業も難しくなってきたし、気を抜いていられない
2008年5月23日
今日も皆は飲みに行くらしい。楽しむのは良いことだが…
ちょっと遊びに傾きすぎじゃないだろうか
もうすぐ中間試験もあるというのに…
とりあえずあまり遊び過ぎず、中間対策もするように言っておいた
2008年6月4日
今日から中間試験をやる教科が出始める
私は日々の勉強の成果か、バッチリ解答できた
だが友達は、個人差はあるものの、皆あまり出来は良くなかったらしい
予想していた結果ではあるが…
大学は高校とは違う。点数が届かなければ容赦はされない
この調子でいけば、留年というのも冗談では無くなってしまう
明日からの試験は気合いを入れるように忠告しておいた
…少しキツイ言い方になったかもしれないけど
2008年6月11日
ようやく中間試験期間も終わった
何科目もの試験勉強をするのは、流石に疲れた
まあ、その分、試験は完璧と言える手応えだったし、解放感もひとしおだ
友達は、結局イマイチな結果に終わったらしい…
だからしっかりするように言ったのに…
2008年6月16日
いくつかの科目の試験結果が明らかになった
大体思ってた通りの出来だったが、予想より少し悪いのもあった
満点かも、と密かに思っていたのだが…
やはり甘くない。期末試験に向けてさらなる努力をしなくては
そして友達は…こちらも予想通り、いや予想以上に、悪かった
なのに皆は、まるで他人事のように笑っていた
どうしてもっと危機感を持たないのだろうか
2008年6月20日
試験からしばらくたったが、友達は相変わらず遊んでいる
今日も飲みに行くらしい。毎週毎週よくやるものだ
それに、あれだけさんざんな試験結果だったのに…
遊びは控えて勉強したほうが良いと言ったら
「勉強もちゃんとやるから」と笑いながら答えた
本当にやるんだろうか…
2008年6月22日
今日つかさから電話がかかってきた
こなたやみゆきからはたまにかかってくるのだが
つかさは毎日忙しいらしく、滅多にかかってこないのに
なんとなく電話したくなったと言っていた。つかさらしい
大学生活について聞いてきたので、この間の中間試験を教えたら
「さすがお姉ちゃん」ととても喜んでくれて、嬉しくなった
つかさの方は、就職についての不安があるらしい
そういえばつかさの入ったところは一年制だった
その分密度の濃い毎日を送っているというわけなのだろう
つかさを激励すると同時に、自分自身に発破をかけた
2008年6月25日
今日友達から合コンに誘われた
サークルの子達で行く予定が、急に一人来られなくなったらしい
あまり興味も無いし、ああいう場はどうにも苦手なのだが
どうしてもとお願いされたので断りきれなかった
合コンは今週の土曜らしい。ちょっと気が重くなった
2008年6月28日
今日は合コンだった…のだが…
やはりああいうのは私には合わないようだ…
最初はまだ良かったのだが、皆に酒がまわり始めてからはきつかった
みんな異常にテンションが上がって、飲んでない私はついていけないかった
しかも相手の一人が、やたらと馴れ馴れしく言い寄ってきた
何度追っ払ってもしつこく迫ってきて、正直ウザかった
しかも、耐えきれず帰ると言うと、その男が送ると言い出した
これだけ厳罰化がすすむ中で飲酒運転とは…
もし飲酒運転がバレた時どうするのか
それよりも、もし事故を起こして誰かを傷つけたら、責任をどうとるのか
世間で騒がれているような死亡事故でなくても
被害者に多大な迷惑をかけてしまうのは明白なのだ
男にそう捲したてると、男は逆ギレし、場もシラケてしまった
正しいことをしたのに、何故私が悪いみたいな雰囲気になったのだろうか
もう二度と、合コンには行くまい
2008年6月30日
一昨日の合コンのことを友達に謝った
発端は何であれ、場の空気を乱したのは事実だ
