14系客車

14系客車(- けい きゃくしゃ)とは、常磐高速度交通網(JHIS)が保有する、動力集中方式用の客車。


概要

元は国鉄で開発・製造された客車。国鉄14系客車

寝台車形式は導入されず、座席車のみの在籍になる。

1984年度に、翌年に開催されるEXPO'85 筑波科学博覧会(国際科学技術博覧会)に向けた波動輸送増強用に導入された。
客車形式が採用されたのは万博開催後、波動輸送用に残っている旧型客車の置き換え用とすることを前提としていたため。
6連×24編成の164両が新製された。

国鉄車との相違点として、発電用ディーゼルエンジンはユニフロースカベンジング式2ストロークエンジンのUD61Hが装備された。また、サニタリーの汚物処理装置は焼却可能なカセット式フィルターを使用するカセット浄化式とされた。

万博終了後の沿革

計画通り、万博開催終了後は旧型客車編成置き換えのため、基本8連×6と附属4連×4に組みなおした。しかし食堂車形式がなかったため、カハシ3800形のみ、14系編成に挿入して運用が続けられたが、電源をスハフ14形から受電し自車電源は下ろしたため、軽量化されマハシ3800形になった。
しかしこの旧形食堂車のため最高速度が95km/hに抑制されたことから、JR九州からオシ14形1両とオシ24形700番台5両を購入し、オシ24形はオシ14形に改造(700番台は元オシ14形のため“復元”)の上、交換した。寝台車形式は存在しないにもかかわらず、編成中に寝台車形式と同じ断面のオシ14形が挿入される凸凹編成になった。

スハ14形(20系併結改造)

残った106両は、まず『ゆうづる』の需給見直しに伴い、1往復を座席車・寝台車おおよそ半々とすることになり、『ゆうづる』用20系と組み合わせて投入されることになった。しかし、スハフ14形が不足気味であることから、かつて国鉄で行われた20系の12系併結改造とは逆に、14系側で20系の電源系から給電を受けることとした。

このためオハ14の一部の床下に20系電源車の単相600Vを三相440Vに変換するMG2基を装備し、同時に上野方の貫通路を20系仕様とし、スハ14形となった。
電源変換能力は150kVA×2で、理論上は10両に給電可能だが、14系の電源引き通し線の容量の問題から自車含め8両までとされた。

このほか、定員を16名減じて仙台・日光方に更衣室を設けた。

『ゆうづる』用のほか、この改正によって捻出された20系寝台車の転用先として『スキーリゾート奥日光』が季節列車として設定されることになり、こちらにも14系座席車を併結する為、6両がスハ14形に改造された。

川内澱橋口快速への転用

さらに残った58両については、当時キハ20系で運転されていた、平~川内澱橋間の快速運用に投入されることになった。これは、1987年の国鉄ダイヤ見直しによる直通貨物列車減便で、余剰となったDF60形ディーゼル機関車の有効活用を意図したもので、基本4連+附属2連とされた。

スハフ14形が不足することから、オハ14形の床下に電源エンジンを搭載し、車端部に車掌室を設置してスハフ14形800番台に改造した。この改造は、オハ14形車端部のサニタリーを撤去して常務員室とし、妻面を切妻のまま固定窓を設けた。電源エンジンはUD31H形による発電能力95kVA×2基とされた。これは、編成中にスハフ14形が1両になる為、DG1基の故障で編成中の全電源が落ちることを防止する為の措置。

一方車内は、デッキ仕切りを撤去、前後車端部4列のリクライニングシートを撤去してロングシートとつり革を設置した。ロングシートに隣接するリクライニングシートは向きをロングシート側に背を向けた形で固定した。

現状

座席車運用の『ゆうづる』3・2号(→現『十和田』3・2号)は後1997年からキハ181系での運行とされ、20系+14系の編成3本が定期運用から外れ、波動輸送・季節列車用になった。

川内澱橋口快速運用の14系は現在も全車が運用を続けている。

SLいばらき線の600系客車の冷房化に際して、給電用にスハフ14形(0番台)が捻出され投入された。



最終更新:2013年10月25日 20:57