魔眼と呼称される異能の中でも最上級のもの。
異能の中の異能、希少品の中の希少品。無機・有機問わず、“物質として存在するもの”を一枚のプリント映像として捉
え、これをねじることで対象の強度規模を問わずに捻り、切断する。
藤乃の両目が光る。
左目は左回転を、右目は右回転を。式の頭と左足
に軸を固定して、一気にねじ切る。
彼女の能力はあくまで対象を視界に収めていなけ
れば回転の軸を作れない。いくら鉄柱の裏に式が潜
んでいると判っていても、式を眼球で捉えられない
のなら回転軸は鉄柱にいってしまうのだ。あの、橋
の上での微か一瞬の交叉で、式は藤乃の能力を看破
した。だから逃げた。自分に勝ち目ができるこの場
所に。
『その存在』の全体像を捉えていないと歪曲させることはできない為、地面や視界に収まりきらない「都市という生き物』
を曲げることはできず、また、歪曲が発動した際、そのエリアから移動すれば被害から逃れることもできるからだ。
宝具のランク | EX |
種別 | 対界宝具 |
レンジ | 1~9999 |
最大捕捉 | - |
宝具による効果 | 千里眼による俯瞰風景から歪曲の魔眼を発動させる |
千里眼を併発したことにより、人間の視界から外れた視界───
神の視点である俯瞰の視点から対象を“視認”し、ねじ曲げる超遠距離物理崩壊。
なるほどな。藤乃の父は感覚を閉じる事で能力を
封じる事にした。必死になって能力者を発現させよ
うとする両儀とはまったく逆の純血家だ。しかし悲
しいかな、そうした事によってよけい藤乃の能力は
強まった。エジプトあたりの魔術師はね、魔力を体
内から逃さないように目を縫いつけるんだ。浅上藤
乃とどこが違う」
「透視能力―――クレアボイアンスか。たしかに彼
女の能力に千里眼が加われば、それは無敵だ。物陰
に隠れても回転軸が作られてしまう。あん――ほ
っとけば、だと?」
*1 FGO マテリアルⅥ P199