彼女が、「アレは相手が悪いし、気にすることはない」
と言ってくれたので、いくらか気が楽になった
機会があれば、他の参加者達にも謝っておこう
2008年7月4日
今日は友達とお喋りしながら帰宅した
とはいえ、彼女の方は家ではなくサークルに向かったのだが
帰り道からそんなにそれてないので、ついでに彼女についていくと
この間の合コンに来ていた子達がいたので、あの事を謝っておいた
彼女達も気にしないでいいよと言ってくれた
帰り際、彼女達がこちらを見て何やら話していた。なんだろう
2008年7月9日
必修科目のひとつの授業で、小テストをやらされた
ほとんど今日の授業中にやった問題ばかりだったので、簡単だった
私は満点で、友達も、二人はそこそこの点をとっていたのだが
もう二人はほとんど解けていなかった
この二人は中間試験もかなり悪かったはずなのに…
注意したが、成績には関係無いテストだし、と笑っていた
確かに直接は関係無いが、この調子で期末試験大丈夫なのだろうか
2008年7月14日
期末試験も迫ってきたので、今日はみんなで勉強をした
友達が、サークルの先輩から過去問をもらっていたので
とてもありがたかったし、それは良かったのだが
一時間もすると、友達は集中力が切れたようで
頻繁にケータイをいじったり、お喋りしたりしていた
ちゃんとやりなさいと注意したが、生返事が返ってくるだけで
結局最後まで集中してやっていたのは私だけだった
2008年7月20日
いよいよ今週から、期末試験をやる講義が出始める
ということで、先週のように勉強会をすることになった
先週とは違い今日は休日なので、長い時間がとれた
ただその長い時間、友達の集中力がもったかと言うと
やっぱりもたなかったようで、またお喋りしたりで勉強を中断していた
期末試験はもう目の前なのにと、当然のごとく注意したが
友達の一人が、試験対策は個々でやってるから大丈夫だし
こういう勉強会はむしろ、友達と楽しく過ごす方が大事なんだ、と反論してきた
それじゃ「勉強会」じゃないじゃないと言いたかったが
私以外は皆、彼女の意見に賛成のようだった
仕方ないので私だけ勉強の続きをした
ちゃんと個々で勉強やっているらしいし、たぶん大丈夫だろう
2008年7月25日
前期最初の期末試験があった
やはり中間試験と比べて、難易度は上がっていた
私は試験対策バッチリだったので、案外スラスラと解けた
友達もそれなりの手応えがあったようで、何よりだ
2008年7月30日
今日も期末試験だった。それも必修単位の講義のだ
なのに友達は、全然解けなかったらしい
この間の小テストの時は、あんなこと言っていたのに
ちゃんと試験対策してるって言っていたのに
この講義、中間試験の結果も芳しくなかったはずだ
過去問も無かったし、試験範囲も広かったけど
テストには授業でやった問題も、小テストの問題も
ほぼそのままの形で出ていた
ちゃんと勉強してれば、解けないはずは無いのに
そう言うと友達は「出来なかったんだからしょうがない」と言い訳していた
それでついイラッとして、残りの試験は出来るようにしなさいと怒鳴ってしまった
またちょっときつく言い過ぎたかもしれない…
でも単位を落として困るのは彼女達自身なのだ
それに、せっかく知り合えたんだから、みんな一緒に卒業したい
2008年7月31日
今日も当然期末試験
今日は3つも試験があって疲れてしまった
しかし、良いこともあった。
試験が終わると、友達がそそくさと教室を出ていって
何処かへ行っていたので、何事かと心配したのだが
帰りに出会った時に話を聞くと、図書館で勉強していたらしい
それなら私もと言ったのだが、知り合いといると勉強に集中できないとか
今日も、みんなバラバラに勉強していたそうだ
そういえば、確かに勉強会でも集中できていなかった
