問1「人の繋がりとは何か」

その時、一つの物語が終わりを告げた。



「……!」
「コリジョンちゃん?」

コリジョンとやる夫はマスクドハカイダー達との戦闘の影響でプレーンエリアからフォレストエリアへの進路変更を余儀なくされた。
そのままマーダーのいる方向に戻るわけにもいかず、やむなく回り道をして行こうと進路を決定した直後、突然コリジョンはサイクロン号を止める。
不審に思ったやる夫が声をかけるが反応は返ってこない、首を傾げながら顔を覗き込み、その頬に一筋の涙が流れるのを見てしまった。

「ど、どうしたお!?」
「やる夫……? ああ、すまない……なんでもない。大丈夫だ」
「どう見ても平気じゃないお! さっきのレジェンドさんのこと気にしてるのかお……?」

オボロの情報を教えてくれたレジェンドオブw2は先程の戦闘でその命を散らした、加えてその手を下した人物は――びーはちが盾としたせいであるとはいえ――コリジョンと同じロワの書き手であるマスクドハカイダーだ。
その事を気に病んでいるのかと思ったが、首を横に振られる。

「レジェンドに関しては確かに悔む気持ちはあるが、そこで止まってはそれこそ彼女の死は無駄になってしまう、想いは繋ぐ……必ずだ」
「じゃあ、何を……?」
「……姉のいたロワが、完結した」

ぽつり、とこぼれた言葉にやる夫は更に首を傾げる。
書き手がロワに参加させられてるのにロワが更新されていることについて疑問に感じた、というのもあるが、主な疑問点は別のことだ。
多少主観が入るが、大抵のロワ住人はそのスレの企画が完結を目指している、自分たちが築き上げた物語が完成するのだ、これを嬉しく思わない者はいないだろう。
それ故にコリジョンの涙の理由がわからない、感激して涙したというわけではなさそうだ、彼女が悲しんでいるという気持ちだけが伝わってくる。

「えっと……完結って良い事じゃないのかお?」
「それは当然だろう、姉とてそれ自体はとても嬉しい」

だが、と寂しげな表情で言葉を続ける。

「姉は怖いんだ。終わりを告げた物語はいつか皆に忘れられ、そのまま消えてしまうのではないかと……姉と、他の書き手達との繋がりが消えてしまうのではないかと思うと、とても……恐ろしくなる」
「コリジョンちゃん……」

コリジョンが何故ここまで恐怖を抱くのか、やる夫にはわからない。
話が終われば住人達とは分かれる、それは確かだ。
だけど、別のスレで「あの作品の人かよw」「前も見てたぜ!」などと再び再会することは珍しくないし、そういった関係を繋がりが消えているとは思えない。
どうしたものかと辺りに視線を巡らせ、木々の奥に何かをを見つけてそちらへ注意を向ける。

「げぇ!?」
「っ!? ど、どうした、耳元で叫ぶな」

今更ながら耳を塞ぎ、やる夫の視線を追ってそちらへ足を進める。
そして、すぐにその姿を見つけた。

ギャルゲ写本……!」

胸から血を流し、事切れている少女の姿を。

「し、知り合いだったのかお?」
「……会っていたのはほんの十分程度だったがな」

旅の扉を前に出会った、掴みどころのないGR2のトップ書き手。
目の前で半ば洗脳に近い能力を使用した自分へと、何やら厳しい視線を送っていたのを覚えている。

「まったく、殺しても死ななそうな性格をしておきながら……」

ギャルゲ写本との思い出などその程度しかない、仲間だったと言うのも憚られるほどの薄い繋がり。
だからといって何の感傷も抱かないようなコリジョンではない、何か残したものはないか探そうと更に近づく。
そこで死体の傍にある折れた刀身に気づいた、ランブルデトネイターの触媒にできるかと手に取り、折れているというのに不自然なほどの長さによってその正体に気づく。

