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#navi(上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある宣伝の超電磁砲)

「…っそ、それは」
「それは?」
「あっあんたが、『好き』だからよ!」
 と爆弾をうっかり投下してしまった少女と、その爆弾の衝撃でフリーズする一同。
「………えっ?」
 数秒のタイムラグの後、衝撃から立ち直った少年の発した言葉は、ものすごく間の抜けたものとなった。

――舞台は、少女が飛び出した直後に遡る。

「「御坂さん?!」」
 驚いて、佐天と初春は同時に叫んだ。
思わず立ち上がったため、ガタっとテーブルに振動が伝わり、
二人の驚きを表すかのよう、飲みかけのジュースに波紋が広がる。

「どっどうしましょう、佐天さん!」
「と、とりあえず…御坂さんを追いかけよう!」
 それぞれの代金を伝票から素早く確認。勿論、いなくなった美琴の分も含め必要な金額をテーブルに置く。
「あ、あの、すいません!お先、失礼しま…」
 とそこで二人は気が付いた、なんだか様子がおかしい上条さんに。

「あの、上条さん…?」
 もしもーしと佐天は呼びかける。
よく見るとその視線はどこか遠くへ行っていて、心なしか顔も赤い気がする。
もしかしてこれって…脈アリなのでは?と思い切って尋ねてみる。
「上条さん、御坂さんのことどう思ってますか?」

「……………」
 どこか上の空で相変わらず反応がない。
これはもう単刀直入に聞くしかないと考え直し、佐天はズバリ言った。
「上条さん!御坂さんのこと好きですか?」
 『好き』という言葉に過剰なまでに反応した上条は、一気に現実に戻った。
真剣そのものの表情で尋ねる佐天と目が合い、慌てて目をそらす。

「上条さん、答えて下さい!」
 と佐天の剣幕に、初春はあわあわしているのだが成り行きを見守る事にした。
「……分からない」
  上条は回答できないと告げる。
「それは御坂さんに対する気持ちがですか?」
「いや、そもそも俺には好きっていう気持ちが分からない」
「…えぇ~とそれって」
 あれ?どこかで聞いた話だなと佐天はデジャヴを感じた。今日の御坂さんの話がそれに近い。 
これはどう切り出したものかと考えていると、初春がここは助け舟を出した。

「上条さんにとって御坂さんはどんな人ですか?」
 初春からの質問に、ああ、それなら答えられそうだなと上条は言った。
「俺にとって御坂は…」
 と一人の少女――御坂美琴に対してのありのままの気持ちを上条は語る。

「初めて会ったときは、ちょい生意気なお嬢様って感じでな。
人をあんたかバカしか言わねぇ、タメ口で年上に敬意を払わねぇ…。
でもな、気付いたんだ、何でもない様に装ってるけど、影ではすっげぇ努力し
ていて、実は意外と熱いハートの持ち主で、困った人を放って置けないお人好
しで、いい奴なんだよな…それから」

 陽だまりの中にいるかの様なやさしさに満ちた口調で上条は告げる。

「いつも明るくて、元気をくれる、かけがえのない存在だ」
 だから何よりあいつが悲しむ顔はみたくない――出来ることならその笑顔を守りたいと。
俺にとって御坂はそういう奴なんだよと話を括った。

 その内容は、佐天と初春を更に困惑させるようなものであった。
上条は『かけがえのない』『守りたい』と、聞いてるこちらが赤面しそうなワードをいくつも出している。
 そもそも好きという気持ちが根底にあって、そこから徐々にステップアップして、至る心境ではないのかと
つっこみどころは満載なのだが、当の本人は全くわかってないらしい。

 なんてこった…上条さんは、御坂さん以上に鈍感だ。
御坂さんの話の方がまだ簡単だ、気持ちの正体が分からないただそれだけのこと。
けれど上条さんの場合は、かけがえのない存在だということを理解していても、好きという気持ちは分からないという。

「上条さんは、御坂さんの事嫌いですか?」
  佐天は諦めず言葉を換え問い直す。
「御坂の事は、嫌いじゃないぞ」
「じゃあ、好きなんですか?」
  とすかさず初春が問い返す。
「いやだからそうじゃなくてだな…」
  と上条は一呼吸置き、答えた。
「ただ大切なんだ」
  
 答えは振り出しに戻り、つまるところ堂々巡りである。

「…とうま」

 事の成り行きを静観し、黙々とご飯を食べ続けていたインデックスが口を開く。
今まで、静かだっただけにその一声は三人の間に響き渡る。

「何だ、おかわりか?」
 てっきりご飯が足りないのかと思って、そう返した。

「ち・が・う・んだよ」
 むぅ~とインデックスは顔を膨らませて怒るが、あまり説得力はない。
「おかわりじゃないなら、何だ?」
 はぁ~とため息をつく。
「ねぇとうま」
「?」
「何で、みことが怒ったのか分かるよね?」
「…そりゃ、まぁ。俺があいつに黙ってからだろ?」
「半分、正解かも…でも半分は間違ってるんだよ」
「ああ、そりゃさっき言ってた発言になるよな…怒った理由には」
 先ほどの光景を思い出してすこし頬を赤くする。
「それも違うんだよ」
 インデックスは全然分かってないねと告げる。
「私に嫉妬したから、とうまに怒ったんだよ」
「えっ?上条さんは意味がよくわかりませんのですけども?」
「とうまは私の事なんとも思わないの?」
 とのインデクッスの問いかけに、えぇーいきなり何言ってやがるんですかこの子はー状態であるが、冷静に考えてみる。
居候のインデクッスに対して、そりゃ状況によってはトキめいちゃったりなんて事はする。けれど…それだけだ。
「上条さんも、男ですから、不覚にもトキめいちゃったりすることはありますよ!」