そこまで真剣になってやってたとは…
ようやく私の言うことを分かってくれたのだろうか
2008年8月1日
今日は期末試験最終日だった
最後の試験もバッチリ解けたし、ようやく肩の荷がおりた
なので今日は友達と遊ぼうかと思ってたのだが
みんな追試に向けて勉強したいとのことだった
遅いと言ってしまえばそれまでなのだが、みんな本気になったようだ
驕るつもりではないが、私は追試の心配は無いだろうし
講義も全て終わったし、レポートも全て提出済だ
明日、早速実家に帰ろうと思う
学内掲示板はインターネットでも確認できるし
友達の応援はしてあげたいが、私がいても勉強の妨げになるだけだ
2008年8月2日
3ヶ月ぶりに実家へ帰ってきた。やっぱり実家はいい
自炊はしているが、お母さんの味は何だかホッとする
そういえばつかさやこなた達はまだ帰ってこないようだ
さすがに早く帰ってきすぎたかな
2008年8月6日
峰岸からパーティーに招待された
本当は結婚式を挙げたいらしいが、学生なので今は籍をいれるだけだそうで
とりあえず式のかわりに、知り合いを集めてパーティーするらしい
日取りは今月14日
チアダンスのメンバーは全員誘ったとのことなので、凄く楽しみだ
2008年8月7日
つかさから電話がかかってきた
夏休みに入ってるけど就職活動も始めたらしく
そう長い期間の帰省はできないそうだ
ちょっと残念だが、つかさの将来にかかわることだ、仕方ないか
2008年8月14日
今日は峰岸の…いや日下部あやのの結婚パーティーだった
会場はみゆきの家だった。人数が多く、あやのが会場をどうしようか悩んでいると
みさおがみゆきに会場の提供をお願いし、みゆきが快くOKしたそうだ
会場には知り合いがたくさんいた
ゆたかちゃん達後輩軍団は、相変わらず仲良しで微笑ましかった
つかさやこなたもちゃんと参加していて安心した
料理の一部はつかさが作らせてもらったらしい
みんなに大絶賛で、とても誇らしい気持ちになった
みさおは酔っ払って、アチコチでおおはしゃぎしていて
それをあやのが旦那さんの横に並び、幸せそうに見守っていた
そんな二人を見て、恋愛もいいかな、なんて思っていると
こなたにしっかりとおちょくられてしまった
2008年8月15日
昨日パーティーで騒いだばかりだが、今日はいつもの4人で遊んだ
つかさの滞在が短いのは知っていたが、こなたも早めに帰るらしい
理由はバイト。自分で学費を捻出しているので、休めないのだそうだ
片親だから、負担をかけないように頑張っているのだろう
そういえば入試でも、初めこなたは公立は厳しいと言われていた
なのにネットを禁止して必死に勉強し、公立に受かったのだった
何も変わっていないという私の印象は、とんでもない間違いだと思い知った
2008年8月17日
遊びに来ていたこなたの大学の友達と会った
こなたが「右手に見えるのが、ツンデレでございま~す」
などと紹介しやがった。私がそれにツッコムと、何故か歓声が上がった
どうにもアレな友達ばかりだが、こなたは大学生活を満喫しているようだ
2008年8月18日
今日、つかさとこなたが帰っていった
つかさもこなたも、忙しい毎日を送っているのだ
けれど、彼女らの笑顔はとても眩しく、輝いていた
私も、あんなふうになれるだろうか
2008年8月25日
今日は、みゆきまでもが帰っていってしまった
帰る理由を聞くとき、冗談で「彼氏が待ってるから?」と聞くと
顔を真っ赤にしてうつ向いていた。どうやら図星だったらしい
今思えばパーティーでも、みゆきはあやの夫妻に興味津々のだったような
帰り際のみゆきは、とても幸せそうに笑っていた
2008年9月1日
夏休みはまだ1ヶ月あるが、落ち着かず、早くもアパートへと戻ってきてしまった
こなた達が早く帰ったのを見て、何だか焦ってしまったのだ
