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「なんだ、ジルさん運べるんじゃないですかっ!」

てっきり腕力が一番あるマルーが、昨夜は運んだと思いこんでいた。
また面倒な事を押し付けようとして・・と、エルクが口を尖らせる。

「隠してるけどジルさんも男の子ですから。リンさんなんか軽々♪ですよ」
「いえ、全然軽くはないんですが・・てか、隠してませんが」
「ふむ。ジルさんは意外に腕力がある・・と」
「おい、メモるなそこ」

3人が騒いでいても一向に起きる気配のないリンファを囲みつつ、

「大体、俺が昨日運んだんだから、今日はどっちかが
リンファを運んでやってくれてもいいじゃないですかっ!」

ジーベルが抗議すると、心底残念そうな表情でラセツが、

「ジルさんには申し訳ないのですけど、私、本当に腕力ないんですよ・・」

カタールより重い物を持った事がないと言う。続いてエルクも、

「僕だと、背の高いリンさんを運ぶのはちょっと大変なんですよ」

引きずる事になるので遠慮したいと言った。

ラセツの場合。厨房で、物凄く重い中華鍋を軽々振っているのは気のせいだろうか。
エルクの場合。気にするほどの身長差はない筈だが、女性に触れるのが苦手なのだろう。

何を言っても、運ぶのが嫌な二人には言い返されそうだ。
考えると、結局自分が運ぶしかないかなという結論になってしまう。

「あぁ、もう・・」

観念したのか一息吐くと、ジーベルはリンファを抱えあげた。




 
最終更新:2009年01月25日 23:40