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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/20スレ目ログ/20-765 - (2012/03/18 (日) 09:45:58) の最新版との変更点

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*小ネタ 暖かい春の日には。 2 #asciiart(){{{ 同日 AM 6:17 しばらくすると寝室のドアをバン!と開けて前髪から弱めの電気をパチパチ出しながら美琴がやってきた。 顔を洗ってきたのか、周りの髪が少し濡れていた。彼女は怒り気味でドカドカとベッドの上に乗ると、前髪以外は布団に潜り込んだ。 ・・・前髪からは、電気を出したままで。 「痛ッ!!痛いです美琴さんッ!!ビリビリよりパチパチの方が静電気みたいでいだだだだッ!!」 前髪から放たれるまさに静電気のようなものは上条の頭あたりを直撃している。 「アンタには魔法の右手があるじゃない」 布団から顔を出した美琴にそう言われて慌ててそれを打ち消す。一瞬にしてなくなった電気に安堵の息を漏らす。 互いに何も話さぬまま数秒間、ゆっくりと時間が流れる。そして上条が口を開いた。 「ごめん・・・やりすぎた。そんなに嫌だったと思わなくて」 そっと手を伸ばし、彼女の髪を梳く。濡れていた部分が体温で温かくなっていた。 美琴は黙ったままくるりと寝返りを打つと、上条と向き合う。 「あんなに嫌だって叫んでたのに」 「ごめん。我慢できなかった」 「・・・我慢、してたの?」 「答えないとだめでせうか?」 「当り前でしょ!朝起きていきなり耳噛まれたこっちの身にもなってよねっ!」 むー!っと威嚇しながら人差し指をぐいっと突き出す。可愛らしい威嚇をされた上条は梳いていた手を離すと、ぼそりと答えた。 「・・・してました」 「ということは前からやりたかった、と?」 「ハイ・・・」 今までスキンシップはキスが限度だったのだが、突然の行動に正直驚いていた。しかも彼は大胆な人というわけでもない。 理由がある、と美琴は悟る。ふぅ、と溜息をついて怒りを落ち着かせた。 「なーんでいきなりこんな行動に出たのか知りたいんだけど?」 「うっ・・・それは」 「なに戸惑ってんのよ。そんなに言いたくないような理由でもあるのかしらー?」 「・・・・からっ」 「む?」 「み、美琴が!可愛くてしょうがなかったからだよッ!!そ、その・・・最近忙しくて家にも帰れねえ日が続くし・・・  帰っても遅いからもう寝てるし・・・つ、つまり寂しかったんだよ俺はッ」 時間がない。最近出張の多い上条は事実、家に帰れない日が続いていた。もちろんメールか電話で連絡は取っているがやはり寂しさがこみ上げてきたのだろう。 家に帰るのは日付が変わる時間帯。部屋は真っ暗でおかえりの一言さえも聞けない。ラップに包まれたご飯をレンジで温めて1人で食事をする。 それがすでに日常と化している時点で実は寂しいどころかそれ以上になっていた。 理由を知った美琴は怒りが自然と消えていて、「か、かわッ!?」と小さな悲鳴を上げていた。 そんな彼女が今日はとても愛しく思えて無意識に強く抱きしめてしまう。 「やっ・・・なんか苦し・・・は、離して」 「ずっと―――――――こうできるのを待ってた・・・」 抱きしめたのも久々な気がした。温かい体温とふんわりと香るシャンプーの香り。全てが懐かしくて、今までの我慢が解放されたような感覚だった。 しばらくその感覚に浸っていると、上条の気持ちをやっと理解した美琴が口を開いた。 「寂しかった・・・のよね。ごめんね、気付かなかった」 「いいよ。今――――幸せだから」 「今日は日曜日で時間もあるからゆっくり休んでね」 上条はあぁ、と頷くと彼女と唇を重ねた。離れる際にピクッと美琴が震えた。 「どうかしたか?」 「あ、いや・・・また噛まれるのかと思って」 「ほほう」 「何ニヤニヤしてんのよッ!ってちょっバカ―――」 美琴の甘い声と共に、彼女の首元に上条が優しく噛みついた。先ほどよりは抵抗しなくなった彼女が茶色の瞳を潤ませる。 今までの分を取り返すように、甘い時間を過ごした、暖かい春の日の朝。 ~Fin~ }}} #back(hr,left,text=Back)
