「上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/12スレ目短編/613」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/12スレ目短編/613 - (2010/09/23 (木) 15:13:45) の最新版との変更点

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*尋問の末に #asciiart(){{{ とある公園にて 「…好き。…嫌い。…好き。…嫌い。………もう一回ですの」 一人の少女が花占いを行っていたが、何度やってもうまくいかず、再度占おうと花に手をかけようと手を伸ばした時、 もう一人の少女が目に涙を浮かべながら 「白井さん。お願いですから私の髪飾りで占うのはやめてください」 「初春。これはわたくしとお姉さまの未来を担う大事な占いですの」 そんな黒子の言葉を聞き、初春は髪飾りを手で隠しながら逃げ出したが、 テレポーターでもある黒子に逃げる先で背後を取られてしまいそのたびに一つ、また一つと髪飾りの花を取られるのであった。 そしてそんなやり取りを数回繰り返しつつも黒子の占いの結果はうまくいかず、また一つ花がとられそうになり必死で逃げる初春に黒子がテレポートで後ろを取ろうとしたとき、 「あれ?取られていない」 髪飾りが無事なことに初春は不思議に思い、後ろを振り返ると黒子に一人の少年がつかまっていた。 「白井。お前さっきから見ていたけど嫌がるお友達の髪飾りをむしりとるのはあまりよろしく思わないと、上条さんは思うのですが」 「類人…もとい上条さん。邪魔はしないでくださいですの。これは私の未来にかかわることですので」 「お前。さりげなく俺のこと類人猿とか言わなかったか?まあそれよりあの女の子の髪飾りがお前の未来にどうかかわってくるんだよ」 「そ…それは、上条さんには関係のないことですの」 そう言って黒子は再度テレポートを試みたが上条に腕を捕まれていて動けずにいたところで、 上条はそっと初春のほうを向き(今のうちに逃げなさい)と合図を送った。 そんな上条の合図を読み取ってか、初春は上条にペコリと頭を下げて逃げるように公園から出て行き、 初春が見えない所まで逃げたことを確認するなり上条は黒子の手を離した瞬間、能力を開放された黒子は黒い憎悪に満ちた顔で 「この類人猿。覚悟はよろしいですの……」 そう言うなり上条の後頭部にドロップキックを食らわせ帰ってしまった。 「痛たたた。まったく白井の奴…」 そう言って後頭部をさすりながら上条が立ち上がると、逃がしたはずの初春が心配そうに上条を見つめていた。 「あれっ?さっき逃げたんじゃ」 「あっ。一度公園の外まで逃げたんですけどちょっと心配になって戻ってきちゃいました。それより大丈夫ですか?」 心配そうに見つめる初春に、上条はいつものごとく 「大丈夫ですよ。この不幸の星の下に生まれた上条さんにとって白井のキックの一つや二つぐらいではどうってことはありませんから」 自分が言っていることに少し悲しくなり涙が出そうになったが心配させないように、気丈に振舞った。 「そうですか。あっそれよりも先程はありがとうございました。私の名前は初春飾利、柵川中学一年です」 「あっご丁寧に。俺は上条当麻。よろしくな」 そんなこんなで自己紹介も済ませ、初春を助けたことで満足した上条は帰ろうとしたところで、初春に腕をつかまれ 「あれっ?初春さん」 なぜ腕をつかまれているか理解できない上条は初春を見ると。 真剣な眼差しの初春がそこにいた。 初春は、上条の安否を確認してお礼を言って終わりにしようと思っていたが、ジャッジメント故かこの上条には何か重大な秘密があると感じ取り 「上条さん。もしお時間があればお話を聞きたいことがあるんですけど」 そう言って上条を近くの喫茶店へ連れ込んだ。 