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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある宣伝の超電磁砲/Part04 - (2010/05/06 (木) 13:23:55) の1つ前との変更点

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---- #navi(上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある宣伝の超電磁砲) 「まったく、何なんですの…」    空は真っ赤な夕焼けに染まり、伸びた影の先、少女は一人帰路についていた。 別撮りの収録が長引いた為、この時間まで拘束されていたのだ。心なしかその足取りは重く、沈んでいるように見える。  それもそのはず、撮影が長引いた事で、愛しのお姉さまと合流しそびれ、しかも居場所を掴もうとラブコールを送るも 全く応答なし…踏んだり蹴ったりとはこのことだ。 「今日こそは…今日こそは!お姉さまと親睦(愛)を深めようと思っておりましたのにぃぃぃー!」    うがぁーと頭をかきむしり叫ぶ。欲望がだだ漏れなのはご愛嬌。 ねぇ、ママあの人どうしたの?しっ、見ちゃダメよと周りにどう思われようが知ったこっちゃない。 愛しのお姉さま――御坂美琴を愛し求めてやまない少女、白井黒子であった。 ――そう、だから、向こうから猛然と走り迫ってくる人はお姉さまだと見間違うはずがなかった。 黒子の脳内ビジョンは、走り迫ってくるお姉さまが…   おっ、お姉さまがわたくしに向かってきて下さっている、ほぉっねえさばがわたくしを『求めて』向かってきて下さっている! と映り、今日の仕打ちは、この瞬間のための、神様のささやかな悪戯だったのだと解釈した。 「今、参りますのお姉さまっ!くっ黒子は、黒子はこの時を待っておりましたの!」     今までの苦労(アピール)が報われたのだと確信し、そして愛しのお姉さまに向かって手を伸ばす。 「お・ね・え・さ・まーーーーーーーーーー!」  予期した瞬間は来ず、一陣の風が黒子の横を駆け抜けた。 伸ばした手は、空を切り、何もつかめないまま。ここはあれがこうなって、これがああなってお姉さま と結ばれると考えていただけに、あれ?と黒子は一瞬呆けたように、走り去っていくお姉さまを見つめる。 「お姉さま?」  はっとして、お姉さまを追いかけなければと黒子は結論を出す。 先ほどの瞬間を脳内リピートした結果、様子がおかしい事に気付いたのだ。 真っ赤に上気し、何やら悲しそうな表情、涙目だったこと、お姉さまに何があったのか確かめなければならない。 「ど、どうなさったんですのー?!お姉さま~!」  黒子は、慌てて追いかける。 愛しのお姉さまを傷つけたのはどこのどいつだと心に宿して。  徐々に夜へと移り変わる頃、ようやく黒子は追いついた。 とある公園に入っていくのを見掛け、そこで立ちつくしているお姉さまを発見、現在に至る。 「「…………」」 「お姉さま…どうかなさいましたか?」  慎重に言葉を選び、声を掛ける。 「なっ、なんでもない…」  その表情は、辛そうに歪んでいて、今にも泣き出しそうにも見える。 「お姉さま、そのようなお顔でなんでもないと仰られても、黒子は誤魔化されませんですのよ?」  はぁ、とため息をつく。 「わたくしは、お姉さまのお役に立ちたいのですの」  ですから、相談して下さいましと告げた。 「そっか…ありがとう、黒子」  と微笑むその顔にお姉さまーと抱きつきそうになるがここは我慢、話を聞くことに専念した。  上条当麻の事を好きだと気付いたのは今日、きっかけは佐天さんと初春さんの一言。 二人が話を聞いてくれたから、気持ちの正体を知る事が出来た。その後、寄ったファミレスで偶然出会った。 けれど、一人ではなくインデックスと二人。乙女の戦い、それから紆余曲折を経て最終的に好きだと叫んで 恥ずかしくて逃げてきてしまったと。 「――お姉さまらしいというか…」  何ともまぁ…と事の顛末を聞いて半端呆れつつもどうしたものかと思案する。 