友達は帰省しているだろうか。そういえば、彼女達の電話番号を知らない
2008年9月8日
こんなに夏休みを長く感じたのは初めてだ
実際長いのだが。後期にならないものか
2008年9月14日
ノートがきれた。夏休みに入って3冊目
勉強しすぎかとも思ったが他にすることがない
2008年9月20日
ノートがまたきれた
2008年9月22日
今日から履修登録開始だ。長かった
友達の姿を探してみたが、さすがに見つからなかった
2008年9月29日
今日からようやく、後期授業の開始だったのだが
友達の様子がおかしい
目があったはずなのに、気付かなかったり
話しかけても返事が何だかそっけない気がする
何か、嫌な予感がする
2008年9月30日
今日も友達の様子がおかしかった
もしかして私を避けてるのだろうか…
何故だろう。夏休み前は普通だったのに
2008年10月1日
一日中理由を考えていたが、分からない
夏休み中一度も連絡しなかったからだろうか
でも、電話番号もメアドも知らないのに
2008年10月2日
授業が手につかない
彼女達は、授業が終わるとさっさと出ていってしまう
前期の頃は、私もあの中にいたのに、どうして
2008年10月3日
今日、彼女達に話しかけようとしたが、できなかった
自分が避けられている、と思うとどうしても躊躇してしまう
そんな私を、彼女達は見ようとしない
2008年10月6日
先週のはジョークでしたー!ごめんねー!
と、友達が笑いながら話しかけてくれる
そんな淡い期待は、脆くも崩れさった
週が明けても何も変わらない
2008年10月8日
今日、食堂で彼女達を見かけた
私は見つからないように、コソコソと端の席に座った
独りで食べるご飯は、おいしくない
2008年10月10日
最近は、私の方から彼女達を避けるようになった
彼女達は、一対一で出会った時は、挨拶してくれる
目が合った時だけ、仕方がない、といったように
無視されることよりも、それが辛いのだ
2008年10月17日
最近は授業を受けたら、すぐに帰宅している
自宅勉強はする気になれないので、今日はラノベを読んだ
何度も読んだ本なのですぐに飽きた
2008年10月18日
休日なのにすることがない
以前は勉強をしていたのだが、その気になれない
結局、一日中ゴロゴロして過ごしてしまった
2008年10月21日
独りで食堂に行くのはもう耐えられない
どこか一人でも大丈夫なところは無いだろうか
図書館は飲食禁止だし、空き教室はしっかり鍵がかかっている
大学付近のお店は常に学生で一杯だ
2008年10月24日
悩みぬいた末に、ようやくおちついて食事できる場所を見つけた
他のに比べると、比較的人の出入りは少なく
個室もそれなりに広い
今度からはあそこで食べることにした
2008年10月31日
お昼ご飯を食べ終わった頃、彼女達が入ってきた
個室で息を潜めていると、私の陰口を言い出した
「KY」、「ウザい」、「オタクっぽい」などと散々に罵ったうえに
最近の孤立している私のことを嘲笑していた
しまいには彼女達は、こなたのことをも貶し始め
気が付くと私は彼女のことをぶってしまっていた
私のことは、まだいい。でもこなたを貶されたのは許せなかった
写真しか見たことないくせに、一体あの子の何が分かるというのか
2008年11月1日
気分が重い
昨日は感情に任せて、とんでもないことをしてしまった
後悔している訳ではない。ないのだが…
あの子は、私が一番仲良くしていた…と思っていた子だった
何故だろう。涙が止まらない
2008年11月4日
休み明けの今日。あんなことをして、彼女達に会うのが怖かった
しかし、予想に反して何も起こらなかった
彼女達も周りも、いつもと変わらない。ほっとした反面
あんなことをしても関わろうとしてこないのか、と悲しくなった
2008年11月7日