喫茶店に着くなり初春は 「上条さん。白井さんのことを知っていたようですが。どうやって知り合ったのですか?」 「どうやって知り合ったのか?確か夏休みのときビリビリと話しているときに知り合ったのが最初かな?」 「ビリビリって?」 「あー。ごめんな御坂美琴のことだよ白井と同じ中学の」 「!?!?!?!?」 初春は驚いた。上条のビリビリ発言に、初春も美琴とは、春からの付き合いだが後にも先にも美琴にビリビリ発言をしたのは上条一人であることに。 「上条さん。すみませんちょっといいですか?」 そう言っておもむろに携帯を取り出しある人物へ電話をかけ始めた。 「どうしたの?初春」 「佐天さん。大変です至急来てください」 「えっ?どうしたの?初春。そんなに慌てて」 「理由は後で話します。今から地図を送りますのですぐに来てください」 「えっ…?わかった」 初春は今いる喫茶店の地図をメールを送るなり、再度上条を見つめ 「ごめんなさい。取り乱してしまって。今からお友達がもう一人来ますがいいですか?」 許可を取る前に呼び出しているじゃないですか?とツッコミを入れたい上条であったが 「大丈夫だけど。なんか俺へんな事言ったか?」 自分が言ったことの重大さに気がつかない上条は何気なく聞いた時、店に汗だくの少女が現れた。 「あっ佐天さん。こっちです」 「初春。大丈夫なにがあったの」 事情を聞かされないまま呼び出され何か事件かと思い急いで向かった先には、呼び出した当人が見知らぬツンツン頭の高校生とお茶していることに 安堵とともに少し疑問を残しつつ 「初春。大変な事って?それとこの人は?」 そう言って佐天は、上条を見つめると初春が 「あっ上条さん紹介します。私と同じ中学でクラスメイトの佐天さんです」 いきなりの紹介に上条も 「はじめまして。上条当麻といいます。それより初春さん。わたくし上条当麻がいったいこれから何をされるのでしょうか?」 「そうよ。何があって急に呼び出したの?」 初春は自慢するかのように上条に手を向けて 「この上条さんは、御坂さんをビリビリとあだ名で呼び、白井さんを押さえつけるほどの力を持った高校生なのです」 「なっ………なんだってー!」 そんな叫びとともに、佐天は上条の顔を見るなり 「御坂さんと白井さんに対して、そんなことを出来るのは常盤台の寮の寮監さん以外にいるとは思わなかった」 「そうなんです佐天さん。もしかしたら上条さんは私たちが知らない白井さんたちの秘密を知っているかもしれないですよ」 「初春……それって白井さんの弱みを握るために私を呼び出したの」 「へっ……そんなことは少しはありますがそういう意味で呼び出したわけではないですよ」 そんな二人のやり取りを見つつ上条は心の中で(不幸だ…)と呟きつつ 「二人とも、別に俺はビリビリや白井の弱みを握っているわけでもなく、会ったら話すくらいの間柄だけなんだぞ」 二人に本当のことを話すと美琴や黒子に迷惑がかかると思い話をぼかすように言ってみたが、 そんな上条の言葉に二人は耳を傾けず 「もしかして白井さんがよく呪うかのように呟く類人猿って上条さんのことじゃないですか?」 「えっ?それって寮の前で逢引とか大覇星祭の借り物競争のラブドリンクとか?」 「あの…お二人さん上条さんの話はスルーですか?」 話の主役でもある上条を放っておいて、二人は妄想トークで盛り上がり置いてけぼりになった上条は美琴に助けを呼ぼうと おもむろに携帯を取り出しメールを打ち込み始めると 「ていっ」 「おわっ佐天さん」 いつの間にか隣に座っていた佐天に携帯を奪われてしまい、取り返そうと手を伸ばすと佐天はにまーっと黒い笑顔になり 携帯を胸元に隠してしまった。 「佐天さん。それはちょっとひどいですよ」 「うんにゃ初春。上条さんさっき御坂さんに助けを呼ぼうとメールしていたのを私見たんだけど」 「けど?」 