それにしても…佐天さんと初春は余計な事をしてくれたと、不穏な考えも横切るがそれはおくびにも出さない。 「わっ悪かったわねぇ…」  その時の光景を思い出したのか顔を赤くし俯く。 はぁ、と二度目のため息をつくと黒子はまず確認しないといけない絶対事項を聞くことにする。 「お姉さま、これからどういたしますの?」 「えっ、なにを?」 「…お姉さまは上条様に『告白』なさったのでしょう?」 「こっこここ告白・・!?」  ますます顔を赤くし、ど、どうしようと視線は宙を彷徨う。 ですから、と黒子は一呼吸置き、言い放った。 「上条様から、お返事を頂きませんことには!」  話は何も進みませんのよ、お姉さまと告げる。 甚だ不本意で仕方がないが、このままではお姉さまの為にもならない。 「へ、返事は聞きたくないっていうか…聞けない」 「お姉さま、何を仰ってますの…」    意外な言葉に戸惑う。 「だ、だって…あんな言い方しちゃったのよ…うぅ」  しかも逃げてきちゃったし、もうどう顔を合わせていいか分からないのと。 はぁ、と黒子は三度目になるため息をつく、でもここは言わなければならない。 「では、お姉さまのお気持ちは、その程度のものだったと?」 「…そ、そんなわけないじゃない!」 「そんな心外だなんて顔しないで下さいまし、わたくしもこのような事を言うのは心苦しいですの」 「ご、ごめん…そのもしも、もしもだよ?聞いたとして、好きじゃないって言われたら…そう考えるだけで」  人を好きなるってこういうことだったんだと俯いて呟くその姿に、ズキっと黒子の心も痛む。 それだけ上条当麻の事を思う証拠であり、そしてそれは決してこちらに向けてもらえない思い。 「お姉さまは、傷つく事を恐れているのですね…ですがわたくし敢えて言わせて頂きますの。 このまま逃げるおつもりですの?ご自身のお気持ちから、なによりお姉さまが思いを寄せる 上条当麻という殿方から!…わたくしの大好きなお姉さまはっ、どこにいきましたの!」    複雑な思いで、黒子は大好きなお姉さまに向けて背中を一押しする言葉を投げかけた。 「!」  はっとしたように顔上げ、ああそっかと呟いたのが聞こえた。  「私、この気持ちは確かなものなのに…臆病になって、傷つくのが怖くて逃げようとしてたんだ  …あーもうほんっと私らしくないよね、いつも前を向いてるのに、そんな大切な事も忘れてた」 「…………、」 「気付かせてくれて…ありがとう、黒子」  私はもう大丈夫よと、笑う。 「それでこそ、わたくしの大好きなお姉さまですわ」  と、黒子はつられて笑った。  ちゃんと笑えてるだろうか、気付かれたくない、ちょっぴり涙が出たなんて。    それでは、お姉さまは先に行って下さいまし、上条様を呼んできますと告げ、とあるファミレスへ向かう。 愛しのお姉さまの為とはいえ複雑な乙女の心情、このやるせなさをあの猿人類にぶつける事は既に決まっていた。 ―――っちぇいさーー!!    大気を震わす、少女の叫び声。 常盤台中学内伝おばーちゃん式、ナナメ四十五度からの打撃による故障機械再生法が、とある自販機に炸裂する。 いつもなら、ガタゴトと落下する音が響いて缶ジュースが出るはずなのだが、出てきたのはヒラリと紙切れ一枚。 「ん、何よこれ?」  予想外なものに驚くが、とりあえず何が書いてあるのか気になるので拾う。 「宣伝せよ?」  げっ、もしかして、アレをやらなきゃいけないの…と一つの可能性に思い至る。 えぇー今ここでないとダメなの?とか色々頭にぐるぐるよぎるが、一人でやらなきゃいけないってどういうことよ。  (やるしかないのか…ええい、女は度胸よ!) 「み、みんなお待たせにゃん、とある科学の超電磁砲<レールガン>第4巻は4月28日、DVD&ブルーレイで発売にゃん」    (誰も見ていないといえ恥ずかしすぎるわよ これ…) 「しょ、初回限定版は、豪華特典付だにゃん!」    (あ、あとは…) 「発売まであと4日だにゃん!」   「なっ何やってんだ、ビリビリ…」 「…………見たわね?」  (うそ……見られた?!しかもよりにもよって…) 「上条さんは何も見てませんことよ!ええ、語尾ににゃんつけてるのが可愛いくて不覚にもトキめいたりなんて思ってませんから!」 「えっ?かっ可愛い…可愛いって私のこと!?ふにゃぁ~」 つづく! ---- #navi(上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある宣伝の超電磁砲)