今日教室に入ると、変な違和感があった
学生の一部が、私のことをチラチラ見ていたのだ
そしてヒソヒソと何か会話し、笑う
明らかに、私のことを笑っている
もしかしたら、この間のことを彼女達が話したのかも知れない
2008年11月12日
彼女達は、意外というか、やはりというか交友関係は広がったようだ
結構な人数が、私のことをチラチラ盗み見ていた
高校でも、少数の友人とずっと過ごしていた私
大学でも無駄に交友をひろげようとはしなかった
陰口まで叩く人は少数だが、味方してくれる人はゼロ
私は今度こそ、文句なしに、クラスで孤立した
2008年11月14日
胃が痛い
生活自体は、後期が始まった頃とあまり変わらない
けれど今は、教室にいるのがより苦痛になった
今考えれば、あの頃はまだ希望は持っていたのかもしれない
仲直りできるだとか、他に友達ができるだとか
今はそれも潰えた
2008年11月16日
一人で部屋に篭っていると、泣きたくなってきた
無性に友達の声が聞きたくなって、片っ端から電話をかけた
でも誰にかけても、受話器の向こうには友達以外の人もいて
その賑わいを聞くと、頭が真っ白になってしまって
結局誰とも、何も話すことはできなかった
2008年11月21日
最近授業が少し分からなくなってきた
そういえば、ここ1ヶ月以上勉強していなかった
家にいても大学にいても、寂しさは容赦なく襲ってくる
以前のように勉強すれば、少しは気が紛れるだろうか
2008年11月22日
この間まで勉強する気など起きなかったのに、今日は一日中勉強できた
勉強をしている間は、何もかも忘れられる
2008年11月25日
大学でもひたすら勉強に集中した
そうすると、1日が早く過ぎていった
そうだ、私は弁護士になりたいのだ。これからはもっと勉強しよう
2008年11月29日
今日も一日中勉強に没頭した
2008年12月6日
今日もひたすら勉強した
2008年12月13日
今日も勉強した
2008年12月19日
今日も勉強した
2008年12月24日
今日も勉強した
そういえば今日から冬休みだった
明日帰省するとしよう
2008年12月25日
実家に帰ってきた
家に帰ると、両親と姉が暖かく迎えてくれた
何もかもが懐かしく、久しぶりに一息つくことができた
2008年12月30日
つかさが帰ってきた
3ヶ月ぶりに会ったつかさは、髪が肩に届くほど伸びており
なんというか、ちょっと色っぽくなっていた
喋ってる時も、以前より落ち着いた感じがする
つかさにそう言うと、もうすぐ社会に出るって、自覚してきたからかな
と、ちょっと照れ臭そうに笑っていた
2009年1月1日
新しい年が始まった
今日は帰省していたこなた達と初詣に行った
と言っても、私とつかさはウチの神社で手伝いしていたのだが
こなたが「ツンデレ巫女なんてまさにエロゲ」とか言って写真を撮り
つかさは何だか恥ずかしそうで、それを見てみゆきが優しく微笑んでいた
そんないつもの、懐かしい光景をみて
何ヶ月ぶりか、私は心の底から笑った
2009年1月2日
今日は昨日に続いて、こなた達と一緒に過ごした
みんなでたわいのない話で盛り上がっていると
自然と話題は自分達の生活のことへと移っていった
バイトのこと、サークルのこと、友達のこと、恋人のこと
こなたは、バイトやサークルの仲間達のことを楽しそうに喋っていた
つかさは就職のことや、一緒に頑張っている友達のことを真剣に語っていた
みゆきは恋人と一緒に過ごしたクリスマスのことを、照れ臭そうに話していた
そして私は、彼女達の話に相槌をうち、うんうんと頷くだけだった
2009年1月3日
今日もこなた達と会った。今日はみさお達も一緒だった
昨日より賑やかなメンバーで、昨日より楽しくなるはずだったのに
喋っていると、やはり近況についての話となった