「上条さん。この携帯ストラップ御坂さんとお揃いですよね。このストラップの真相も教えてほしいですよね」 佐天の質問に、はぁーっとため息をつくとともに上条はストラップを手に入れたいきさつを話したが、その話を聞くなり二人は 「これって、御坂さんが上条さんに…」 「もしそれが本当なら、御坂さんかわいそうかも」 「ねえ初春。今から御坂さんを呼んでコノストラップの真相を聞いてみない」 「あーっ!それっていいかもしれないですね」 そう言って佐天は胸元から携帯を取り出して上条に返すなり 「上条さん。さっきはすみませんでした。では続きを打ち込んで御坂さんを呼び出してください」 胸元に隠してあったせいで少しぬくもりがある携帯に多少戸惑いがありつつも上条はメールで美琴を助けを求めるべく呼び出した。 そんなメールに集中している上条に聞こえないように二人は 「当初の趣旨とは違いますが、面白くなってきたね」 「でもどうやって真相を聞き出すのです?」 「それはね……」 そんなこんなで十数分がたったころ喫茶店に顔が赤いのか青いのかよくわからない顔をした美琴が現れた。 軽く汗をかき息が切れつつある美琴を二人は上条の隣に座らせて 「御坂さん。この上条さんとはどういったご関係なんですか?」 直球な質問をいきなり佐天はぶつけてきたが、上条からのメールで 「初春さんと佐天さんに俺とお前のことを聞きだされて困っている助けてくれ」 と内容を聞かされていた美琴は 「あーコイツね。ただの友達っていうか宿敵?」 宿敵という言葉を聞いて「どうして?」と思いつつ、佐天は、何故宿敵なんですか?と聞いてみたら、 美琴から上条に能力が効かないうえに手も足も出ないから始まり不平不満を散々聞かされた。 そんな美琴の不平不満を聞き小さくなる上条に、言いたいことが言えてすっきりした美琴に 「じゃあ。なんで御坂さんは、そんな上条さんに大覇星祭の借り物競争といい、携帯のペア契約とかしたんですか?」 うまく誤魔化せたと思ったところでダークホースである初春からの質問で美琴は顔を赤くしつつも 「大覇星祭の時はたまたまこいつを見かけたから連れて行っただけだし、ストラップはただ単にゲコ太ストラップが欲しかっただけで」 慌てつつもそれらしい理由を言ってみたが、いきなり上条が横から 「そういえば前に聞きそびれたけど、その借り物競争のでよく俺が第一競技に参加しているって知っていたよな」 「ッガ……」 こうして美琴が必死に誤魔化しても空気を読まない上条の一言で壊されてしまい美琴は固まる、そんなやり取りを数回見て、 二人は美琴は上条に惚れているが疑問から確信へと変わった。 修復不可能な状態になりつつも、話をそらすべく美琴は二人になんで上条と知り合ったのかを問い始めると 初春が白井から逃げているところに上条が現れ助けてくれた話をして、美琴はふーん。とうなずきながらも またコイツの悪い癖が出て知り合ったのか。と考えていたところに 「実は友達だから気がついちゃったんですが」 いきなり佐天が横から割り込むように話しかけ、 どうしたの?と全員から注目を浴びると 「実は初春。上条さんの事。好きになっちゃったみたいなんですよね」 「おがっ!…」 「ぬっへえ!」 「へっ…?」 佐天の言葉に上条、美琴は絶句して固まり、初春にいたっては顔を赤くして縮こまってしまった。 「佐天さん。いきなりなんですか佐天さん」 焦る初春に佐天はそっと耳元で、 「御坂さん見て、私の一言で顔がさっきまで赤かったのみ今は青くなっている」 「あっ本当だ」 「だから話し合わせていて」 あまりの動揺に言葉を失っている上条を見つつ美琴は 「う…初春さん。本当にコイツに助けてもらった時に、フ…フラグが立っちゃったわけ?」 「フラグですか…あの時に立ったわけじゃないですけど」 「じゃあなんで?」 恐る恐る真相を確かめようとしたら 「だって上条さん。