---- #navi(上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある宣伝の超電磁砲) 「まったく、何なんですの…」    空は真っ赤な夕焼けに染まり、伸びた影の先、少女は一人帰路についていた。 別撮りの収録が長引いた為、この時間まで拘束されていたのだ。心なしかその足取りは重く、沈んでいるように見える。  それもそのはず、撮影が長引いた事で、愛しのお姉さまと合流しそびれ、しかも居場所を掴もうとラブコールを送るも 全く応答なし…踏んだり蹴ったりとはこのことだ。 「今日こそは…今日こそは!お姉さまと親睦(愛)を深めようと思っておりましたのにぃぃぃー!」    うがぁーと頭をかきむしり叫ぶ。欲望がだだ漏れなのはご愛嬌。 ねぇ、ママあの人どうしたの?しっ、見ちゃダメよと周りにどう思われようが知ったこっちゃない。 愛しのお姉さま――御坂美琴を愛し求めてやまない少女、白井黒子であった。 ――そう、だから、向こうから猛然と走り迫ってくる人はお姉さまだと見間違うはずがなかった。 黒子の脳内ビジョンは、走り迫ってくるお姉さまが…   おっ、お姉さまがわたくしに向かってきて下さっている、ほぉっねえさばがわたくしを『求めて』向かってきて下さっている! と映り、今日の仕打ちは、この瞬間のための、神様のささやかな悪戯だったのだと解釈した。 「今、参りますのお姉さまっ!くっ黒子は、黒子はこの時を待っておりましたの!」     今までの苦労(アピール)が報われたのだと確信し、そして愛しのお姉さまに向かって手を伸ばす。 「お・ね・え・さ・まーーーーーーーーーー!」  予期した瞬間は来ず、一陣の風が黒子の横を駆け抜けた。 伸ばした手は、空を切り、何もつかめないまま。ここはあれがこうなって、これがああなってお姉さま と結ばれると考えていただけに、あれ?と黒子は一瞬呆けたように、走り去っていくお姉さまを見つめる。 「お姉さま?」  はっとして、お姉さまを追いかけなければと黒子は結論を出す。 先ほどの瞬間を脳内リピートした結果、様子がおかしい事に気付いたのだ。 真っ赤に上気し、何やら悲しそうな表情、涙目だったこと、お姉さまに何があったのか確かめなければならない。 「ど、どうなさったんですのー?!お姉さま~!」  黒子は、慌てて追いかける。 愛しのお姉さまを傷つけたのはどこのどいつだと心に宿して。  徐々に夜へと移り変わる頃、ようやく黒子は追いついた。 とある公園に入っていくのを見掛け、そこで立ちつくしているお姉さまを発見、現在に至る。 「「…………」」 「お姉さま…どうかなさいましたか?」  慎重に言葉を選び、声を掛ける。 「なっ、なんでもない…」  その表情は、辛そうに歪んでいて、今にも泣き出しそうにも見える。 「お姉さま、そのようなお顔でなんでもないと仰られても、黒子は誤魔化されませんですのよ?」  はぁ、とため息をつく。 「わたくしは、お姉さまのお役に立ちたいのですの」  ですから、相談して下さいましと告げた。 「そっか…ありがとう、黒子」  と微笑むその顔にお姉さまーと抱きつきそうになるがここは我慢、話を聞くことに専念した。  上条当麻の事を好きだと気付いたのは今日、きっかけは佐天さんと初春さんの一言。 二人が話を聞いてくれたから、気持ちの正体を知る事が出来た。その後、寄ったファミレスで偶然出会った。 けれど、一人ではなくインデックスと二人。乙女の戦い、それから紆余曲折を経て最終的に好きだと叫んで 恥ずかしくて逃げてきてしまったと。 「――お姉さまらしいというか…」  何ともまぁ…と事の顛末を聞いて半端呆れつつもどうしたものかと思案する。 それにしても…佐天さんと初春は余計な事をしてくれたと、不穏な考えも横切るがそれはおくびにも出さない。 「わっ悪かったわねぇ…」  その時の光景を思い出したのか顔を赤くし俯く。 はぁ、と二度目のため息をつくと黒子はまず確認しないといけない絶対事項を聞くことにする。 「お姉さま、これからどういたしますの?」 