 やっぱり、とインデックスはどこか寂しそうに笑い。
「みことだったら?」
「何をだ?」
 インデックスが何を言おうとしてるのか、さっぱり見当がつかない。
「とうまは…みことを泊められる?」
「はぁ?!なっ何言ってるんだお前…そっそりゃ、ダメにきまって…」
「私はよくて、みことがダメなのは何でかな?」 

 インデックスはよくて、美琴がダメな理由。

「…………」
「とうまは、もう本当はわかってるんだよ」 
 インデックスは、何でもお見通しですよとでも言うかのように。
「とうまは、みことの事…好きなんだね」
「いやだから…「とうま!!」」 
「私、さっきから聞いてたんだよ、全部覚えてるんだよ、とうまの言った事」
 インデックスは捲くし立てる。
「とうまは、そうやって言葉で囲って本当の気持ちを隠してるんだよ!」 
 インデックスの放った言葉は、本日二度目の衝撃となってヒットした。
「!」
 大切に思うその気持ちの根底にあるもの。
「わりぃ…インデックス、俺…」
 インデックスの目は充血していた。
今にも涙腺が崩壊しそうな表情で、このまま放って追いかけていいのかと躊躇する。
「………早く行け」
 聞き間違いかと思うほど物凄い声音で発せられたその言葉に、一瞬ビクッとなる。
「いや、でもな…」
「インデックスさんは私達に任せて下さい!」
 佐天と初春からの背中を押す言葉。
「「上条さん、行って下さい!!」」
 だから御坂さんを宜しくお願いしますと二人は言った。
数分後、とあるファミレスに三人の少女が残された。

 ぽつりぽつりと、インデックスは話しだす。
本当は、美琴があんな風に突然思いを告げて、驚いて。
「みことは、急に何を言ったかと思えば、逃げるなんて失礼かも!」
 と茶化して言うつもりだった。

 当麻の顔を見るまではそう言うつもりだった。
でも言えなかった…分かってしまったから、言えなかった、何も言えなくなってしまった。

「そっか…」
 うんうん、と少々もらい泣きしながら、二人の少女は、一人の少女を慰める。 
恋って難しい…思うように行く事もあれば、望まぬ結果もある。でもそれが恋なのだ。
次の恋がうまく行きますようにと願って、今はいっぱい泣けばいい。

「よーし、じゃあこれから、やけ食いだー!」
「そーですね!」
「!」 

二人は知らない。この小動物の様に愛くるしい少女は、四次元ポケット並の胃袋を持ってる事を…。



一方、夕闇が迫る街中を走る、少年が一人。

「御坂、どこだ?!」
 電話を掛けてみても応答しない。電話に出たくないのか、或いは電源が切れてるのか。
ただ宛もなく闇雲に走ってもしょうがないので立ち止まり、息をついた。落ち着いて、向かいそうな場所を考える。

 影は闇に紛れていき、時間だけ過ぎていく。
タイミングというのは、重なるもの。だから、ある意味二人の出会いは運命だったのかもしれない。

「あら?」
 声の先には見知った少女がいた。
その少女はとてつもない笑みを浮かべ。
「そちらから、来て頂けるとは…向かう手間が省けましたわ」
 何やら意味深な発言に、もしかして御坂の事で何か知ってるかもしれないと思い至る。

「御坂の居場所を知ってるのか?!」

「お答えしても宜しいですが…そうですわね」
 と少女は凛とした声で続ける。



――じゃーいってみようか 

カチンコがなりツインテールの少女が颯爽と登場。 

「ジャッジメントですの!」

 何もない空間から現れた少女は、風紀委員の腕章をぐぃと袖を引っ張り、見せつける。

「とある科学の超電磁砲<レールガン>第四巻、4月28日、DVD&ブルーレイで発売ですの!」

 悪党どもをちぎっては投げ、ちぎっては投げ

「初回限定版には、豪華特典がついてきますのよ!」

 空間移動とコンボで場を収め

「発売まで、あと3日ですわ!」

 決めポーズ。

「わたくし、今日は急いでおりますの。ですから色々と早送りしていただけると助かりますわ」

 既に、撮影が始まってから2時間は経つ、お姉さまのほうが先に終わっているかもしれない。
何回撮り直せば気が済むのだ。いい加減にしてほしい。が、どこか気に食わなかったらしく、もう一度との声。

 ようやく終わった頃には、お姉さまの姿はなく、一人寂しく帰路につく。

結局、今日も計画は実行できなかった。

黒子のマル秘予定帳
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その1 お姉様と合流し、ファミレスで親睦を深める。
 ※佐天、初春が着いてきた場合、プランBへと移行する。

その2 お姉さまを買い物に誘う。
 ※これも佐天、初春が着いてきた場合、プランCへと移行する。

その3 お姉さまに似合う下着と、わたくしの勝負下着を購入。
 ※もちろん、佐天、初春が着いてきた場合、プランDへと移行する。

その4 お姉さまとのプライベートタイム。
 ※最終段階、大詰め、失敗は許されませんの!
  佐天と初春はプランB~Dのいずれかで駆除する事。

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