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「ジルくん、お兄さんから仲直りに丁度いい物をあげましょう」
「なんで俺が仲直りするのに物まであげなきゃいけないんですか」

胡散臭そうに怪訝な表情で視線を箱から動かさずに、それでも中身が気になるのか
ジーベルが箱を手にとり軽く振ってみる。カサカサと小さな音が聴こえた。

「スラさん、それ中身何が入ってるの??」
「花ですよ?」
「・・・ただの花、ですか」

わりとありきたりな答えが返ってきたので、肩透かしをくらったように眉をひそめて黙る。
渡すかどうかはともかくとして、とりあえずくれるのなら貰っておこうとジーベルが思った時

「私、箱に入ってる花って初めてみるなぁ」

いつもは紙に包んで売ってくれるとマルーが言った。
それを聞いてエルクも言う。

「箱に入ってるって、よっぽど高級な花とか?」
「普通の花ですよ?」
「でも、プロの花屋さんで買ったとき箱に入れてもらったことないよ?」
「モロクみたいに暑い地域だとすぐ枯れるから、花を贈るときには
 こうして箱に入れたままなんですよ?」
「え? そんな話初めてききますよ俺」
「本当ですよ?」


笑顔を貼り付けたまま返されたが、なんとなくみんな止まって押し黙る。
無言のままジーベルが箱を開けてみると、中には見事な真紅のバラが一輪あった。


 
最終更新:2009年05月29日 21:30