*暖かい春の日には。 2 #asciiart(){{{ 同日 AM 6:17 しばらくすると寝室のドアをバン!と開けて前髪から弱めの電気をパチパチ出しながら美琴がやってきた。 顔を洗ってきたのか、周りの髪が少し濡れていた。彼女は怒り気味でドカドカとベッドの上に乗ると、前髪以外は布団に潜り込んだ。 ・・・前髪からは、電気を出したままで。 「痛ッ!!痛いです美琴さんッ!!ビリビリよりパチパチの方が静電気みたいでいだだだだッ!!」 前髪から放たれるまさに静電気のようなものは上条の頭あたりを直撃している。 「アンタには魔法の右手があるじゃない」 布団から顔を出した美琴にそう言われて慌ててそれを打ち消す。一瞬にしてなくなった電気に安堵の息を漏らす。 互いに何も話さぬまま数秒間、ゆっくりと時間が流れる。そして上条が口を開いた。 「ごめん・・・やりすぎた。そんなに嫌だったと思わなくて」 そっと手を伸ばし、彼女の髪を梳く。濡れていた部分が体温で温かくなっていた。 美琴は黙ったままくるりと寝返りを打つと、上条と向き合う。 「あんなに嫌だって叫んでたのに」 「ごめん。我慢できなかった」 「・・・我慢、してたの?」 「答えないとだめでせうか?」 「当り前でしょ!朝起きていきなり耳噛まれたこっちの身にもなってよねっ!」 むー!っと威嚇しながら人差し指をぐいっと突き出す。可愛らしい威嚇をされた上条は梳いていた手を離すと、ぼそりと答えた。 「・・・してました」 「ということは前からやりたかった、と?」 「ハイ・・・」 今までスキンシップはキスが限度だったのだが、突然の行動に正直驚いていた。しかも彼は大胆な人というわけでもない。 理由がある、と美琴は悟る。ふぅ、と溜息をついて怒りを落ち着かせた。 「なーんでいきなりこんな行動に出たのか知りたいんだけど?」 「うっ・・・それは」 「なに戸惑ってんのよ。そんなに言いたくないような理由でもあるのかしらー?」 「・・・・からっ」 「む?」 「み、美琴が!可愛くてしょうがなかったからだよッ!!そ、その・・・最近忙しくて家にも帰れねえ日が続くし・・・  帰っても遅いからもう寝てるし・・・つ、つまり寂しかったんだよ俺はッ」 時間がない。最近出張の多い上条は事実、家に帰れない日が続いていた。もちろんメールか電話で連絡は取っているがやはり寂しさがこみ上げてきたのだろう。 家に帰るのは日付が変わる時間帯。部屋は真っ暗でおかえりの一言さえも聞けない。ラップに包まれたご飯をレンジで温めて1人で食事をする。 それがすでに日常と化している時点で実は寂しいどころかそれ以上になっていた。 理由を知った美琴は怒りが自然と消えていて、「か、かわッ!?」と小さな悲鳴を上げていた。 そんな彼女が今日はとても愛しく思えて無意識に強く抱きしめてしまう。 「やっ・・・なんか苦し・・・は、離して」 「ずっと―――――――こうできるのを待ってた・・・」 抱きしめたのも久々な気がした。温かい体温とふんわりと香るシャンプーの香り。全てが懐かしくて、今までの我慢が解放されたような感覚だった。 しばらくその感覚に浸っていると、上条の気持ちをやっと理解した美琴が口を開いた。 「寂しかった・・・のよね。ごめんね、気付かなかった」 「いいよ。今――――幸せだから」 「今日は日曜日で時間もあるからゆっくり休んでね」 上条はあぁ、と頷くと彼女と唇を重ねた。離れる際にピクッと美琴が震えた。 「どうかしたか?」 「あ、いや・・・また噛まれるのかと思って」 「ほほう」 「何ニヤニヤしてんのよッ!ってちょっバカ―――」 美琴の甘い声と共に、彼女の首元に上条が優しく噛みついた。先ほどよりは抵抗しなくなった彼女が茶色の瞳を潤ませる。 今までの分を取り返すように、甘い時間を過ごした、暖かい春の日の朝。 ~Fin~ }}} #back(hr,left,text=Back)

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