御坂さんが手も足も出ないくらい強いのに偉ぶっていないし」 「そっ…それで……」 「優しい人じゃないですか。御坂さんや白井さんに攻撃されていてもお友達でいるって事は」 嘘とはいえあまりに堂々と上条のいいところを話す初春に佐天は目を大きく見開き驚き、上条には自分の事をここまで評価してくれる人がこの世にいたのか と目に涙を浮かべて感動していた。 そんな二人を見て窮地に立たされた美琴は 「まずい…まずい…まずい」 と焦りつつも初春の言葉でフラグが立ちつつある上条をどうしようかと思ったときに 「でも私は、上条さんと今日知り合ったばかりですし、好きになったのはついさっきです」 「えっ?」 あまりにも好きという言葉を簡単に出した初春に驚く佐天は、何もいえずただ初春を見つめるだけであった。 そんな佐天を知ってか知らずか、初春は続けてこう話した。 「今日。上条さんの事を好きになった私が上条さんに告白するには、まず私よりずっと前に上条さんの事を好きになっていた御坂さんにお話したいことがあります」 「初春……」 「えっ?初春さん」 「御坂が俺の事?」 初春から美琴は上条の事を好きになっていると聞かされ、驚いた上条は美琴を見るとこれでもかってくらいに赤く震えた美琴がそこにいた。 沈黙に似た静寂が数秒続いた後、初春は美琴に 「御坂さん。もしここで上条さんに今の気持ちを伝えなければ私が先に上条さんに告白します」 「えっ…?私が今ここで」 「もし御坂さんが何もいえずこのまま私が上条さんに告白して」 目に涙を浮かべて初春は息を呑みこみ 「優しい上条さんならありえませんけど、もし私が振られてしまっても、上条さんみたいなこんなすごい人、ほかの誰かに奪われてしまいますよ」 そう言って目に涙を浮かべつつも強い眼光で美琴を見つめだした。 「初春…」 はじめは冗談のつもりで口に出したことであったが、初春の言葉一つ一つに強い気持ちがこめられ佐天は何も言えず傍観者となっていた。 そんな初春の強い視線を受け美琴は 「初春さんごめんね」 そう一言告げるなり上条に向き合い 「アンタに言うことがある。初春さんの言うとおり私……アンタの事が好きなんだ恋人になって欲しいのだけど」 覚悟をきめて告白した瞬間 「やったーうまくいきましたよ佐天さん。御坂さんが上条さんに告白しましたよ」 そう言って隣にいる佐天に抱きついていった。 「へっ?初春さん?」 「………?」 「どういうことなの?初春」 そんな驚く三人に初春は 「実は今までの事は全部お芝居なんですよ。御坂さんを告白させる為に」 「え…あ…う…」 初春たちに、騙されそして告白してしまった事に気がつき美琴は顔を赤くして小さくなってしまったが 「じゃあ上条さん。御坂さんの告白の返事は?」 初春の言葉に小さくなっていた美琴が急に顔を上条に向け見つめ始めた。 「ここまで後輩たちにやられてここで返事をしないのは上条さん的にまずいと思うので」 そう言うなり上条は美琴を見つめ 「よろしくな。御坂」 上条からの一言で初春と佐天は歓声を上げ恋が実ったことに美琴は目に涙を浮かべ 「ありがとう…みんなありがとう」 そう呟くことしか出来なかったのであった。 「じゃあ。さっそくですがカップル誕生したところで邪魔者は消えましょうか。行きますよ佐天さん」 「えっ…初春」 「じゃあここのお代は協力費として奢ってくださいね」 そう言って二人を残し初春たちは、店の外へ出て行った。 店に残された形になった上条と美琴は 「お前……。いい友達を持っているな」 「本当ね。後で御礼もしなくちゃね」 二人は気づいていた、初春がカップル誕生を見届けた後、急ぐように店から出て行く理由を 喫茶店から出て数分後 「初春ここなら周りにいないから大丈夫だよ」 佐天は親友である初春の気持ちを知ってかやさしく声をかけた。 「ざ……ざてんさん。私は嬉しくて泣いているんですよ」 「そうだね。初春はよくやったよ」 そう言って佐天は初春の頭を胸元へ抱きしめた。 佐天の優しさに包まれつつ初春はこれでもかと言う位に泣き続けた。 }}} #back(hr,left,text=Back)
