303系電車(-けい でんしゃ)とは、
常磐高速度交通網(JHIS)が保有する電車
概要
主に日光線に投入することを目的として製造された、旧型車の台枠利用による20m車。
仕様など
主要機器
- 主電動機は日立製作所製HS-514-Arbを搭載し、直角カルダン駆動で連続定格出力120kW/750V。
- 主制御器は電圧段に三菱電機製AL系電空単位スイッチ式制御器を採用する。
界磁制御段には界磁接触器に代えて磁気増幅器を使用する直捲他励界磁位相制御を実施する。
- ブレーキは常磐で標準的に使われているAVR動作弁(改良型J動作弁)を使用するAAVR-R常時回制併用直通自動ブレーキを採用する。
- 台車は日立製KH34Aを採用しているが、附随台車は発生品のTR25AまたはTR25をTR25A相当に改造したものが流用された。
- この為、附随台車のブレーキシリンダーは車体下装架だが、最高速度105km/h確保のため前後2基のブレーキシリンダーを装備している。
- パンダグラフにはPS16形またはPS23形ひし形パンタグラフを搭載する。
- サービス電源・励磁用電源は各電動車に75kVAMGを搭載して供給する。
車体
連結面間20.3m、幅2800mmの電車・客車の台枠を流用して製造された、普通鋼製全金属車体を持つ。
- 前面は西武701系類似の、開口部を1つにして中央部を桟で仕切る、所謂湘南形前頭を持つ。
- 前照灯は尾灯とコンビネーション化され、腰部に配置される。
- 前頭部上部に大型の方向幕を備える。
- 客室扉は片側3ケ所、両開き。
客室など
客室は化粧板にはアルミデコラを多用し、床はリノリウム張りを採用している。
- 座席はオールロングシート。
- 窓は上段下降・下段固定式のユニット窓が初めて本格的に採用された。
- サニタリーはTc車・T車の一部に設置された。
- 汚物処理装置は当初粉砕式処理装置が採用されたが、後に焼却処分可能なカセット式浄化装置に改められた。
空調
- 冷房は集約分散型ユニットクーラー(1セット2回路)を3基搭載する。室内には国鉄型または東芝形扇風機3基を併設する。
- 暖房はシーズ線電気暖房を採用する。
運用
当初日光線の冷房化促進のために投入されたが、
8000系の冷房改造と
307系電車の増備の過程で常磐線の運用にも投入された。
日光線での運用は2004年に終了し、現在は常磐線のみで運用が続けられている。
形式
- クモハ303形(Mc、上野向き)
- モハ303形(M)
- サハ302形(T、サニタリー付)
- サハ303形(T、サニタリーなし)
- クハ302形(Tc、サニタリー付)
- クハ303形(Tc、サニタリーなし)
最終更新:2013年03月13日 16:49