「なんとなーく、なんとなぁーく、なんとなぁ~~っく」
森林を歩く小さな影。
その少女は一見にしてとある悪魔の吸血鬼に酷似した姿を取っていた。
「しっ・あっ・わっ・せ~~!」
ただ、細部を観察するとやはりあの吸血鬼とは所々異なっている。
まずその羽が、悪魔の妹のものではなく⑨と覚醒後のトラウマ断末魔に定評のある主催者・マルクのものになっているのだ。
さらにその頭頂部には獣の耳。金髪によく生える、電気鼠のそれがぴょっこり生えているのだった。
それはまさしく彼女の本質を表すもの。
ニコロワの書き手である彼女、半人半獣の技工士・偽フラン◆OZbjG1JuJMは何よりも擬人化を愛する書き手だった。
おまけに生えたピカチュウ尻尾を揺らして◆OZbjG1JuJMこと偽フランはご機嫌だった。
この身体こそ、書き手ロワに出るとしたときに望んでいた姿そのもの。フランの身体に獣……ピカチュウの耳と尻尾、おまけにマルク羽ときた。
もうあたいったらかんぺきね、とでも叫びたくなるぐらいである。
ただ、もちろん身にふりかかるのはラッキーなことだけではなかったことにも気づいていた。
「そういやこれからどっしようかなあ……荷物、萌えもんパッチがなかったんだよね。
……でもこれって書き手が集まってるとしたら人外の望みは薄いのかも……」
誰かを擬人化する手段もなく、そもそも擬人化するべき人外がいるかすら疑わしいフィールドだ。
これが人外で溢れていれば偽フランは彼女(?)らを大事な萌え要素として守るべく奔走したのだろうが……
「……そうだよね、折角フランちゃんの姿なんだもん! ニセにはニセの花道がある!
折角のバトロワだ、そこらじゅうでハデにやったらないと!」
ほとんど短絡的に方針を決定する。つまり自分が楽しければそれでよしなマーダーになることを決意したのだ。
よっしゃーやったるでー……と意気込んだ偽フラン。それにしてもこの吸血鬼(?)、ノリノリである。
「マーダーになったら見敵必殺にすべきかなあ……いや、別にフランちゃんそのものなわけじゃないんだしま、気分次第かな?
それで殺したら荷物を奪……はあっ!!」
ここで偽フランに電流走る――モココの進化系でなく――
慌ててデイパックを漁る。取り出したのは偽起爆リモコン……とりあえずポケットにしまっておけ。今気にしてるのはこれじゃない。
「ktkr!!!」
『これは一体……!?』
手に取った赤い宝玉が喋るのを確認すると偽フランは狂乱した。
人外の要素なら十分あったじゃないか、支給品にッッ!!!
「あ、あとは萌えもんパッチだ! 人外を集めて擬人化の桃源郷を!!!
そしてこの殺しあいを存分に楽しむんだZOY☆」
『な……』
テンションあがりっぱなしの偽フランとは対照的に、突然殺し合いをするなどと言いのけた少女に驚く宝玉……レイジングハート。
どうやらHALに壊される前から来たらしい彼女は何となくデジャヴを覚えていたのだった。
具体的にはこの少女によくにた、これまた殺し合いに乗り気な少女に持たれたことがあったような気がしたとかで。
【1日目・深夜 埼玉 どこかの森】
【◆OZbjG1JuJM 半人半獣の技工士(偽フラン)@ニコロワ】
【状態】健康 テンションあがってきた
【装備】
【持物】支給品一式、偽起爆リモコン@ニコロワβ、レイジングハート@ニコロワ
【思考】
基本:殺し合いをエンジョイする。気分次第で
1:萌えもんパッチを探してレイハさんを擬人化
2:人外支給品を集めて擬人化の桃源郷を
3:見つけた参加者をすぐ襲うかどうかは一応考えてからね
※レイジングハートはHAL厨になる前からの参戦です
※外見はフランの姿にマルクの羽、ピカチュウの耳と尻尾。
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最終更新:2009年04月05日 09:45