*尋問の末に #asciiart(){{{ とある公園にて 「…好き。…嫌い。…好き。…嫌い。………もう一回ですの」 一人の少女が花占いを行っていたが、何度やってもうまくいかず、再度占おうと花に手をかけようと手を伸ばした時、 もう一人の少女が目に涙を浮かべながら 「白井さん。お願いですから私の髪飾りで占うのはやめてください」 「初春。これはわたくしとお姉さまの未来を担う大事な占いですの」 そんな黒子の言葉を聞き、初春は髪飾りを手で隠しながら逃げ出したが、 テレポーターでもある黒子に逃げる先で背後を取られてしまいそのたびに一つ、また一つと髪飾りの花を取られるのであった。 そしてそんなやり取りを数回繰り返しつつも黒子の占いの結果はうまくいかず、また一つ花がとられそうになり必死で逃げる初春に黒子がテレポートで後ろを取ろうとしたとき、 「あれ?取られていない」 髪飾りが無事なことに初春は不思議に思い、後ろを振り返ると黒子に一人の少年がつかまっていた。 「白井。お前さっきから見ていたけど嫌がるお友達の髪飾りをむしりとるのはあまりよろしく思わないと、上条さんは思うのですが」 「類人…もとい上条さん。邪魔はしないでくださいですの。これは私の未来にかかわることですので」 「お前。さりげなく俺のこと類人猿とか言わなかったか?まあそれよりあの女の子の髪飾りがお前の未来にどうかかわってくるんだよ」 「そ…それは、上条さんには関係のないことですの」 そう言って黒子は再度テレポートを試みたが上条に腕を捕まれていて動けずにいたところで、 上条はそっと初春のほうを向き(今のうちに逃げなさい)と合図を送った。 そんな上条の合図を読み取ってか、初春は上条にペコリと頭を下げて逃げるように公園から出て行き、 初春が見えない所まで逃げたことを確認するなり上条は黒子の手を離した瞬間、能力を開放された黒子は黒い憎悪に満ちた顔で 「この類人猿。覚悟はよろしいですの……」 そう言うなり上条の後頭部にドロップキックを食らわせ帰ってしまった。 「痛たたた。まったく白井の奴…」 そう言って後頭部をさすりながら上条が立ち上がると、逃がしたはずの初春が心配そうに上条を見つめていた。 「あれっ?さっき逃げたんじゃ」 「あっ。一度公園の外まで逃げたんですけどちょっと心配になって戻ってきちゃいました。それより大丈夫ですか?」 心配そうに見つめる初春に、上条はいつものごとく 「大丈夫ですよ。この不幸の星の下に生まれた上条さんにとって白井のキックの一つや二つぐらいではどうってことはありませんから」 自分が言っていることに少し悲しくなり涙が出そうになったが心配させないように、気丈に振舞った。 「そうですか。あっそれよりも先程はありがとうございました。私の名前は初春飾利、柵川中学一年です」 「あっご丁寧に。俺は上条当麻。よろしくな」 そんなこんなで自己紹介も済ませ、初春を助けたことで満足した上条は帰ろうとしたところで、初春に腕をつかまれ 「あれっ?初春さん」 なぜ腕をつかまれているか理解できない上条は初春を見ると。 真剣な眼差しの初春がそこにいた。 初春は、上条の安否を確認してお礼を言って終わりにしようと思っていたが、ジャッジメント故かこの上条には何か重大な秘密があると感じ取り 「上条さん。もしお時間があればお話を聞きたいことがあるんですけど」 そう言って上条を近くの喫茶店へ連れ込んだ。 喫茶店に着くなり初春は 「上条さん。白井さんのことを知っていたようですが。どうやって知り合ったのですか?」 「どうやって知り合ったのか?確か夏休みのときビリビリと話しているときに知り合ったのが最初かな?」 「ビリビリって?」 「あー。