とりわけ、クリスマスイブの話で皆大いに盛り上がっていた
こなたとつかさや、みさおは友達と、みゆきは恋人と
あやのは旦那さんと、それぞれイブの夜を楽しく過ごしたようだった
そしてこなたが「かがみは誰と過ごしてた?彼氏?」ニヤニヤして聞いてきた
他の子達も、興味津々といったように私を見ていた
私は「普通に友達といたわよ」とそっけなく答えた
平静を装ったけど、しばらくは頭の中が真っ白だった
「一日中勉強していた」なんて言ったら、みんなどんな反応をしたんだろう
想像すると頭がどうにかなりそうになった
2009年1月4日
今日はつかさが帰る日だったので、夏休みの時と同様に家族で過ごした
つかさは、昨日みんなから聞いた話を楽しそうに話していた
お父さん達も楽しそうに笑いながらそれを聞いていて
やがて私に「かがみはどうだ?大学楽しいか?」と尋ねてきた
私は困惑して「まあね」と、返すことしかできなかった
2009年1月5日
今日こなたから年賀状が届いた。こんなに遅れるなんて、こなたらしい
そう思いながらそれを見ていると、まつりお姉ちゃんが
「そういえばかがみって、大学の友達から年賀状きてないよね」
と、言ってきた。私は咄嗟に、メールで済ませたとウソをついたが
「でも高校の友達にはちゃんとハガキで出してたじゃない」
と、返してきて、私はさらに混乱した。そして
「もしかしてかがみ…友達いない?」と冗談混じりに姉が言った時
完全に気が動転し、姉を怒鳴りつけてしまった
今思えば、過剰反応しすぎた。友達いないことがバレていたらどうしよう
2009年1月6日
今日夕食をとっていた時、突然父が「かがみ、悩みがあるなら力になるぞ」
と言ってきた。私はそれで、バレてしまったことに気付き
またもや気が動転し、別に何もないと怒鳴ってしまい
なおも追求しようとする父に向かって、我を忘れて喚きちらしてしまった
その時の家族の顔を見て、私は思わず吐きそうになった
クラスの子達の大部分が私に向ける、憐れみと蔑みの入り混じった、あの顔
もはや実家にすら、私の
居場所は無いのだろうか
2008年1月7日
今日は朝イチの新幹線でアパートまで帰ってきた
帰る時も家族は、あの顔を向けながら、どこか遠慮がちに話しかけてきた
もう、実家には帰りたくない
2009年1月9日
今日からまた授業開始された
来週には中間試験があるし、また勉強をしなくては
2009年1月16日
中間試験の期間に入った
今日の試験はまずまずといった感じだった
2009年1月28日
中間試験の結果はかなり良かった
この調子で期末試験も頑張ろう
2009年2月1日
父から電話がかかってきた
特に用件は無かったようで「調子はどうだ」などと聞いてきた
今まではこんな電話なんて、かけてこなかったくせに
私は手短に電話をきり勉強を開始した
2009年2月6日
いよいよ期末試験が近づいてきた
一年間の努力を無駄にしないように、しっかり勉強しておかないと
2009年2月13日
期末試験が始まった。集大成だけあって、かなりの難易度だった
かなりできたとは思うが、過信はできない
2009年2月14日
こなた達からチョコレートが届いた
忘れていたが、今日はバレンタインだったのだ
嬉しくなったが、いったい何人がこれと同じ物を貰ったのかと思うと
嬉しさも、チョコを食べる気も失せてしまった
そんな自分が、とても情けなくなった
2009年2月16日
つかさから電話がかかってきた
地元のホテルの内定がとれたそうだ
よっぽど嬉しかったのか、つかさは終始泣きじゃくっていた
卒業後は実家から通勤するらしい
2009年2月19日
今日で晴れて、全ての試験が終わった
つまりこれで後期の課程は終わったのだが
どうしても実家に戻る気にはなれなかった
2009年2月28日
父から「まだ帰省して来ないのか?」と電話があった
