明日

byさらまんだー(京都府)



「…もうこんな時間か」
時計と見ると夜の11時を回っていた。
何気なくやってた映画を観てたらつい最後まで観てしまった。
入学式もこの前終わって明日から学校だ。
「そろそろ寝よっかな」
テレビを消すと、明日の用意を始める。




『乾杯!!』
全員の合格が決まり、私たち四人はこなたの家でパーティーを開いた。
みんなが持ち寄ったお菓子の他にお酒も並ぶ。
今日ぐらいはお酒を飲んでもいいだろうと、こなたのお父さんが買ってきてくれたのだ。
『いやーみんな第一志望に受かってよかったね~(≡ω≡.)』
『ほんとだね~。私なんて絶対落ちたと思ってたよ~』
『試験が終わったあと私に泣きながら電話してきたもんね』
『ちょっとお姉ちゃん…恥ずかしいよ~』
『あはは、でも受かったからよかったじゃん』
『まあそうだけど。それにしてもお姉ちゃん京大に受かるなんてすごいね~』
『流石かがみさん、といったところですね』
『いい過ぎよ。みゆきだって東北大の医学部なんてすごいじゃない』
『そうだよ~、黒井先生も褒めてたじゃない』
『いえ、そんな…』
みゆきは顔を赤くしながら謙遜する。
『そこで泉さんの登場ですよ(≡ω≡.)』
『…』
『え…みんな何その沈黙…。さすがに傷つくよそれは…(≡ω≡;)』
『あはははは!』
こなたの乱入でみんな言葉を失ったが、すぐに笑いが起きた。
『いや~前から言ってたけど、私あんたが一番心配だったのよ。』
『ふふふ、私は影で努力する人間なのだよかがみ(≡ω≡.)b』
『どうかしらね。でもあそこから受かるなんてすごいじゃない、ちょっと見直したわ』
『相変わらずかがみのデレは萌えますな~』
『今のどこがデレなのよ!』
『おおっ、ツンキタ--(>ω<.)--!!』
『全くあんたは…』
みゆきとつかさはクスクス笑う。
『さあさあ、私とかがみの夫婦漫才を聞いたところでジャンジャン飲もう!』



明日の用意を終えると、目覚ましをセットして布団にもぐり込む。
何となくケータイを開いてメールを軽く読み返したあと、またすぐに閉じて充電器に差し込んだ。


「ふふ」
その後のことを思い出すと笑みがこぼれた。
あれからつかさはすぐ真っ赤になって何言っても『バルサミコ酢~』だし、
みゆきは泣き上戸らしく、『みなさんに出会えてよかったです』って言って泣き出すし。
こなたは酔うとエロおやじそのものだった。
何が『かがみ~ん、チューしよっか、チュー。』よ。



枕元にあるラノベに手を伸ばして続きを読むが、内容が頭に入らない。



どんなキャンパスライフが待ってるんだろ。
サークルは何に入ろっかな。掛け持ちもいいかもね。
それからバイトもして服買って友達と遊びに行って、余裕があれば海外旅行も行ってみたい。

そして…みんなの前では言わなかったが、恋人もできないかと密かに期待している。
どんな人と出会うんだろう?なんて呼び合うのかな?
デートはどこに行こう。お洒落なお店でゆっくり話をしたり、遊園地ではしゃぐのもいい。
せっかく京都にいるんだし二人でお寺めぐりもしよう。



夢は膨らむばかり。妄想が止まらない自分に時折おかしくなる。



ラノベを枕元に置くと、天井を見上げた。
「あしたは初日だしね、遅刻しないように早く寝とこうっと。」



電気を消すと、もう何も見えない。



「早く明日にならないかなー」
期待に胸を膨らませながらそう呟いた。



充電中で光っていたケータイのランプはいつしか消えていた。




 終

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最終更新:2016年05月24日 23:57
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