ごめんな御坂美琴のことだよ白井と同じ中学の」 「!?!?!?!?」 初春は驚いた。上条のビリビリ発言に、初春も美琴とは、春からの付き合いだが後にも先にも美琴にビリビリ発言をしたのは上条一人であることに。 「上条さん。すみませんちょっといいですか?」 そう言っておもむろに携帯を取り出しある人物へ電話をかけ始めた。 「どうしたの?初春」 「佐天さん。大変です至急来てください」 「えっ?どうしたの?初春。そんなに慌てて」 「理由は後で話します。今から地図を送りますのですぐに来てください」 「えっ…?わかった」 初春は今いる喫茶店の地図をメールを送るなり、再度上条を見つめ 「ごめんなさい。取り乱してしまって。今からお友達がもう一人来ますがいいですか?」 許可を取る前に呼び出しているじゃないですか?とツッコミを入れたい上条であったが 「大丈夫だけど。なんか俺へんな事言ったか?」 自分が言ったことの重大さに気がつかない上条は何気なく聞いた時、店に汗だくの少女が現れた。 「あっ佐天さん。こっちです」 「初春。大丈夫なにがあったの」 事情を聞かされないまま呼び出され何か事件かと思い急いで向かった先には、呼び出した当人が見知らぬツンツン頭の高校生とお茶していることに 安堵とともに少し疑問を残しつつ 「初春。大変な事って?それとこの人は?」 そう言って佐天は、上条を見つめると初春が 「あっ上条さん紹介します。私と同じ中学でクラスメイトの佐天さんです」 いきなりの紹介に上条も 「はじめまして。上条当麻といいます。それより初春さん。わたくし上条当麻がいったいこれから何をされるのでしょうか?」 「そうよ。何があって急に呼び出したの?」 初春は自慢するかのように上条に手を向けて 「この上条さんは、御坂さんをビリビリとあだ名で呼び、白井さんを押さえつけるほどの力を持った高校生なのです」 「なっ………なんだってー!」 そんな叫びとともに、佐天は上条の顔を見るなり 「御坂さんと白井さんに対して、そんなことを出来るのは常盤台の寮の寮監さん以外にいるとは思わなかった」 「そうなんです佐天さん。もしかしたら上条さんは私たちが知らない白井さんたちの秘密を知っているかもしれないですよ」 「初春……それって白井さんの弱みを握るために私を呼び出したの」 「へっ……そんなことは少しはありますがそういう意味で呼び出したわけではないですよ」 そんな二人のやり取りを見つつ上条は心の中で(不幸だ…)と呟きつつ 「二人とも、別に俺はビリビリや白井の弱みを握っているわけでもなく、会ったら話すくらいの間柄だけなんだぞ」 二人に本当のことを話すと美琴や黒子に迷惑がかかると思い話をぼかすように言ってみたが、 そんな上条の言葉に二人は耳を傾けず 「もしかして白井さんがよく呪うかのように呟く類人猿って上条さんのことじゃないですか?」 「えっ?それって寮の前で逢引とか大覇星祭の借り物競争のラブドリンクとか?」 「あの…お二人さん上条さんの話はスルーですか?」 話の主役でもある上条を放っておいて、二人は妄想トークで盛り上がり置いてけぼりになった上条は美琴に助けを呼ぼうと おもむろに携帯を取り出しメールを打ち込み始めると 「ていっ」 「おわっ佐天さん」 いつの間にか隣に座っていた佐天に携帯を奪われてしまい、取り返そうと手を伸ばすと佐天はにまーっと黒い笑顔になり 携帯を胸元に隠してしまった。 「佐天さん。それはちょっとひどいですよ」 「うんにゃ初春。上条さんさっき御坂さんに助けを呼ぼうとメールしていたのを私見たんだけど」 「けど?」 「上条さん。この携帯ストラップ御坂さんとお揃いですよね。このストラップの真相も教えてほしいですよね」 佐天の質問に、はぁーっとため息をつくとともに上条はストラップを手に入れたいきさつを話したが、その話を聞くなり二人は 「これって、御坂さんが上条さんに…」 「もしそれが本当なら、御坂さんかわいそうかも」 「ねえ初春。