「物干し竿……ギャルゲ写本を殺したのは貴様か、無常の騎士!」

このロワで最初に出会い、戦った相手。
闇を味方につける相手に劣勢に追い込まれ、イチかバチかの賭けに出る直前にオボロによって助けられたのを思い出し、拳を強く握る。
あの時無常の騎士を倒せていればギャルゲ写本は殺されず、オボロもまた別の出会いをして生き延びたかもしれない。
そんなIF、考えるだけ無駄だというのにどうしても頭を過ぎる。

(姉には誰も救えないのか……? 姉と出会った者は、みんな……)

自責の念に瞳を伏せる。
漂う重い空気にやる夫が戸惑いながらも何とか元気づけなくては、と考えた矢先、近くの茂みをかき分け一人の少女が現れた。

「貴方達、その人と知り合いだったの?」
「……一応はな」

少女、魔王ヴァルハラの問いにコリジョンは小さく答える。
続けてやる夫に視線が向けられ、答えを返そうと口を開く。

「下着マントとはマニアックながらナイスだと思うお(やる夫はこの人と知り合いじゃないお)」
「「………………」」




「で、お前もギャルゲ写本のことを知っているのか」
「開始早々襲いかかったけど、返り討ちにあっちゃった」

ギャルゲ写本の死体に木の葉を被せ、略式の墓を作りながら話す二人へと、「何故か」ボロボロになっているやる夫が疑問の声をあげる。

「襲いかかったって……ま、マーダーなのかお……?」

その問いに頷いて答える。
自分が危険人物であることを隠そうともしないヴァルハラにコリジョンは眉を顰めるが、作業を続けながら無言で先を促す。

「私は帰ってRPGロワを完結させる、みんなと一緒に、その為だったらどんなことだってする!」
「っ……完結、か」

RPGロワという言葉にオボロを思い浮かべ反応しかけるが、伏せて置く。
コリジョン達もオボロのことは人づてに聞いただけだし、その情報の通りでもオボロが無事である可能性は充分あるのだ、不用意な事を告げて刺激する必要はない。

「みんなで帰るには、優勝して願いを叶えてもらうしかない、だから私はマーダーとして戦う……だけど」

言葉が止まり、手を止めて顔を上げる。
ヴァルハラは真っ直ぐコリジョンを見つめていた、その瞳に込められた想いを感じ取り、続く言葉を聞く前に頷いて答える。

「だけど、私はあの子を助けるんだ! だからお願い、力を貸して!」


【一日目 昼/フォレストエリア】

【魔王ヴァルハラ@RPGロワ】
【状態】健康、下着マント
【装備】エクスカリバー@ギャルゲロワ2、王者のマント@動物ロワ、エッチな下着@LSロワ
【道具】支給品一式
【思考】
 0:真紅の悪魔を助け出す。そのために協力してくれる人を集める。
 1:みんなで元の世界に帰ってロワ完結させる為に優勝する。
【備考】
※外見はナナミ@幻想水滸伝Ⅱです。

コリジョン・ナンバーズロボロワ
【装備】サイクロン号@ロボロワ
【所持品】破壊された物干し竿、支給品一式、不明支給品0~1
【状態】左肩に裂傷、ダメージ(中)、処置済み
【思考・行動】
 1.魔王ヴァルハラに協力する
 2.サイレント・スターの運命を繋ぐ
 3.全てのものを繋ぐ
 4.なのはキャラになっている者は――壊す
 5.悪魔のフラグ建築士は確実に破壊する
 6.完結……か
【備考】
 ※外見はチンク@リリカルなのはStS
 ※繋ぐ物の優先順位は命>その他
 ※『破壊』
  触れた相手の心をロボロワのスバルと入れ替える。どのタイミングの心と入れ替えるかは調整が可能。
  放送を迎えるか、一時間経過することで元に戻る。

以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします @やる夫がバトル・ロワイヤルに参加しているようです】
【状態】ダメージ(中)
【装備】無し
【持物】支給品一式、不明支給品0~3
【思考】
1、やらない夫(アルテマウェポン)とアバさんが死んで失意のどん底だお……
【備考】
※外見はやる夫です。


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破壊者たちの集い コリジョン・ナンバーズ [[]]
破壊者たちの集い 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [[]]
ようこそ悪いユメの中 魔王ヴァルハラ [[]]

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最終更新:2010年03月01日 21:34
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