563 名前:妹の面影 ◆QleDgIFrdU[sage] 投稿日:2014/10/03(金) 14:43:30 ID:BBR2SbPo [1/3]
突然ですが、1レス強お借りします。
- エロシチュを思いつけなかったので、事後と前日談の回想を兼ねたものです。
- 主な登場人物は潮と提督。担当海域哨戒中に救助要請を受けた提督の
数奇な運命的な一発ネタを目指しました。
「無理を言ってごめんなさい。最後のお勤めかもしれないと思うと切なくて」
私が情けを与えることで潮の自信に繋がるなら、その程度にしか考えていなかった。
「……私を困らせないでくれ。誰が何と言おうが、今の私には君が最愛の秘書だ。」
「ごめんなさい……ごめん、なさい……」
天涯孤独となった今、私は目覚めぬ妹を想い執務を行なう生ける屍でしかない。
「秘書官の任を解いてくれ、他の適正のある子と交替してくれなんていわないで欲しい。」
「君自身の魂か、艤装に宿る魂かは解らない。私には最も思い入れのある船なんだ。」
妹が目覚めぬからには、私は君と殉職しても良いと煎餅布団の中で告げたとき、
覚悟したように始めた話にゾッとした。私が艤装や魂にかくも惹かれている理由ともいうべき、運命の数奇さに。
ーーあなたの妹であるはずなどないのに、夢の中ではあなたを慕うのです。
目覚めぬままの妹さんのことを想うと、そばにいて良いのかと思ってしまいます。
「潮」を解放すれば、妹が目覚めるかもしれない。妹を求め解放しても、両方失うかもしれない。
命だけは救えた代償と思えば安いものだが、難しい二律背反に苛まれることになった。
救助任務後に一筆書いていて、当時の秘書官に紹介されたのが、潮とのなりそめだった。
哨戒中、同海域で海難事故にあった民間船の情報を入電し、救助船を要請して直行。
小さめの外傷以外ないが、目を覚ます様子はない。
応急処置を済ませ、救助できた子らとともに救護艦に託してすぐ、鎮守府に帰投したのだ。
海難事故に遭って植物状態となった妹と酷似していた彼女は
ただでさえ、私の家系にとって縁のある船、『潮』の艤装に宿る艦娘だった。
取り乱しそうになるのを抑え自己紹介を促すと、「潮」の艤装に宿る艦娘だと告げられたが、
当時はせいぜい他人の空似だと想っていた。
<了>
これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
最終更新:2014年10月11日 20:32