今から御坂さんを呼んでコノストラップの真相を聞いてみない」 「あーっ!それっていいかもしれないですね」 そう言って佐天は胸元から携帯を取り出して上条に返すなり 「上条さん。さっきはすみませんでした。では続きを打ち込んで御坂さんを呼び出してください」 胸元に隠してあったせいで少しぬくもりがある携帯に多少戸惑いがありつつも上条はメールで美琴を助けを求めるべく呼び出した。 そんなメールに集中している上条に聞こえないように二人は 「当初の趣旨とは違いますが、面白くなってきたね」 「でもどうやって真相を聞き出すのです?」 「それはね……」 そんなこんなで十数分がたったころ喫茶店に顔が赤いのか青いのかよくわからない顔をした美琴が現れた。 軽く汗をかき息が切れつつある美琴を二人は上条の隣に座らせて 「御坂さん。この上条さんとはどういったご関係なんですか?」 直球な質問をいきなり佐天はぶつけてきたが、上条からのメールで 「初春さんと佐天さんに俺とお前のことを聞きだされて困っている助けてくれ」 と内容を聞かされていた美琴は 「あーコイツね。ただの友達っていうか宿敵?」 宿敵という言葉を聞いて「どうして?」と思いつつ、佐天は、何故宿敵なんですか?と聞いてみたら、 美琴から上条に能力が効かないうえに手も足も出ないから始まり不平不満を散々聞かされた。 そんな美琴の不平不満を聞き小さくなる上条に、言いたいことが言えてすっきりした美琴に 「じゃあ。なんで御坂さんは、そんな上条さんに大覇星祭の借り物競争といい、携帯のペア契約とかしたんですか?」 うまく誤魔化せたと思ったところでダークホースである初春からの質問で美琴は顔を赤くしつつも 「大覇星祭の時はたまたまこいつを見かけたから連れて行っただけだし、ストラップはただ単にゲコ太ストラップが欲しかっただけで」 慌てつつもそれらしい理由を言ってみたが、いきなり上条が横から 「そういえば前に聞きそびれたけど、その借り物競争のでよく俺が第一競技に参加しているって知っていたよな」 「ッガ……」 こうして美琴が必死に誤魔化しても空気を読まない上条の一言で壊されてしまい美琴は固まる、そんなやり取りを数回見て、 二人は美琴は上条に惚れているが疑問から確信へと変わった。 修復不可能な状態になりつつも、話をそらすべく美琴は二人になんで上条と知り合ったのかを問い始めると 初春が白井から逃げているところに上条が現れ助けてくれた話をして、美琴はふーん。とうなずきながらも またコイツの悪い癖が出て知り合ったのか。と考えていたところに 「実は友達だから気がついちゃったんですが」 いきなり佐天が横から割り込むように話しかけ、 どうしたの?と全員から注目を浴びると 「実は初春。上条さんの事。好きになっちゃったみたいなんですよね」 「おがっ!…」 「ぬっへえ!」 「へっ…?」 佐天の言葉に上条、美琴は絶句して固まり、初春にいたっては顔を赤くして縮こまってしまった。 「佐天さん。いきなりなんですか佐天さん」 焦る初春に佐天はそっと耳元で、 「御坂さん見て、私の一言で顔がさっきまで赤かったのみ今は青くなっている」 「あっ本当だ」 「だから話し合わせていて」 あまりの動揺に言葉を失っている上条を見つつ美琴は 「う…初春さん。本当にコイツに助けてもらった時に、フ…フラグが立っちゃったわけ?」 「フラグですか…あの時に立ったわけじゃないですけど」 「じゃあなんで?」 恐る恐る真相を確かめようとしたら 「だって上条さん。御坂さんが手も足も出ないくらい強いのに偉ぶっていないし」 「そっ…それで……」 「優しい人じゃないですか。御坂さんや白井さんに攻撃されていてもお友達でいるって事は」 嘘とはいえあまりに堂々と上条のいいところを話す初春に佐天は目を大きく見開き驚き、上条には自分の事をここまで評価してくれる人がこの世にいたのか と目に涙を浮かべて感動していた。 