とりあえず、勉強等で忙しいから帰れないかもしれないと言っておいた
2009年3月9日
今日はつかさの卒業式だったらしい
電話越しのつかさは、ワンワンと大泣きしていた
その後こなたから、つかさの卒業を祝おうとの電話があった
3月11日に地元でみんな集まろうとのことだ
こんな時も、実家に帰りたくないと思った自分が、つくづく嫌になる
2009年3月10日
実家に帰ってきた。つかさも同じ日だったようだ
帰ってきてからずっと、つかさは嬉しそうに色々と話してくれた
調理師になれたこと、友達と卒業旅行に行く予定だということ
しかし、つかさがそういう事を話すたび、家族の視線が突き刺さる気がした
こんなおめでたい日に、こんな気分になりたくなかったのに
2009年3月11日
今日はいつもの4人と日下部達で、つかさの卒業祝いをした
今日は無礼講ということで、お酒も解禁だった
つかさの卒業旅行の話から、みんなの旅行の話になって
酔ったみさおが「柊は旅行とか行かなかったのか?」と聞いてきた
「別に行きたいと思わないし」とそっけなく返すと、みさおが
「ほんとかぁ~?実は一緒に行く奴がいなかったりして~」
と笑いながら言い、それに続いてこなたが
「かがみはKYなとこがあるからねぇ」と言い、笑った
こなたの「KY」という言葉を聞いた時、ひどく胸が痛み
思わず涙がこぼれそうになったが
つかさのお祝いを暗い雰囲気にしたくなかったので
何とか平静を装った
2009年3月15日
今日もこなた達と遊ぶ予定だったのだが
具合が悪いと嘘をついて断った
こなた達がお見舞いに来ると言ったが、それも拒否した
お酒が抜けて冷静になると、余計に昨日のことが頭をよぎる
あの時、昔の私なら「余計なお世話だ!」とか
ピシャリと言い放っていたんだろう
でもこなたが、あんな風に思っていたと知ると
強く言い返すことはできなかった
2009年3月16日
こなたが向こうへ帰るということで、みんなで集まった
さすがにこれを断るわけにはいかなかったので、私も参加したのだが
みんなを見ると、どうしても自分の境遇と比べてしまい
ひどく惨めな気分になってしまった
みんなと過ごす時間は、もっと楽しくて安らげるモノだったはずなのに
2009年3月17日
アパートへ帰ってきた
家族はもう少しゆっくりしたらどうだ、と言っていたが
これ以上、家族のあの視線を感じたくはなかった
2009年3月18日
どうしたらいいのだろう
こなた達とは、絶対に疎遠になったりしたくない
このまま距離をとって、独りのまま生きていくなんて
自分がそんなに強くないことは、私自身がよく知っている
だけど今の私は、こなた達ですらまっすぐ見ることができない
一緒にいる時に、気後れしたり、嫉妬したりして
みんなと過ごす時間を、楽しむことができないのだ
2009年3月19日
成績を受け取っていないのを思い出したので、今日取りに行った
無事単位はひとつも漏らさず取得することができた
優もかなり多かったが、嬉しくはなかった
今までは勉強していれば、嫌なことも忘れられた
それに、勉強して夢を叶えれば、何もかも上手くいくと思っていた
でもそれは、ただ外の出来事から逃げていただけで
結果的にそれが、今の私を追い詰めている要因になっている
どうにかして、変わらなくてはいけないのだ
2009年3月22日
今日バイト情報誌を買って、電話をかけた
かけた先は飲食店。できるだけ人と接するのを選んだ
受話器をとって、電話をかけるのに2時間もかかってしまい
話す時も、心臓がバクバクだった。今もドキドキしている
次の火曜日に面接をするそうだ
変わるためにバイト、なんて単純すぎるかもしれない
それに、知らない環境に飛び込むのは、正直言って怖い
でもこなた達や家族と、このまま離れていくのは、もっと怖い
最終更新:2021年05月06日 17:44