「えっ、なにを?」 「…お姉さまは上条様に『告白』なさったのでしょう?」 「こっこここ告白・・!?」  ますます顔を赤くし、ど、どうしようと視線は宙を彷徨う。 ですから、と黒子は一呼吸置き、言い放った。 「上条様から、お返事を頂きませんことには!」  話は何も進みませんのよ、お姉さまと告げる。 甚だ不本意で仕方がないが、このままではお姉さまの為にもならない。 「へ、返事は聞きたくないっていうか…聞けない」 「お姉さま、何を仰ってますの…」    意外な言葉に戸惑う。 「だ、だって…あんな言い方しちゃったのよ…うぅ」  しかも逃げてきちゃったし、もうどう顔を合わせていいか分からないのと。 はぁ、と黒子は三度目になるため息をつく、でもここは言わなければならない。 「では、お姉さまのお気持ちは、その程度のものだったと?」 「…そ、そんなわけないじゃない!」 「そんな心外だなんて顔しないで下さいまし、わたくしもこのような事を言うのは心苦しいですの」 「ご、ごめん…そのもしも、もしもだよ?聞いたとして、好きじゃないって言われたら…そう考えるだけで」  人を好きなるってこういうことだったんだと俯いて呟くその姿に、ズキっと黒子の心も痛む。 それだけ上条当麻の事を思う証拠であり、そしてそれは決してこちらに向けてもらえない思い。 「お姉さまは、傷つく事を恐れているのですね…ですがわたくし敢えて言わせて頂きますの。 このまま逃げるおつもりですの?ご自身のお気持ちから、なによりお姉さまが思いを寄せる 上条当麻という殿方から!…わたくしの大好きなお姉さまはっ、どこにいきましたの!」    複雑な思いで、黒子は大好きなお姉さまに向けて背中を一押しする言葉を投げかけた。 「!」  はっとしたように顔上げ、ああそっかと呟いたのが聞こえた。  「私、この気持ちは確かなものなのに…臆病になって、傷つくのが怖くて逃げようとしてたんだ  …あーもうほんっと私らしくないよね、いつも前を向いてるのに、そんな大切な事も忘れてた」 「…………、」 「気付かせてくれて…ありがとう、黒子」  私はもう大丈夫よと、笑う。 「それでこそ、わたくしの大好きなお姉さまですわ」  と、黒子はつられて笑った。  ちゃんと笑えてるだろうか、気付かれたくない、ちょっぴり涙が出たなんて。    それでは、お姉さまは先に行って下さいまし、上条様を呼んできますと告げ、とあるファミレスへ向かう。 愛しのお姉さまの為とはいえ複雑な乙女の心情、このやるせなさをあの類人猿にぶつける事は既に決まっていた。 ―――っちぇいさーー!!    大気を震わす、少女の叫び声。 常盤台中学内伝おばーちゃん式、ナナメ四十五度からの打撃による故障機械再生法が、とある自販機に炸裂する。 いつもなら、ガタゴトと落下する音が響いて缶ジュースが出るはずなのだが、出てきたのはヒラリと紙切れ一枚。 「ん、何よこれ?」  予想外なものに驚くが、とりあえず何が書いてあるのか気になるので拾う。 「宣伝せよ?」  げっ、もしかして、アレをやらなきゃいけないの…と一つの可能性に思い至る。 えぇー今ここでないとダメなの?とか色々頭にぐるぐるよぎるが、一人でやらなきゃいけないってどういうことよ。  (やるしかないのか…ええい、女は度胸よ!) 「み、みんなお待たせにゃん、とある科学の超電磁砲<レールガン>第4巻は4月28日、DVD&ブルーレイで発売にゃん」    (誰も見ていないといえ恥ずかしすぎるわよ これ…) 「しょ、初回限定版は、豪華特典付だにゃん!」    (あ、あとは…) 「発売まであと4日だにゃん!」   「なっ何やってんだ、ビリビリ…」 「…………見たわね?」  (うそ……見られた?!しかもよりにもよって…) 「上条さんは何も見てませんことよ!ええ、語尾ににゃんつけてるのが可愛いくて不覚にもトキめいたりなんて思ってませんから!」 「えっ?かっ可愛い…可愛いって私のこと!?ふにゃぁ~」 つづく! ---- #navi(上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある宣伝の超電磁砲)

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