そんな二人を見て窮地に立たされた美琴は 「まずい…まずい…まずい」 と焦りつつも初春の言葉でフラグが立ちつつある上条をどうしようかと思ったときに 「でも私は、上条さんと今日知り合ったばかりですし、好きになったのはついさっきです」 「えっ?」 あまりにも好きという言葉を簡単に出した初春に驚く佐天は、何もいえずただ初春を見つめるだけであった。 そんな佐天を知ってか知らずか、初春は続けてこう話した。 「今日。上条さんの事を好きになった私が上条さんに告白するには、まず私よりずっと前に上条さんの事を好きになっていた御坂さんにお話したいことがあります」 「初春……」 「えっ?初春さん」 「御坂が俺の事?」 初春から美琴は上条の事を好きになっていると聞かされ、驚いた上条は美琴を見るとこれでもかってくらいに赤く震えた美琴がそこにいた。 沈黙に似た静寂が数秒続いた後、初春は美琴に 「御坂さん。もしここで上条さんに今の気持ちを伝えなければ私が先に上条さんに告白します」 「えっ…?私が今ここで」 「もし御坂さんが何もいえずこのまま私が上条さんに告白して」 目に涙を浮かべて初春は息を呑みこみ 「優しい上条さんならありえませんけど、もし私が振られてしまっても、上条さんみたいなこんなすごい人、ほかの誰かに奪われてしまいますよ」 そう言って目に涙を浮かべつつも強い眼光で美琴を見つめだした。 「初春…」 はじめは冗談のつもりで口に出したことであったが、初春の言葉一つ一つに強い気持ちがこめられ佐天は何も言えず傍観者となっていた。 そんな初春の強い視線を受け美琴は 「初春さんごめんね」 そう一言告げるなり上条に向き合い 「アンタに言うことがある。初春さんの言うとおり私……アンタの事が好きなんだ恋人になって欲しいのだけど」 覚悟をきめて告白した瞬間 「やったーうまくいきましたよ佐天さん。御坂さんが上条さんに告白しましたよ」 そう言って隣にいる佐天に抱きついていった。 「へっ?初春さん?」 「………?」 「どういうことなの?初春」 そんな驚く三人に初春は 「実は今までの事は全部お芝居なんですよ。御坂さんを告白させる為に」 「え…あ…う…」 初春たちに、騙されそして告白してしまった事に気がつき美琴は顔を赤くして小さくなってしまったが 「じゃあ上条さん。御坂さんの告白の返事は?」 初春の言葉に小さくなっていた美琴が急に顔を上条に向け見つめ始めた。 「ここまで後輩たちにやられてここで返事をしないのは上条さん的にまずいと思うので」 そう言うなり上条は美琴を見つめ 「よろしくな。御坂」 上条からの一言で初春と佐天は歓声を上げ恋が実ったことに美琴は目に涙を浮かべ 「ありがとう…みんなありがとう」 そう呟くことしか出来なかったのであった。 「じゃあ。さっそくですがカップル誕生したところで邪魔者は消えましょうか。行きますよ佐天さん」 「えっ…初春」 「じゃあここのお代は協力費として奢ってくださいね」 そう言って二人を残し初春たちは、店の外へ出て行った。 店に残された形になった上条と美琴は 「お前……。いい友達を持っているな」 「本当ね。後で御礼もしなくちゃね」 二人は気づいていた、初春がカップル誕生を見届けた後、急ぐように店から出て行く理由を 喫茶店から出て数分後 「初春ここなら周りにいないから大丈夫だよ」 佐天は親友である初春の気持ちを知ってかやさしく声をかけた。 「ざ……ざてんさん。私は嬉しくて泣いているんですよ」 「そうだね。初春はよくやったよ」 そう言って佐天は初春の頭を胸元へ抱きしめた。 佐天の優しさに包まれつつ初春はこれでもかと言う位に泣き続けた。 }}} #back(hr,left,text=Back)

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